椎名誠
『もだえ苦しむ活字中毒者 恐怖の味噌蔵』★★★★★
ツボ!
初期作品の3作品目
実は一度手に取ったけど読めてなかった本でした。
「誰も殺されない物語」
だらだらと平和に読み進めました。
--------(抜粋)
本を読んでいないと、禁断症状が出てしまうほどの活字中毒である本の雑誌発行人、めぐろ・こおじを罠にはめて、味噌蔵に閉じ込めてしまう表題小説は、著者が初めて書いた記念碑的小説
どこまで本当で、どこからフィクションなのか、解説で主人公の目黒氏が種明かしをしてくれました。
もうひとつの読みどころは、著者の過激な好奇心がぎっしり詰まった辛口コラム
うんこ的本づくりに文句をつけたり、ゴキブリ雑誌を踏みつぶしたり、インチキベストセラーを攻撃する若き日の椎名誠がまるごと文庫で初登場
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標題の『もだえ苦しむ・・』の世界がどこからどこまでが現実なのか、
その曖昧さがまたよく、読書家としては(自分で言うな?)バッグに本がないと不安
冷蔵庫にビールが冷えてないと不安と同義(笑)
いつでもどこでも文庫本が手元にある生活
ついつい目黒さんを自分に置き換え考えてみたり。
舞台が武蔵五日市って言うのがまた身近
ただ国電の時代の話(1987年 国鉄(日本国有鉄道)が分割民営化されJRが発足)
「文藝春秋10月号四六四頁単独完全読破」
笑ったわ~
時系列なのがまたおかしい。
「本ばかり読んでいる人生は△である」
わたしが生まれる前に書かれたエッセイ さすがに時代を感じる。
昭和48年に石油ショックがあり、それがきかっけとして文庫本ブーム!
今は当たり前に文庫本化されているけど、昔はそうではなかった模様(知らないんだ)
ふむふむ
後半戦の雑誌社へ対するアツイ想い!?が椎名さんの若さを感じた。
「雑誌についてとにかくいろんなことを言いたい」
コンビニで立ち読みが出来なくなってから何年ぐらい経つのかしら・・
昔はぱらぱら暇つぶしにめくっていたな。
紙媒体はいつか消えてなくなるのでしょう。
kindleにはまだ手を出したくない。
今はなき『ウィークエンド・スーパー』なる雑誌を思わず調べてみた(旧っ!)
---(あとがきより)
「本の雑誌」にずっと書いてきた雑文を中心に「噂の真相」とか「朝日新聞」とか「月刊ジャーナリスト」などに書いてきた雑文をひっこぬき、まぜ合わせ、かきまわし、こういう本にまとめたのである。
とにかく一番悶苦しんできたのは編集部であった。
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解説は味噌蔵に閉じ込められたご本人です(笑)必読!