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2023-04-03 | 時代小説(お江戸物語)

 

朝井まかて
『福袋』★★★

 

何となく別の作家さんのお江戸物語を読んでみたくなった。
そこで朝井さん→『眩』

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朝井まかて『眩くらら』★★★★出逢いはNHK『眩(くらら)~北斎の娘~』その娘お栄を宮﨑あおい、葛飾北斎を長塚京三そして北斎の弟子・善次郎を松田龍平たまたま録画をしてい...

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--------(抜粋)

 

今、いちばん勢いのある時代小説作家・朝井まかてが、こよなく愛する江戸の町を舞台に、歌舞伎役者や職人、商売人など様々な生業の人々の姿を、中身の詰まった8編の人情話に仕立てた傑作短編集


1編目の「ぞっこん」では、「筆」が語り手になる。看板書きだったあるじと「筆」との出会いや情の深まりを、緩急をつけた落語調の文体で読ませる。
2編目の「千両役者」は、ぱっとしない歌舞伎役者に千載一遇のチャンスが巡ってくる。もう後がない役者の焦りと、破滅と背中合わせの功名心が生々しく伝わる。
3編目の「晴れ湯」は、湯屋(銭湯)を営む家に生まれた少女が主人公。客の戯作者や長屋のおかみさんたちのふるまい、子どもなりの家業への意気込み、江戸で恐れられた火事……。少女は大小のドラマに遭遇しながら、道楽者の父と働きづめの母という夫婦を、一つの男女の形として受け入れていく。
続いて、自分のやりたいことを見つけた古着屋の少女が巻き込まれた揉め事に、愉快なオチを付けた4編目「莫連あやめ」
離縁された大喰らいの姉と、彼女を馬鹿にしながら利用する弟の、それぞれの顛末を活写した5編目「福袋」
さらに、女絵師が描いた枕絵が、昔の恋を照らす6編目「暮れ花火」
堅物の家主が、神田祭のお祭掛になってしまった7編目「後の祭」
その日暮らしの遊び人、卯吉と寅次の二人が助けた男からお礼にもらった品で商売を始める8編目「ひってん」

と、まさに福袋のように、何が入っているかわからないワクワク感とお得感
直木賞作家・朝井まかて初の短編集にして、第11回舟橋聖一文学賞を受賞した傑作!

 

--------

 

いやはや細かいお江戸の内情を知ることが出来て、勉強になりました。
そうまだまだお江戸の世界は奥深いです。
知れば知るほどおもしろい!

「粋だね!」

 

 

 

しかし朝井さんは何か違う・・好みの問題なんだと思う。

6話目の花火をバックのエロい描写に何かしっくりこないものを感じた。


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2022-07-26 | 時代小説(お江戸物語)

 

 

金曜の夜から不在で日課のブログ訪問が出来なかった。
というか・・北アルプス🦋蝶ヶ岳は電波悪
週末はNOネットの世界でした。
それはそれでデジタルデトックってヤツ!
ケータイに縛られない世界が山にはあります!
みなさまどうですか?(笑)

下界に戻り現実に戻り今朝ブログを✓
毎度のメンバーさんがちゃんと訪問してくれているのを確認してなんだか安堵
みなさまありがとう~って感じです(#^.^#)


まぁたまにネットから離れるのもありです。
なのでこの週末世間で何が起こったのか不明・・🐵
知らなくても世界は平和に回ってます。

 

 


さてこちらは今回の山旅で持参した本

西條奈加
『心淋し川』★★★

 

忘れた頃にやってきた図書館の予約本
予約した日付を見てビツクリ!2021年6月ですよ!
そりゃあ忘れるよね~

第164回 直木賞受賞作品です。

心淋し「こころさびし」かと思いきや「うらさびし」と読ませる。
あぁうらさびしっ あぁうすらさむっ

 

この作家さん出身地が北海道で・・宇江佐真理を思い出してしまう。
宇江佐さんの熱き感情が入り混じる雰囲気とは一線を画す。

 

--------(抜粋)

 

「誰の心にも淀みはある。でも、それが人ってもんでね」
江戸、千駄木町の一角は心町(うらまち)と呼ばれ、そこには「心淋し川」と呼ばれる小さく淀んだ川が流れていた。川のどん詰まりには古びた長屋が建ち並び、そこに暮らす人々もまた、人生という川の流れに行き詰まり、もがいていた。

