伊坂幸太郎
『死神の精度』★★★★
『死神の浮力』を読む前におさらい。
再読なんだけどチラリとも覚えていない。
自分の記憶力って一体何だろうと思わずにはいられない・・
仙台のCD屋さんが出てくる場面は記憶にあるけど、それとは違うよう。
題名の通り、死神が登場し死にゆくターゲットに近づき様子を見て、
死をジャッジするという物語
寒気がする時があるけど(悪寒?)そんな時、死神が身近にいるってね(笑)
目に見えない物をたまに信じたくなる。信じてみたくなる時があるけど、
それは+に考えて神頼みだったりする。
誰にでも平等に訪れる「死」について意識し想像、考える時間をくれる。
ただの物語として楽しもうと思っても、自然とそうなってしまう。
「死」
わたしは一度死にそうになったことがあるから、今「生かされている」と思うことがある。
極端だけど嫌なことがある時「死ぬわけじゃなし」
逃げ場所をどこかに持っているとスゴク生きていて「楽」
酷い時「死んでしまいたい」なんて思わなくなる。
思えば冷静な死神のジャッチに助けられたと言うことか!
生を謳歌する。
生きているという実感を得る瞬間
映画の中で命乞いをする場面をたまにみるけど、自分もその立場に立ったらそうするのかな?
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「弱きを助け、強気をくじく」
「おまえが仕事をやる時はいつも天気が悪いんだってな」彼は言った。「調査部でも有名じゃないか」
「まあな」
「晴れた空を見たことがないって聞いたけど、あれは本当なのかよ」
私は肩をすくめ、「まあな」と答えた、嘘ではなかった。私が現われる時、空はいつも雲に満ち、その雲の晴れた向こう側がどうなっているのかは確認したことがない。興味がないと言えばないが、けれどどこか損をしている気分はあった。「でも、仕事には支障がない」
「だよな」
「ただ、こんな大雪ははじめてだ。いつもは、せいぜい雨なんだが」私は、夜の闇の中でも執拗に、強靭に、降りつづける白い雪に見惚れていた。白でも黒でもいい、風景は一色になるべきではないだろうか。人間の世界には色が多すぎる。
「人が生きているうちの大半は、人生じゃなくて、ただの時間、だ」
「あんたさ」老女はその後で、唇をさほど開かず、呼吸のついでのように言った。「人が死ぬことってどう思う?」
「特別なことではない」私は素直に答える。彼女自身が昨日、人はみんな死ぬ、と発言したばかりだった。
「そう、全然、特別じゃない」老女はなぜか嬉しそうだった。「でも、大事なことだよね」
「特別ではないのにか」
「たとえばさ、太陽が空にあるのは当たり前のことで、特別なものではないよね。でも、
太陽は大事でしょ。死ぬことも同じじゃないかって思うんだよね。特別じゃないけど、まわりの人にとっては、悲しいし、大事なことなんだ」
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さてお次は『死神の浮力』です。
時差出勤で早々に飲む。仕事終わりの一杯は格別
久々表参道うさにて。
未だ健在だけどオーナーが変わっていた。
そうよね、よく来ていたのは10年前だものね。