伴名練
『なめらかな世界と、その敵』★★★★
読書会課題本
装丁から、絶対選ばないだろう本
知る人ぞ知る若手のSF作家さん だそう。
(初耳でした)
しまった・・また検索かけて写真を拝見してしまった。
うわ!男性だったのか。
(・美亜羽へ贈る拳銃 ラスト)
日本のSF界を支える出版社である早川書房をして
「2010年代、世界で最もSFを愛した作家」と言わしめた作家・伴名練
本書は、2019年8月早川書房より単行本として刊行された作品を文庫化したものです。
--------(抜粋)
いくつもの並行世界を行き来する少女たちの1度きりの青春を描いた表題作のほか、
脳科学を題材として伊藤計劃『ハーモニー』にトリビュートを捧げる「美亜羽へ贈る拳銃」、
ソ連とアメリカの超高度人工知能がせめぎあう改変歴史ドラマ「シンギュラリティ・ソヴィエト」、
未曾有の災害に巻き込まれた新幹線の乗客たちをめぐる書き下ろし「ひかりより速く、ゆるやかに」など、
卓抜した筆致と想像力で綴られる全6篇
SFへの限りない憧憬が生んだ奇跡の才能、初の傑作集が満を持して登場
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一作目表題作
・なめらかな世界と、その敵
夏なのに雪が降り積もり、事故死した父が「いってらっしゃい」と見送る朝
おもしろい展開でふふと笑ってしまう。
こういう時に自分じゃ選ばない課題本の出逢いに感謝!
・ゼロ年代の臨界点
・美亜羽へ贈る拳銃 私的に★★★★
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「たぶん、人間にとって、『私』に比べて、『あなた』という存在が、もっと曖昧な連続であって構わないということなんだと思います。わたしは、臆病でも前を向こうと、誰かのためになろうとするあなたが好きです。でももしあなたが明日、世界に絶望して街行く人たちを次々と刺し殺したりしても、突然女遊びに目覚めても、後ろ向きになっても、利己的になっても、わたしは『あなた』のことを愛し続けるでしょう。人格が昨日から変わっていても、『あなた』が『あなた』であるだけで、愛し続けることはできるんです。人間の心は新しい『私』という波に上書きされ続ける砂の城のように脆いものだから、絶対の『私』はいない。だから、同じように不連続な『あなた』との、『他者』との関係の中に、『私』の幻影を築くんじゃないでしょうか」
論理が破綻している。それがどの部分なのか咄嗟に判断できないが、この論理は壊れている。
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「僕は―—きみを愛することはない。きみが父さんの足元にも及ばないデットコピーだと、この目で見て改めて理解した。そう、殺したくなるほどに、きみと父さんの顔は瓜二つだけれど、中身は天と地ほどの差がある。僕は今なお神冴志恩を愛している。きみへの答えは拒絶だ」
全身の力が抜けるのが分かった。失意か、それとも解放か。答えは訊く前から知っていた、けれど自分の身体がそれほど正直に反応を示すことが意外であり、恥ずかしくもあった。
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・ホーリーアイアンメイデン
次々と籠絡してゆく姉
改心の輪が広がる
日文矢文
唯々諾々
果断即決
焦眉の急
一億玉砕→厭戦和平
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私は片棒担ぎだったのだと思います。
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所以(ゆえん)
懊悩した日々
来るべき時が来てしまったのだという諦念
最後の線引き
・シンギュラリティ・ソヴィエト
シンギュラリティとは - コトバンク
現在のロシア・ウクライナ情勢
作者が改訂したのは仕方のないことかと思う。
抗老化装置
赤ん坊の絨毯に転ぶ男・・何なの?(笑)
こういう意味不明な事態が起こるのがSFである。
人工知能の世界 電脳空間
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心無い歓迎には心無い言葉を
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「脳の半分を演算資源に差し出すぐらいなら、奥歯に仕込んだ毒で自害しますよ。僕がスパイならですがね」
資本主義者にとっての真実と、共産主義者にとっての真実は別物である。
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クローン人間
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「人工知能用の戦闘機で、人間が搭乗するためのコックピットが存在する必要はないのでは?」
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人工知能戦闘機に乗せられたのが人質!?
中々おもしろい展開に。
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ヴィーガ、怖がらないで、何も心配しなくていいわ。難しいことなんてただの一つもない。あなたはただ二種類のスイッチを押し、一種類のレバーを引くだけでいい。
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反論は無用
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「電脳空間での余生も、慣れれば優雅なものかも知れません」
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どんでんどんでん
HappyBirthday🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯
・ひかりよく速く、ゆるやかに
標題の「なめらか」、この「ゆるやか」とかこういう言葉を好むのかな?
いきなり高校の卒業式から「白鱗の竜が、死を迎えようとしている」と場面転換
こういう予想外にたまについてゆけなくなる(苦笑)
SFは想像力が全て、考え込まずに考える。
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限りなく煉獄に似た、楽園
「‥‥‥静かだ」
カロリーメイトのチョコ味と綾鷹のペットボトル
「天乃は待つ方の人間じゃなかった。止まってられない人間だった。だよね?」
五年という歳月が、世間の様々な感情を風化させいたのだと思う。
『低速化』
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髪の色で人を判断してはいけません(笑)
最後のあとがきにかえての幼少期のSFとの出逢いから、アンソロジーを組むまでの熱き思いが伝わりました。
おもしろい作家さんに出逢えた感!こちらおすすめです!
(わたしは表紙に先入観を持ってしまったけど、それを凌駕しました)
伴名練で他の書籍がなかったので、アンソロジーを予約してみた。