青物卸の大隅屋六兵衛は、一つの長屋に不美人な妾を四人も囲っている。その一人、一番年嵩で先行きに不安を覚えていたおりきは、六兵衛が持ち込んだ張形をながめているうち、悪戯心から小刀で仏像を彫りだして……(「閨仏」)。

裏長屋で飯屋を営む与吾蔵は、仕入れ帰りに立ち寄る根津権現で、小さな唄声を聞く。かつて、荒れた日々を過ごしていた与吾蔵が手酷く捨ててしまった女がよく口にしていた、珍しい唄だった。唄声の主は小さな女の子供。思わず声をかけた与吾蔵だったが――(「はじめましょ」)
ほか全六話

生きる喜びと生きる哀しみが織りなす、著者渾身の時代小説

 

--------

 

・心淋し川

 時代物だと分かっていても、十九歳が川に溜まったゴミを「塵芥」と表現するのは現代ではない。

 初作家さんだけど、綺麗な表現が多いような気がした。

 

・閨仏

 

---

 

噂とは、言った相手からは直にきかずとも、どういうわけか巡り巡って必ず言われた当人にまで届くものだ。

 

---

 

闇が濃いからこそ、表側は明るい

 

---

 

今回も最後にひょんと男の一声

・はじめましょ

 ・・・塵芥(また出てきた(^▽^;))

 千駄木町の一角にある心町(こちらも「うら」と読)
 根津権現近辺の風景

 味気ない毎日の薬味

---

 

安寧の中で錆びついていた心を揺り動かし、苦さと甘さを伴ったるいの面影を呼びさます。

 

---

 

一筋縄ではいかない現実 ただ救いはある。

 

・冬虫夏草

 ふゆむしなつくさ 「とうちゅうかそう」

 越中富山の薬売りが出て来たお話は初かも・・(笑)

---

 

「薬はこちらに置いていきますから、入り用な折に使っていただいて、お代は後から使った分だけ納めていただく。つまりは先に用いて利は後から。元禄から続く富山薬の慣わしです」

 

---

 そして「芥」・・ここにでも出てくる。

 

---

 

「子供のためと口にする親ほど、存外、子供のことなど考えてないのかもしれないな」

 

---

 

・明けぬ里

 

🦋

🦋

🦋

🦋

🦋

🦋

🦋

🦋

 

北アルプスとなると登山口駐車場問題があります。
週末ともなると早く行かないと満車(^▽^;)
当日の早朝はほぼ無理、夜中に到着しても遅いぐらい。。
今回も前日の夕方入り、その暇を持て余した時間の読書タイムでした。



 

 

西條奈加はクールな作家さんでした。


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2022-07-08 | 時代小説(お江戸物語)

 

藤沢周平
『橋ものがたり』★★★★

 

普段お江戸物語を読んでいないお友達から借りた本
よいチョイスだと思う。

私はドラマを既に観ていたので話的には知っているんだけど、
小説の世界はまた違った味わいがある。

 

この作品は昭和55年4月実業之日本社より刊行された。

 

--------(抜粋)

 

橋の上で人びとは出会い、そうして「物語」が始まる――。
橋にまつわる10の短篇


幼な馴染のお蝶が、仕事場に幸助を訪ねてきた。奉公に出るからもう会えないと、別れを告げるために。「五年経ったら、二人でまた会おう」年季の明けた今、幸助は萬年橋の袂でお蝶を待つが……。(「約束」)
様々な人間が日毎行き交う江戸の橋を舞台に演じられる、出会いと別れ。市井の男女の喜怒哀楽の表情を瑞々しい筆致に描いて、絶賛を浴びた傑作時代小説

目次

約束
小ぬか雨
思い違い
赤い夕日
小さな橋で
氷雨降る
殺すな
まぼろしの橋
吹く風は秋
川霧

解説 井上ひさし

 

--------

 

・約束★★★★★ 

 ベタだけどうるっとくる。
 5年と言う月日を約束が生きる糧を与えてくれた。
 距離感について考えらせられる。

 

