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📚読書備忘録📚
(自己評価★★★★★)+泣ける物語
たまに山ブログ
         

A

2022-02-22 | 翻訳物

 

アーサー・コナン・ドイル
訳:小林司/東山あかね
[注・解説:C・ローデン 訳:高田寛]
『シャーロック・ホームズ全集⑥ シャーロック・ホームズの帰還』★★★

 

こちらもかなりの大容量!全798P!(レンガです)
13作品を纏めた短編集
付録まで付いていて読み応えたっぷり
解説こわい・・(^▽^;)

初めて出版されたのは、1903年
前々作の『最後の事件』でモリアーティ教授と共に死んだシャーロック・ホームズ
アーサー・コナン・ドイルの苦悩からの復活作です(^▽^)/


ホームズ生き返りました!
ゾンビか?(笑)

 

--------(抜粋)

 

『最後の事件』で滝底に消えたホームズ(『シャーロック・ホームズの思い出』所収)
しかしドイルは読者の強い要望にこたえ、巧妙なトリックでホームズを「帰還」させた(『空き家の冒険』)
独自のプロットで読者を魅了する『踊る人形』や、国家機密をめぐりあざやかな解決にいたる『第二の汚点』などの傑作群を収録した第三短編集
ホームズ物語を3倍たのしむオックスフォード大学版の精緻な注釈と解説
初版本イラスト全点を復刻掲載

 

--------

 

 

28作目
・空き家の冒険 

  ホームズ復活譚・・(笑)
  突っ込みどころ満載
  苦し紛れな言い訳にしか聞こえませんが、生きていたってことで流しましょう~

  しかしワトスンの不幸が少ししか触れられていないのは、タブーってことかしら? 



29作目
・ノーウッドの建築士

---

「あの故モリアーティ教授が死んでからというもの、ロンドンはひどくつまらない都市になったね」


---

 ワトスンの不幸は詳しく語られず、開業医をやめ(医院の権利を売却)
 再びホームズと二人暮らしをスタート

 vsレストレイド(毎度のホームズにしてやられるパターンですな)



30作目
・孤独な自転車乗り 

  美しい依頼人登場
  しかしホームズは女性に興味がないらしい・・(^▽^;)
  依頼人と恋に落ちるとか期待ゼロ
  ここでもワトスンネタはなし。
  ホームズの代わりに調査に行き、その報告にダメ出しをくらうワトスンが気の毒でならない。。
  いささか逆ギレしたワトスン(私も逆ギレするわ!(笑))



31作目
・踊る人形

  村上春樹の『踊る小人』が浮かんだ(全然関係ない)
  

---


「個々の推理そのものは単純で、なおかつ、それぞれ前に推理したものにつなげて一連の推理を作るのは、それほど難しいことではない。そうしてから、真ん中の推理を全部とりはずして、出発点と結論だけを話して聞かせると、人をあっと言わせる、すばらしい効果が出せるのさ。」


---

  推理小説っぽい暗号が出てきます(それが表題の人形の絵文字です)

---

「発明した人間がいるのなら、それを読み解く人間もいるということです」


---



このおでこが広いのがホームズです(^▽^;)イメージ通りですか?
(ディーン・フジオカ美化し過ぎ)



32作目
・プライオリ学校 ★★★★

  ホームズ多額の報酬に目が眩んだ模様・・(笑)
  綺麗事はいらないって?この事件以外は報酬なんて興味がなかったホームズ
  事件の質、興味をそそられる内容、自分の能力が試されるような奇怪な劇的な事件に着手
  

 

33作目
・黒ピータ

  定番中の定番って感じな事件
  新聞が連絡手段として重要な役割を果たしていた時代



34作目
・犯人は二人(元々は・ロンドン一の悪党)

  正義とは何か?悪(わる)とは?

