三島由紀夫
『仮面の告白』
まず手に取ってこの表紙がナゾだった。
調べて全体像を拝見👉ギリシャ彫刻少年像
--------(抜粋)
【新装版、新・三島由紀夫】
この告白によって、私は自らを死刑に処す――。
初の書き下ろし長編
のちのすべてが包含された代表作〔新解説〕中村文則
女に魅力を感じず、血に塗れた死を憧憬しつつ自らの性的指向に煩悶する少年「私」
軍靴の響き高まるなか、級友の妹と出会い、愛され、幸福らしきものに酔うが、彼女と唇を重ねたその瞬間「私には凡てがわかった。一刻も早く逃げなければならぬ」――。
少年が到達した驚異の境地とは?自らを断頭台にかけた、典雅にしてスキャンダラスな性的自伝
巻末に用語、時代背景などについての詳細な注解、佐伯彰一、福田恒存、中村文則による解説、さらに年譜を付す。
【本文冒頭より】
永いあいだ、私は自分が生れたときの光景を見たことがあると言い張っていた。それを言い出すたびに大人たちは笑い、しまいには自分がからかわれているのかと思って、この蒼ざめた子供らしくない子供の顔を、かるい憎しみの色さした目つきで眺めた。それがたまたま馴染の浅い客の前で言い出されたりすると、白痴と思われかねないことを心配した祖母は険のある声でさえぎって、むこうへ行って遊んでおいでと言った。……(「第一章」)
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前回の『金閣寺』からの『仮面の告白』
ドストエーフスキイ『カラマーゾフの兄弟』から
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つまり悪行(ソドム)の理想をもって終るという事なんだ。いや、まだまだ恐ろしい事がある。つまり悪行の理想を心に懐いている人間が、同時に聖母(マドンナ)の理想をも否定しないで、まるで純潔な青年時代のように、真底から美しい理想の憧憬を心に燃やしているのだ。
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悪行(ソドム)の理想と聖母(マドンナ)の理想
あまりにもリアルな描写で、自伝としか思えない内容となっている。その時代を知らないけど伝わってくる苦悩
特に近江の描写なんて・・沸き立つ臭いが伝わってくるような肉感
近江への嫉妬が肉体改造へと相成ったのか納得
その当時はかなりのセンセーショナルだったに違いない。
三島由紀夫とは一体…?
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『お前は人間ではないのだ。お前は人交わりのならない身だ。お前は人間ならぬ何か奇妙に悲しい生物だ』
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