・小ぬか雨

 「そんなこと言わないで逃げて。あたしも一緒に行く」
 そう言いたくもなる。うん。

 

・思い違い

 女の微笑み

 

・赤い夕日

 渡るのを禁じられた橋

---

 

過去のことは、橋のこちら側に置いて行け、

 

---

 

・小さな橋で

 行々子(よしきりと読) そういう鳥がいるそう。

 http://www.wbsj-saitama.org/yacho/koe/08.html

 

 

・氷雨降る

 何不自由ない隠居生活
 そんな恵まれた環境でも心の置き所がない。
 いつの間にか気づいたら家族間で大きな隔たりが出来てしまっていた。

 人はどう寄り添って生きてゆくのか。

 いつの時代も難しい。

---

 

――橋だな。
橋を渡れば家か、と思うと一瞬酒がさめるような気がした。

 

--- 

 

 橋の上に佇む女に声をかけたことから始まった。
 ある意味ピュアな老人の想い(今で言えばまだまだ現役ですが)

 

・殺すな

 駆け落ち後の行く末は・・
 男と女そりゃ色々ありますが、情熱はいつの日か冷めてしまう。
(この問題は肌身に感じて、心に染みた) 

 逃げるのは簡単

 不安な気持ちを抱えて過ごす日々

---

 

「川向うになんぞ、行っちゃいけねえ」

 

「あたしを縛っておこうったって、そうはいかないよ」

 

---

 別れてやり直すか そう何度も自問する。

 

・まぼろしの橋

 世間知らずのお嬢さま
 記憶の中のおとっつあんを探して。

---

 

「変な男にだまされたりしちゃいけないよ」
おこうの眼の奥に、まぼろしのように橋が浮かんでいた。だがそこを渡って行く男の背は見えなかった。橋だけだった。おこうの胸を寂寥の想いが通りすぎた。
「もう子供じゃないんだから、おとっつあんはいらないのよね」
おこうは信次郎の手を強く握りしめて言った。
「あたしは、あなたがいればいいんだわ」

 

---

 

・吹く風は秋

 

---

 

江戸の町の上にひろがっている夕焼けは、弥平が五本松にかかることには、いよいよ色あざやかになった。
南から北にかけて、高い空一面にうろこ雲が埋め、雲は赤々と焼けている。そして西空の、そこに日が沈んだあたりは、ほとんど金色にかがやいていた。その夕焼けを背に、凹凸を刻む町の屋根が、黒く浮かび上がっている。あちこちの窓から灯影が洩れているが、壮大な夕焼けの光の下では貧しげな色に見えた。小名木川の水が、空の光を映し、その川筋の方がはるかに明るく見える。

 

---

こういう描写がよき。
特に小名木川の近くに住んでいたこともあり、現在の風景から一気にお江戸の世界に想像が膨らむ。

 

器用貧乏と言うのか、情にほだされやすい江戸っ子「達者でな」

 

・川霧★★★★

 ラストと合って感無量 こちらも心に染みる物語

 

 

読ませました藤沢周平 男子目線もあるからか、ピュアな心(死語?)を持つのは男性ですな。
女性は計算高いところがある!?現実目線

 

この本を貸してくれた人はどんな思いで読んだのかしら。

 

真夜中の読書タイムでした。 


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2022-03-05 | 時代小説(お江戸物語)

 

半村良
『江戸群盗伝』★★★


ブログ訪問で知り、おもしろそうだと思いメモメモ
初作家さんです(^▽^)/

お江戸物語もやっと板についてきて、用語を調べなくても理解出来るようになった。
(一応、時代劇も見てお勉強?してます(笑))

そろそろ色々な作家さんを読んでみようと試みです。
気になっているのは、西條奈加、風野真知雄、山本一力・・
どうチョイスするかが悩ましいところ。
時代小説と言えども作者の数は膨大
きっかけとなった、宮部みゆき、宇江佐真理、司馬遼太郎、池波正太郎も途中
若い頃みたいに手あたり次第ともゆけず。さてどうしたものかしら?