  短期間で女性を手玉に取ったホームズ!(笑)



35作目
・六つのナポレオン

---


「これはたしかに新しい種類の犯行だ」かれは言った。


---

  『固定観念』 文字通りには、「固定した考え」「妄想・妄念」といった意味がある。英国、或いは米国の心理学者が最初にこの言葉を使い始めたのは、1830年代のことでその後広く使われるようになった。

 

---

 

わたしたちは、ファッションのロンドン、ホテルのロンドン、劇場のロンドン、文学のロンドン、商業のロンドン、そして最後に海運のロンドンの街を次々と通り過ぎ、川沿いの街についた。

 

---



36作目
・三人の学生

  表題の通り三人の学生の内犯人は誰か?当てクイズじゃないけど、当てました!
  (ネタバレですが、単純に「らしくない」一人に的を当てただけ(^▽^;))

  解説では相変わらず細かい話が進行中
  この舞台となった大学はどこか?
  運動所の距離まで測って予測している始末・・(苦笑)

 

 

37作目
・金縁の鼻めがね

---


前にも言ったかもしれないが、ホームズは、その気になれば、女性に取り入るのが大変うまく、すぐに相手との信頼関係を築かれるのだった。

 

---

 

 ロシアが絡んできた・・今も昔も裏で色々ありますな(^▽^;)戦争は勘弁

 

 

38作目
・スリー・クォーターの失踪

  さすがのホームズもラグビーとなると別世界らしい。
  それも一筋縄ではいかない相手との駆け引き・・ホームズ焦燥
  さてどうなる!?

  偵察役にわんこも登場🐶



39作目
・アビ農園 ★★★★

---
 

三つのワイングラス、あれがすべてだ。

---

  ホームズの推理が冴える。
  ラストに感動!
  何が何でも真実を白日の下に晒さなければならないということはない。

---

「民の声は神の声なり」


---

 

  

40作目 ラスト!
・第二の汚点 ★★★★★

 ホームズの手柄を立てようとする意気込みがなく、ユーモアを交えて大団円を迎え去ってゆく姿に拍手!

 

以上 13作品収録

 

ホームズ復活となった本作

「ホームズが死亡したのは、まず間違いのないところでしょう」と言っていたコナン・ドイル
その後に「しかし実際には彼は難を逃れ、健在であるのかもしれません」と認める。
・・ズルい!(笑)

映画の続編を作れるように、主人公の生死がどちらでも取れるようなエンディングを迎えると同じね。

売れるか、売れないか、
大人の事情も多々含まれる。

 

 

 

お次は『恐怖の谷』です。
谷と言えばモリアーティ教授・・一瞬の登場だったから生きていたらおもしろいのに。


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A

2022-02-18 | 翻訳物

 

アーサー・コナン・ドイル
訳:小林司/東山あかね
[注・解説:C・ローデン 訳:高田寛]
『シャーロック・ホームズ全集⑤ バスカヴィル家の犬』★★★

 

シャーロック・ホームズシリーズ長編
四つの長編の中でも最高傑作と言われている作品です(^▽^)/

わんわんわんこ 魔犬伝説
がうがう 獰猛な獣!?

 

--------(抜粋)

 

「悪霊のはびこる暗い夜更けに、ムアに、決して足を踏み入れるな」――魔犬の呪いに苛まれたバスカヴィル家当主、
その不可解な死 湿地に響きわたる謎の咆哮
怪異に満ちた事件を描いた圧倒的代表作

「ホームズ物語」の中でも圧倒的人気を博す長編大傑作
充実した注釈と解説、全イラスト復刻の決定版

 

--------


中々読書する時間がなく、何とか完読

ってか途中で笑いが出てしまった。
だって・・ワトスンがどうしてもパシリに思えてきて、
全くホームズが登場せず、右往左往しているワトスンが気の毒になってきて、
同時進行で読んでるお友達に「これはワトスンの冒険だわ」ってメール
ちょうど佳境な場面で、闇に潜んでワトスンが張り込み中
怪しき人物が!!どうなるワトスン!?
予想はしていたけど、その怪しき人物がホームズだった・・(笑)
この登場の仕方はホームズあるある。
ホッとしたのは言うまでもない。
やはりホームズとワトスンのセットでなくちゃね。うん。
この掛け合いがあってこそ引き立つ物語なのです。

相棒なしじゃ味気なし。
(関係ないけど、右京さんの相棒が誰になるのか?)


 

一点不満が・・
相変わらずの(ゴシップ紙的内容)解説は置いといて、
今回の解説は次作のネタバレ満載・・(^▽^;)よいの?
小林さん、東山さん載せてよかったの?
いえ、このバスカヴィル家の犬のネタバレならよいけど(解説先に読むなって話で済む)
次作のネタバレはまだ知らない読者もいるのよって話です・・

 

あなたのメトニミーは?



