村上春樹
『遠い太鼓』★★★★
旅行記 紀行文
実家から持参し、ゆっくりこの一週間で読む。
今の精神状態にリンクするかのように、じんわりと浸透
そう誰にでも「キツイ」時期があって、どうしようもない時がある。
期末
そして新年度が始まる。
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僕は外国を訪れたとき、音によって最も鋭くその異国性を認識することがよくある。視覚や味覚や嗅覚や皮膚感覚や、そういう他の感覚がたどりつけない何かがそこにはあるような気がする。何処かに座って僕自身の体を静かに鎮めて、耳の中にまわりの音を吸い込ませる。すると彼ら――あるいは僕自身の――異国性が柔らかな泡のようにふうっと浮かびあがってくるのだ。
シンプルな人生。
文学における内的必然性も、内的必然性としての文学も、文学の形をとった内的必然性も、内的必然性の形をとった文学も、文学的な内的必然性も、内的な文学的必然性も、そういうものは一切ない。
外に出て少し丘を上がり、最初にみかけたカフェニオンに入って、冷たいビールを注文する。
目の奥が痛くなるくらいよく冷えたビールである。静かな午後、暖かい光。「レスボス島はギリシャでいちばん晴天日の多いことで知られています」と観光パンフレットにはある。パトロール・ボートが港に入ってくるのが見える。青と白のギリシャの旗が風に揺れる。まるで人生の日だまりのような一日。
誰かが僕らの絵を描いてくれないかな、と思う。故郷から遠く離れた三十八歳の作家とその妻。テーブルに上のビール。そこそこの人生。そしてときには午後の日だまり。
ハルキ島へ
ハルキ島へ行くことにする。もしあなたと同じ名前のついた小さな島がエーゲ島にあったとしたら、あなただって一度そこに行ってみたいと思うでしょう?
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セオフィロスの絵
検索していたらギリシャブログにたどり着く。
https://blog.goo.ne.jp/lesvosolive/e/6738f6332d0a067f92452c4eebf8791a
いつか行ってみたいミコノス