恩田陸
『象と耳鳴り』★★★★
やっと完読 一目惚れした本
ねじれた記憶、謎の中の謎、目眩く仕掛け、意表を衝く論理!
(こちら解説もまた個性強)
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「あたくし、象を見ると耳鳴りがするんです」退職判事関根多佳雄が立ち寄った喫茶店
上品な老婦人が語り始めたのは少女時代に英国で遭遇した、象による奇怪な殺人事件だった・・・・・・。
表題作をはじめ、子供たちの会話、一枚の写真、携帯電話など、なにげないテーマに潜む謎を、
鮮やかな手さばきで解き明かす論理の芳醇なる結晶
幻惑と恍惚の本格推理コレクション!
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どきわく。期待以上の内容のクールさに主人公の関根さんに興味津々!
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出版社からのコメント
緑白のカバーデザインにピンとくる貴方は筋金入りのミステリファンです NHKドラマで話題となった『六番目の小夜子』の主人公の父親関根多佳夫(TVでは古尾谷雅人さんが演じていましたね)が活躍するのが、この短編集
ゲラの準備を進めていたころ、装幀などもそろそろ煮詰めなければと打ち合わせに入った新宿N屋地下の喫茶店で、恩田さんはおもむろに一冊の古本を取り出しました。
「今朝、古本屋さんでやっと見つけました。今度の本の装幀はこれにしてください」
「こういうイメージということですか?」
「そうじゃなくて、これそっくりにしたいんです」
その本というのが40年前に東京創元社からクライムクラブシリーズの一冊として出たバリンジャーの『歯と爪』
緑白ツートーンの簡易箱装された新書でした。たしかに古き良き時代の洗練されたブックデザインです。
装幀したのは『暮らしの手帖』で知られる花森安治氏
さっそく東京創元社現社長の戸川さんに花森氏のお嬢さんを紹介していただいて、ご快諾を得ました。
「私だって入社する前の本ですよ」という戸川社長によれば、花森氏自身が雑誌の犯人当て企画に、異ジャンル代表として参加するほどのミステリファンだった、なんて話も聞けました。
「このデザインだと、タイトルも『○と×』というパターンじゃないとだめなんです。だから表題作は『象と耳鳴り』にしてください」
と恩田さん。
昨今の書店さんの刺激いっぱいの新刊売場で、この地味なデザイン、地味なタイトルが、どこまでウケるかという懸念は、幸いなことに杞憂でした。
ちなみに『歯と爪』は文庫になった際、解決編部分が袋とじにされ、帯に『袋とじを破らずに、その前の頁で読み終える人には返金保証する』旨が明記されて話題になってます。
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土用の丑の日
ってことで朝から鰻を食す。
外は荒れまくりなお天気で晴れたり曇ったり雨が降ったりと忙しい。
隅田川の花火大会どうなることやら・・