内面を探る、本質は何か?
それを見極めると捉えればよいのかもしれないけど、
何だか痛いところだけ衝かれてる感じがして、嫌気がさしてきた。

 

この作品は1901年3月以降に執筆され、コナン・ドイルが一番苦しい時期の作品である。

 

---

 

人は、幼児期に抑圧された衝動を意識化するのに抵抗を示す。幼児期体験を想起する代わりに行為として再現する抵抗現象を、フロイトは「反復強迫」と呼んだ。

 

「反復」とは無意識の定義の一部

 

反復は不安を増幅させる効果をもっている。

 

---

めずらしくー(マイナス)な気分になる終わり方でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて日本版シャーロック!(知らなんだ)


こちらディーンさまで映画化されたようで・・イケメン過ぎる!(笑)
本当のホームズを見せてあげましょうか?

映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』公式サイト

6月17日(金)公開!月9ドラマ「シャーロック」が映画になって帰ってくる!《シャーロック・ホームズ》シリーズ最恐の金字塔、日本初映画化。

 

 



 

 

次作は大容量な短編集です(^▽^)/気分変えよっ


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A

2022-01-28 | 翻訳物

 



アーサー・コナン・ドイル
訳:小林司/東山あかね
[注・解説:C・ローデン 訳:高田寛]
『シャーロック・ホームズ全集④ シャーロック・ホームズの思い出』★★★

 

本を手に取ることなくお正月が過ぎ・・
仕事始めでばたばた、週末はボードやらでこれまた本に触れず・・
やっと読み終わりました~

こちらも『シャーロック・ホームズの冒険』に次ぐ大容量!全681P
同じく12作品を纏めた短編集
読み応えたっぷり(^▽^)/

初めて出版されたのは、1893年
既にシャーロック・ホームズの生みの親として、有名作家となっていたアーサー・コナン・ドイル
色々な苦悩の末、ラストの『最後の事件』でシャーロック・ホームズに死が訪れる。
え!?って感じでしょ ホームズって死ぬの?

 

--------(抜粋)

 

学生時代のホームズや探偵初期のエピソードなど、ホームズを知る上で欠かせない物語満載
宿敵モリアーティ教授との対決を描き「最高の出来」と言われた《最後の事件》を含む、必読の第二短編集

日本を代表するシャーロッキアンによる新訳全集
全12編を、「ストランド・マガジン」に掲載された初出の順番どおりに初めて収録
精緻かつ権威あるオックスフォード大学版の「注釈・解説」を完訳して付し、シドニー・パジットのイラストすべてを復刻掲載

 

--------

 

 

15作目
・白銀号事件 ★★★★(私的に最初から盛り上がった!)

  聞いたことがあるような?それでも新鮮さがある。

 

 

16作目
・ボール箱

  耳

 

17作目
・黄色い顔 

  人種差別がまかり通っていた時代を彷彿させるお話

---

 

「ねえ、ワトスン」と彼は言った。「これから、ぼくが自分の能力を過信した時や、事件解決の努力を怠っているようなことがあったら、ぼくの耳もとで『ノーベリ』とささやいてくれたまえ。そうしてもらえれば、ぼくは君に大いに恩義を感じるよ」

 

---

 

18作目
・株式仲買店員

  トレーダーとか横文字じゃないのが時代を感じさせる。
  どこへ連れてゆかれるのか?ナゾがナゾを呼ぶけど、ホームズにはお手のものです(^▽^)/

 

 

19作目
・グロリア・スコット号

  ホームズ初めての事件「ぼくが、生まれて初めて解決した事件だからさ」

  学生時代にトレヴァーというお友達がいたらしい。
  愛犬のブルテリアがホームズに嚙みついたのが知り合うきっかけとなった。がうがう

 

 

20作目
・マスグレーブ家の儀式

  前の事件に続く過去の回顧録(『思い出』ですから?)
  ホームズにも下積み時代があったのです。


 

21作目
・ライゲイトの大地主

  休養先で起こる事件
  ホームズの演技が冴える!?

