江國香織
『ひとりでカラカサさしてゆく』★★★★+
クリスマス読書
声帯を失った日でもある。
ハードカバー
前情報なしに読むのはどきわく。
それが意外!?
江國さんもこういう話書くようになったんだなと感慨
発行 2021年12月20日
(初出「小説新潮」2020年4月号~2021年7月号)
--------(抜粋)
ほしいものも、会いたい人も、ここにはもうなんにもないの――。
大晦日の夜、ホテルに集まった八十歳過ぎの三人の男女。彼らは酒を飲んで共に過ごした過去を懐かしみ、そして一緒に命を絶った。三人にいったい何があったのか――。
妻でも、子どもでも、親友でも、理解できないことはある。唐突な死をきっかけに絡み合う、残された者たちの日常。人生におけるいくつもの喪失、いくつもの終焉を描き、胸に沁みる長篇小説
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「墓石なんていらないって、祖父は言ってたんです。死んでからまでそんなところに閉じ込められたくって。それに、これからも人は死に続けるのだから、墓石になんか拘泥していたら、そのうち生きている人たちの居場所がなくなるって」
「道理だ」
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「人間は、泣くのとたべるのとをいっぺんにできないようになっているらしいですよ」
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そして、あたしは、と胸の内で言う。あたしはお金はあるんだけど、お金があってもほしいものがなくなっちゃったの。ほしいものも、行きたいところも、会いたい人も、ここにはもうなんにもないの。
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「アンデルセンのダークサイドとサニーサイド」
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このあたりにコロナが蔓延
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クオリティオブライフ
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「男の人に期待しすぎちゃだめよ」
男の人がいてもいなくても―—
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生者より死者の方を身近に感じるなんてへんですね。
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若くない人間には二種類いるのだと、いつからか朗子は思うようになった。他人とのあいだには何が起こるかわからない、と考える人間と、他人とのあいだには何も起こるはずがないと考える人間の二種類で、おなじ場所にいても、前者同士にはすぐ見分けがつく。だからといって何も変わらないし、ただときどきこうしてその事実を確認し合うだけなのだが――。
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長編と言うより中編だったのでサクッと完読
このぐらいの読書もよき。
江國さん最近こんなパターンが多い?
登場人物に入れ込み過ぎない、ある意味想像力を掻き立てる描き方
途中恋人の身体の特徴の箇所でつい感傷に浸ってしまい涙。。