 

 

こちらは異色な一作です。

--------(抜粋)

 

義理と人情に生きる怪盗たちを描く短編集
舞台は江戸。義理と人情に生きる盗人たち。
彼らの目を見張る多彩な盗みのテクニックと涙と笑いに満ち満ちた生活模様を生き生きと描いた連作短編集
SF伝奇ロマンの大家が綴る本格的時代小説

 

--------

満ち満ち
生き生き ウケ狙った?(笑)

今まで読んできたお江戸物語は、大体は火付盗賊改方(鬼平を筆頭に)
正義の味方目線が主
こちらは盗賊目線の物語で一味ちがったおもしろさがある。
それも昔気質な盗賊達の心意気がまた粋に感じてしまう。
悪はダメ!とかそう言う話ではなく、盗賊は盗賊なりのプライドがあるってヤツね。
(最近の時代劇で言えば雲霧ね ↓ )

雲霧仁左衛門5

雲霧仁左衛門5

雲霧が狙うは大奥で絶大な権力を誇る 総取締 ・滝山の隠し金。パワーアップした時代劇版「オーシャンズ」シリーズをお届けする! 【放送】B...

雲霧仁左衛門5 - NHK

 

男性作家さんにあるあるなエロッな場面がまたお江戸物語に一花咲かせてる(笑)
艶っぽい時代でもありました。

 

 

 

半村良 - Wikipedia


こちら解説が清水義範
双方の出逢いの場面が書かれていて、表参道を颯爽と歩く半村さんのカッコよさ。
頼りがいがある人となりが伺えます。


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2021-09-10 | 時代小説(お江戸物語)

 

藤沢周平
『蝉しぐれ㊦』★★★


 
新装版にて代表作を読む。
夏の終わりにぴったりな作品
 
ワクチン接種後の副反応様子見中に読む。
 
 
 
--------(抜粋)
 
 
 
海坂藩普請組牧家の跡取り・文四郎、15歳の初夏から物語は始まる。

隣家のふくとの淡い恋、小和田逸平・島崎与之助らとの友情、突然一家を襲う悲運と忍苦――。

苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士の姿を描き、数多くある藤沢作品のなかで不動の人気ナンバー1を誇る「蟬しぐれ」

時代を越えて読み継がれる、藤沢文学の金字塔



不遇感を抱えながら、一心に剣の稽古にはげむ文四郎。18歳の秋、神社の奉納試合でついに興津新之丞を破り、思いがけない人物より秘剣を伝授される。前途に光が射しはじめるなか、妻をめとり城勤めに精をだす日々。そこへ江戸にいるお福さまの消息が届く―。
 
 
--------
 
下巻は予想通りと言うか・・
記載した通り表紙から嗅ぎ取ってしまった。

想いあった男女はいつか結ばれる。
 
 
 






 
お江戸物語を読む、時代劇を見る。
その度に身分制度の壁を実感させられるけど、明確でよいと思う気持ちもある。
生まれついた運 どうすることもできない格差
自由を謳歌出来る現代との対比
今はどこへでもゆけるし、何にでもチャレンジ出来る。
それも年齢をある程度重ねてもね。

死生観の違い、何より江戸時代は寿命が短し。
人が元々持った寿命を全うしているとも言う。
本当に生きる力 生命力
 
その時代に生きるということ。









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2021-09-09 | 時代小説(お江戸物語)

 

藤沢周平
『蝉しぐれ㊤』★★★

 

 
新装版にて代表作を読む。
題名からして素敵だなと思っていた。
夏の終わりにぴったりな作品
 
 
ワクチン接種後の副反応様子見中に読む。
 
 
 
--------(抜粋)
 
 
 
海坂藩普請組牧家の跡取り・文四郎、15歳の初夏から物語は始まる。

隣家のふくとの淡い恋、小和田逸平・島崎与之助らとの友情、突然一家を襲う悲運と忍苦――。

苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士の姿を描き、数多くある藤沢作品のなかで不動の人気ナンバー1を誇る「蟬しぐれ」

時代を越えて読み継がれる、藤沢文学の金字塔
 
 
 
「どうした?噛まれたか」「はい」文四郎はためらわずその指を口にふくむと、傷口を強く吸った。無言で頭を下げ、小走りに家へ戻るふく―。海坂藩普組牧家の跡取り・文四郎は、15歳の初夏を迎えていた。
淡い恋、友情、突然一家を襲う悲運と忍苦
苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士の姿を描いた、傑作長篇小説
 
 
 
--------
 
不動の人気ナンバー1!!
ネタバレが嫌で読後に検索してみたけど、ほぼほぼ1位を獲得!
もちろん好みの問題ではあるけど。
確かに意外性もありつつ、安定して読めたけど、もう一声!