 

 

22作目
・曲がった男

  ベイカー街遊撃隊 小さなストリート・チャイルド登場

 

 

23作目
・入院患者

---

 

「そう。あなたへの助言は、まず、真実をお話しなさい、ということです」

 

---

 

 

24作目
・ギリシャ語通訳

  ホームズに兄弟がいた!(親族情報はあまり明かされていないから初耳!)
  それも徒歩圏内に住んでいたとは意外だった。

---

 

マイクロフト・ホームズはシャーロックよりかなり大がらで、体格もよかった。
体は肥満していたが、大きい顔の中に、弟に特有の、あの鋭い顔つきを思わせるものがあった。奇妙に明るい、うす灰色の目には、もてる力をすべて使いきって捜査をしているときの、シャーロックの目の中でしか見たことがない、もの思いにふけりつつ遠くを見つめている、内省的な目つきとよく似ていた。

 

---

 

 

25作目
・海軍条約文書事件

  ホームズの洒落っ気がおもしろく、ウケた。
  本人曰く「ぼくはいつもドラマティックな味付けがしたくなるたちでしてね」

 

 

26作目 この短編集最後!
・最後の事件

  見開きの挿絵が何を物語っているのか・・決闘からの死!?
 

  モリアーティ教授と言うか「モリアーティ」はこのホームズで知っている。

 

  今回は本家本元のモリアーティ(元)教授に対面!
  逃走劇が中心で詳細が何だか分からぬままの最後・・(ドイル投げやり?やる気ないな・・(苦笑))
  やっつけ仕事に思えたのはわたしだけ?
  どう思います?

 

---

 

「たぶん、モリアーティ教授のことは聞いたことがないだろうね?」彼は言った。
「ないね」
「ああ、そこがこの事件の特質であり、不思議な点だ!」彼は叫んだ。「この男はロンドンで幅をきかせているというのに、誰も彼のことは聞いたことがない。それだから、彼は犯罪史上最高峰に立つことになるのだ。ワトスン、ぼくは真剣だ。もし彼を打ち負かすことができたら、もし彼を社会から追い出すことができたら、ぼく自身の経歴は頂点に達したと感じるべきであって、もっと落ち着いた暮らしに変わろうかと思っている。ここだけの話だが、スカンディナヴィアの王室やフランス共和国を助けた最近の事件のおかげで、ぼくの性分に合った穏やかな暮らしを送り、化学の研究に専念できるだけのものは手に入った。でも、ワトスン、ぼくは休んでなといられない。モリアーティ教授のような男が、なんの問題にもされないまま、ロンドンの街を歩いていると思ったら、椅子にのんびろと座ってなどいられないのだ」

 

---

 

突如伏線もないまま現れたモリアーティ教授・・(・・?

違和感しかない。

 

 

 

前作の短編集に続くシャーロック・ホームズを取り巻く事件の数々でした。

 

やはり解説は、ドイルの私生活とリンク(^▽^;)ドキ
心情、内情何でもあり!
何とか平行で読み進めたけど。
ドイルはあまりにも有名になり一人歩きし始めたホームズに嫌気がさし、
死へと追いやるぐらい、上記に記した通り投げやり感半端ない。
「病んでたのかな?」

シャーロック・ホームズ
やはり独立系として単純に楽しみたい。
それ以上それ以下でもなく。

 

お次は中編『バスカヴィル家の犬』です。わんわん
ドイル復活!


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K

2022-01-12 | 翻訳物

 

カズオ・イシグロ
訳:土屋政雄
『わたしを離さないで』★★★

 

やっと完読!!挫折に挫折を重ね・・
十年以上の月日を経て読み終わることが出来た。

こちらは表紙買いした本
カセットテープがよいなとその当時思った。

2008年8月20日 印刷
2008年8月25日 発行


その後カズオ・イシグロは2017年にノーベル文学賞を受賞
一躍脚光を浴びた。
その際も一冊ぐらいは読まないとと挑戦するものの、睡魔に襲われ挫折(^▽^;)

ずーっと本棚に眠っていた。

今回あえて読書会の課題本に提案
そうすればどうにか読めるかなと。

ホッとしてます(^▽^;)何語る?

 

--------(抜粋)

 

自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。共に青春 の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、施設での奇 妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、そして、キャシーと愛する人々 がたどった数奇で皮肉な運命に……。彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく――

英米で絶賛の嵐を巻き起こし、代表作『日の名残り』を凌駕する評されたイシグロ文学の最高到達点

 

--------

 

カズオ・イシグロ - Wikipedia

 

 

---

 

 

「何か大事なものをなくしてさ、探しても探しても見つからない。でも、絶望する必要はなかったわけよ。だって、いつも一縷の望みがあったんだもの。いつか大人になって、国中を自由に動き回れるようになったら、ノーフォークに行くぞ。あそこなら必ず見つかるって‥‥‥」
ルースの言うとおりでしょう。ノーフォークはわたしたちの心の拠り所でした。そういう感覚は当時からあったかと思いますが、自覚していた以上に大きな拠り所でした。だからこそ、いい年をしたいまになっても、冗談を装いながら、相変わらずノーフォークについて語り合うのだと思います。

 

 

 

たぶん、わたしにとっていかに大切なテープか、みなには秘密にしていたことと関係があるのでしょう。そのくらいの秘密は、ヘールシャムの誰もが持っていただろうと思います。無から作り出した自分だけの隠れ家、恐れや望みをいくらでも持ち込める場所――それが秘密です。でも、そんな秘密を必要としていること自体が、当時のわたしたちには、周囲の期待を裏切ることで、いけないことのように感じられていました。

 

 

 

わたしたちは「教わっているようで、教わっていない」

 

 

 

ウォークマンセッション

 

 

 

「よし。で、そういう店はどこにあるんだ」
いま、あのときのことを思い出すと、胸に暖かさと懐かしさが込み上げてきます。小さな裏通りにトミーと一緒に立ち、これからテープ探しを始めようとしたあの瞬間、突然、世界の手触りが優しくなりました。一時間以上の待ち時間に、あれ以上の過ごし方があったでしょうか。わたしは必死に自分を抑えました。そうしなければ、どうしようもなく笑い転げたり、小さな子供のように歩道を飛び跳ねたりしそうでしたから。しばらく前、トミーの世話をしているとき、ノーフォークへの旅の思い出に触れてみたことがあります。トミーもまったく同じ気持ちだったと言っていました。わたしのなくしたテープを探しにいこうと決めた瞬間、突然、すべての雲が吹き払われ、あとに楽しさと笑いだけが残った。と。

 

 

---

 



 

---

 

 

「ね、トミー?わたしたちが知ったこと、ルースは知らないまま使命を終えたわけだけど、あれでよかったのかしら」
トミーはベッドに寝転がっていました。しばらく天井をにらんでいて、「偶然だな」と言いました。「おれもこの前同じことを考えてた。ああいうことになると、ルースはおれたちとちょっと違っていたからな。君やおれは知りたがり屋だ。最初から――ほんとがきの頃からそうだった。何かを見つけ、知ろうとした。おれたちの内緒話なんて、その典型だな。覚えてるだろ、キャス? けど、ルースは違うぞ。あいつは信じたがり屋だ。知るより、信じるのがルースだ。だから、そうさな、ああいう形で終わってよかったんじゃないか」そして、こう付け加えました。「それに、エミリ先生のこととか、おれたちはいろいろ知ったわけだが、だからって、ルースがしてくれようとしたことが変わるわけじゃない。おれたちに最善を望んでくれたんだ。最高の贈り物をくれようとした」
わたしは、その場でルースのことを深く話し合うつもりはありませんでした。ですから、素直にトミーに同意しました。でも、あれからずっと考え続けてきて、いまは、どうなのかと迷う気持ちもあります。わたしの一部は、知り得たすべてをルースにと分かち合いたいと望みつづけています。確かに、知ったらルースはがっかりするかもしれません。わたしたちにしたことの償いを望んだのに、それが果たされなかったのを知って、二重に後悔するかもしれません。それでも――正直の申し上げると、それでも――わたしの中には使命を終える前のルースにすべてを知らせてやりたかったと思う自分がいます。復讐心や意地悪もあるかもしれません。でも、それだけではありません。トミーが言ったとおり、ルースは最後にはわたしたちに最善を望んでくれました。あの日の車の中で、わたしに許されることはないだろう、とルースは言いました。でも、それは間違いでした。わたしには、もう、ルースへの怒りはありません。知り得たすべてをルースと分かち合いたいと言うとき、それはスールがわたしやトミーと違うままで終わったことが悲しいからです。一本の線のこちら側にわたしとトミーがいて、あちら側にルースがいます。こんなふうに分かれているのは、わたしには悲しいことです。知ればルースも悲しいでしょう。