男子目線のお江戸青春物語
クールと言えばクール
やはり感情に物言う女子目線がお好き?

何となく予想出来てしまって(下巻の表紙にご注目(明日・・))
 
初恋は実らなかったけど、身分を越えての恋はご法度ですけど、
けどけど・・
 
 
 
 







 
 
自分好みな藤沢作品を発掘したい。
膨大な未読本の中にきっと眠っているはず!

今後も引き続き読み進めて行きたい。
 
 
 

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F

2021-09-07 | 時代小説(お江戸物語)

 

藤沢周平
『時雨のあと』★★★


引き続き知人からのおすすめ本
こちらは標題作を含む短編集
 
 
--------(抜粋)
 
 
身体を悪くして以来、すさんだ日々を過す鳶の安蔵。妹みゆきは、兄の立ち直りを心の支えに、苦界に身を沈めた。
客のあい間に小銭をつかみ兄に会うみゆき。ふたりの背に、冷たい時雨が降りそそぐ……。

表題作のほか、『雪明かり』『闇の顔』『意気地なし』『鱗雲』等、
不遇な町人や下級武士を主人公に、江戸の市井に咲く小哀話を、繊麗に、人情味豊かに描く傑作短編全7話を収録
 
 
--------
 
 
 
・雪明かり お江戸が舞台かと思ったら・・どこ?
      男性目線の女性に対する描写が少々・・
      故郷の山形をイメージ
 
・闇の顔 短編らしからぬしっかりした出来
 
・時雨のあと 表題作
       救いのない賭博にどっぷりハマった不甲斐ない男と兄を信じる妹
       短編じゃなかったら読んでいられない。暗澹
 
・意気地なし うだつが上がらない男に惚れてしまうのはいつの世も・・(笑)
       男を見る目は誰にも分からない。逆も然り。
       本人ですら分からないんだもの。
 
・秘密 年を重ねても中身は・・変わらないのですよ。
    どんな神妙な顔をしていてもね。
 
・果し合い ←私的に印象深 いつか再読したい★★★★
      お楽しみは数年後

・鱗雲 「あなたの娘が一人、帰ってきたようです」 意外なラストだった。
 
 
 
 








 
 
解説で「もし氏がこのような結核に患らなかったら、作家・藤沢周平は誕生せず、小菅留治の本名で今ごろ山形県下の中学校の校長をしていたに違いない。」とあり、驚き!

結核・・
 
と言えば『風立ちぬ』じゃない。
(こちら映画館でみたから、先日のテレビで2度目)
不甲斐ない男と言えばこの主人公よ イライラ

美談は成り立たない。

はははイラッとしているわね(笑)
 
重ねて考えてしまっているのが要因
相手に期待しない 分かっているけどどこかで期待している。
 
 
 
久々の晴れ間ににっこりしたのもつかの間・・厚い雲に覆われてしまった。

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F

2021-07-29 | 時代小説(お江戸物語)

 

藤沢周平
『風の果て㊦』★★★★


引き続き渋い藤沢周平武家小説
下巻は主に長時間な電車移動にて読む読む
遠回りしてでも、乗り換えを少なくし本に没頭
 
単行本 1985年 朝日新聞社刊
その新装版文庫本にて。
 
 
--------(抜粋)
 
 
同時期に道場に入門した五人の仲間は各々の道を歩み、時代は移ろう。
逼迫した財政を救うため、藩の長年の悲願だった太蔵が原開墾に向け、邁進する又左衛門
だが策謀と裏切りを経て手にした権力の座は、孤独であった―。
人生の晩年期に誰もが胸に抱くであろう郷愁と悔恨を、あますところなく描いた傑作長篇


--------
 
 
・陰の図面
大会議でのやり取り。忠兵衛の「はめられた」その一言
参りました~って感じ(笑)
 