 

 

---

 

わたしはトミーと同意見かな。
多分ルースには言わないと思う。
ルースの立場であってもよい思い出として最期を終えたい。

信じたがり屋でありたいし、綺麗な思い出と共に暮らしたい。
よい面だけを見るようにね。
だって、そうじゃないって分かっているから。

 

ノーベル文学賞を受賞した作家さんの作品は内面を巡る物語でした。

表面をなぞるだけでも、残るものがあるし、ちょっとした葛藤もある。


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A

2022-01-01 | 翻訳物

 

明けました~(^▽^)/
2022年!!本年も引き続きよろしくお願いします。

ブログ10年目に突入ってことで感慨深い年になりそうです。

 

本当は年末に年間ベスト本!記したかったのですが・・
まぁ雑多な用事等であっと言う間に年明けです。
(昨年に引き続き大晦日は沖縄料理屋さんでした)

 

初日はシャーロック・ホームズからスタートです。
(冬休み読書出来なそう・・明日から雪山です*)

 

 

----------------------------

 

 



アーサー・コナン・ドイル
訳:小林司/東山あかね
[注・解説:C・ローデン 訳:高田寛]
『シャーロック・ホームズ全集③ シャーロック・ホームズの冒険』★★★★

 

こちらは大容量!!全732P
12作品を纏めた短編集で読み応えたっぷり大満足(^▽^)/

初めて出版されたのは、1892年10月
この作品がきっかけで一躍、アーサー・コナン・ドイルは有名作家へと。

シャーロック・ホームズの登場する短編小説、という発想がドイルの脳裏に浮かび、
最初のシリーズは彼がロンドンにいる間に執筆されたそう。

 

--------(抜粋)

 

ドイル自身がもっとも愛した短篇であり、探偵小説史上の記念碑的作品“まだらの紐”をはじめ、“ボヘミアの醜聞”、“赤毛組合”など、名探偵ホームズの人気を確立した第一短篇集
夢、喜劇、幻想が入り混じる、ドイルの最高傑作
オックスフォード大学版の注・解説にくわえ、初版本イラスト全点を復刻掲載した決定版

 

--------

 

3作目
・ボヘミアの醜聞

 「あの女」アイリーン・アドラー登場

 

4作目
・花婿失踪事件



5作目
・赤毛連合 

  デジャブ!?いやこのネタは結構使われてる。というよりこのお話が元とされている?

 

6作目
・ボスコム谷の惨劇



7作目
・オレンジの種五つ

---

 

シャーロック・ホームズは、目を閉じて、椅子の腕に両ひじをつき、両手の指先を合わせて言った。
「理想的な推理ができる人間というものはね、ひとたび一つの真実の全容を示されれば、そこに至る一連の出来事を探り出すだけでなく、そこからひきおこされるであろう結果まで推理してしまうものなのだよ。」

 

---

 

8作目
・唇の捩れた男

 アヘン窟なる場所を知る。
(過去の『つかまえて』シリーズに「アヘン窟」が出てきてイマイチ分からなかった)


9作目
・青いガーネット

  ちょうど舞台はクリスマス 時期が合っていて季節にぴったり



10作目
・まだらの紐

  しゅるしゅる

こちらの作品は米国のシャーロッキアン(出た!)1944年不動の人気NO.1作品です。
・・私的には普通



11作目
・技師の親指

---

 

「経験というのは、目に見えないが、価値あるものですよ。それを言葉にしさえすれば、今後一生の間、すばらしい話し相手だという評判を得ることができるのです」

 

---



12作目
・花婿失踪事件

 花嫁と花婿両方失踪事件有(^▽^)/

 

 

13作目
・緑柱石の宝冠

---

 

ありえないことを取り除くと、残ったものがどんなにありそうもないことでも、それが真実であるというのが、わたしの昔からの信条です。

 

---

 

 

14作目
・ぶな屋敷 ★★★★(私的に盛り上がって推理してみた(笑))

---

 

「危険ですって!どんな危険を予想していらっしゃるのですか?」
ホームズは重々しく頭を振った。「どんな危険かわかれば、もうそれは危険ではないのです」

 