いやはや派閥に入るも入らぬも政は大変ですわ。
静とし水面下で戦略を練るその姿勢
生まれ持った地位、そこから生まれる上下関係
今で言うサクセスストーリーおもしろかったです。


最後の解説が葉室麟
 
---
 
 
これが私の故里だ
さやかに風も吹いている
心置なく泣かれよと
年増婦の低い声もする
 
あゝ おまへはなにをして来たのだと‥‥‥
吹きくる風が私に云う
 
 
「風の果て」で吹く風は同じことを囁いているのではないだろうか。
「お前は何をしてきたのだ」と。
はたしてどう答えればいいだろう。この物語は読者にそう問いかける。
 
 
---
 
 
 
 
 
 


引き続き別の作品も読んでみたい。
『蝉しぐれ』あたりかな?
誰かこの話と似ているよき作品あったら教えて下さい。








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2021-07-27 | 時代小説(お江戸物語)

 

藤沢周平
『風の果て㊤』★★★


知人からのおすすめ本
オリンピック開催中 四連休の読書本
 
単行本 1985年 朝日新聞社刊
その新装版文庫本にて。
 
 
--------(抜粋)
 
 
出世の階段を駆け上り、ついに首席家老へと登りつめた桑山又左衛門の許に、「言語道断の所業有り」と、ある日果たし状が届く。恥を知る気持ちが残っているなら、決闘に応じよ、と。相手は野瀬市之丞。同門・片貝道場の友であり、未だ娶らず禄を食まず、厄介叔父とよばれる五十男である。「ばかものが」戸惑いつつも、又左衛門は過去を振り返っていく―。
運命の非情な饗宴を描ききった、武家小説の傑作

2007年にはNHK「木曜時代劇」枠にてテレビドラマ化
主演で桑山又左衛門役には佐藤浩市、妻の桑山光江役には石田えり、野瀬市之丞役には遠藤憲一、又左衛門の政敵である杉山忠兵衛役には仲村トオルなど実力派俳優が好演し、話題となった。


--------
 
ドラマ化されていたとは!

時代劇シリーズ「風の果て」|NHKドラマ

遅くにハマったわたしはいつも後で知る・・
たまたまみた『橋ものがたり』を筆頭に(こちらは映画)
『帰郷』、『闇の歯車』・・結構映像化されている。

 
膨大な藤沢周平の書籍の中から、中々一つの作品に絞るのは難しく口コミも好みの問題で・・
『風の果て』とおすすめしてもらえると安心
イメージ通り
渋い武家小説
思った以上に読みやすく、素直に太蔵が原へタイムスリップ
そこでの出逢いが運命を変える。ターニングポイント
道場での仲間5人のそれぞれの行く末が、現在と過去交互に綴られてゆく。
「男性的お江戸物語 新鮮ですね」
いつの時代も権力やら派閥やらに翻弄される男達(笑)
これが下巻になると、その戦いぶりに笑みが漏れてくる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


避暑地に持参
涼しい風に吹かれページを捲るも蜂に襲われたり(汗;)
一時しか集中出来なかった。
 




都心と比べ3℃ぐらい気温が低い奥多摩
連休初日でした。

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A

2021-02-23 | 時代小説(お江戸物語)

 

朝井まかて
『眩 くらら』★★★★

 

出逢いはNHK
『眩(くらら)~北斎の娘~』

その娘お栄を宮﨑あおい、葛飾北斎を長塚京三
そして北斎の弟子・善次郎を松田龍平

たまたま録画をしていて、みたらハマってしまった。
二度目みた時も目が離せず最後は目が潤んできた。
俳優さんもピタリと合っていた。

あぁわたしもお江戸のこの世界に暮らしたいと思った。

そこで本作を小説で読んでみようと思って手に取ってみた。

 

元々お栄に関しては興味があった(下記参照)

OGPイメージ

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さて朝井さん版 お栄

記したようにドラマの物語がよかったから、期待を含みつつ原作
初作家さんはわくわくする。特にお江戸物語は。
ドラマ=小説 忠実に描かれていることが分かった。
一点、腹違いの問題ある弟は端折られていた。
そこが世知辛く、ドラマとは違う厳しい現実を知ることとなった。
「血」とは「家族」とは。

江戸時代の身分制度

 

機会があれば他の書籍も読んでみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 


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