---

 

とにもかくにもシャーロック・ホームズを不動のものとした短編集だそう。
(まだ次作を読んでいないので私的には何とも言えない)

 

それがまた解説が・・ドキ(^▽^;)
ドイルの私生活とリンクさせてて、読んでいて怖いわ~
何も知らず、シャーロック・ホームズを独立系として楽しみたい。はい。
(会社のコは「解説は飛ばした」とのこと)

 

一気に完読したいな。


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2021-12-31 | 翻訳物

 

めずらしく更新が途絶えてしまった(^▽^;)
29仕事納め、30朝から大掃除で、終了後知人のお店で飲んでいたため。
3軒はしごして帰宅が午前さま☆彡
深夜FMを聴きながら記しております。
かなりの量のお酒を飲んでいるのに意識がクリア めずらしい。

 

拙いブログですが、来年も引き続きよろしくお願いします。

 

----------------------------

 

 


アーサー・コナン・ドイル
訳:小林司/東山あかね
[注・解説:C・ローデン 訳:高田寛]
『シャーロック・ホームズ全集②  四つのサイン』★★★


自分の中のシャーロック・ホームズって言えばアニメの犬で・・
コレね ↓ (^▽^;)

名探偵ホームズ - Wikipedia

 

さてシャーロック・ホームズシリーズ2作目です。

 

--------(抜粋)

 

ある日、ホームズのもとを小柄で気品のある、ブロンドの若い婦人が訪れる。十年近く失踪中の父、毎年のように届けられる真珠の箱、そして突然届いた謎の招待状…。死体の傍らに残されたサインをめぐり、追跡劇が幕をあける。
円熟期のホームズ物語をあじわえる、「四つの長編小説の中で、最も密度の濃い」傑作
充実した注と解説、全イラスト復刻

 

--------

 

第1章 推理学

いきなりホームズがコカインを打っている場面から始まる。
マジ!?ヤク中?
そうなのです。コカインが禁止されていなかった時代
なんせワトスンに対して「君もやってみるかね?」勧めてるし!!おいおい(^▽^;)

そしてホームズは自ら断言する「世界中でたった一人の私立探偵だよ」とね。

時代を感じまくりよ~(笑)

 

第2章 事件の始まり

ここから定番の依頼人の登場です。
観察眼が半端ない。ちょっとしたことも見逃さない。これぞホームズ(^▽^)/

そしてワトスンが恋に落ちる。
(何だか春樹の『スプートニクの恋人』みたいな展開ね・・)

 

OGPイメージ

M - ◆BookBookBook◆

春樹『スプートニクの恋人』★★★★大晦日の夜から読み始め、お正月にどっぷり浸かった春樹ワールド。『眠り』『納屋を焼く』もちろん『ねじまき鳥~...

M - ◆BookBookBook◆

 

 

第3章 解決の糸口・・・へと続く。

あらすじみたいになってしまった。

 

ホームズの目の色がキラキラ輝く時が解決のしるし!?

 

しかし最後の最後にまたコカイン(^▽^;)

 

 

この本で圧巻なのは最後の訳者あとがきです。

記されているようにこの物語でのヒロインが宝物を手に入れるかどうかというスリルがある。
これを記号論に解釈すると、何が見えてくるかと言うと、

意味するもの(シニフィアン)と、意味されるもの(シニフィエ)とが問題となる。

『四つのサイン』では無数に表示されている記号の中で、何を意味するものとして拾い上げるか、
それが読者に委ねられていると言う・・うむ(・・?

そう、著者コナン・ドイルの個人史とリンクしているということみたいで、
おいおい結構深いぞとなり、そこまで掘り下げなくてもよいかなと個人的には思ってしまった。

確かに読み込むことによって浮かび上がる真実に驚愕し、発見した驚きは大きいかもしれない。

でもわたしはそれは必要ないかなと。

 

『四つのサイン』はコナン・ドイルの深層心理が読み取れる一冊となっております。
(ドイル家の内情の暴露本とも言えるそう(^▽^;)こわ)

告白小説ココにあり!

読んでみたいですか?

 

 

 

 


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2021-12-29 | 翻訳物

 

アーサー・コナン・ドイル
訳:小林司/東山あかね
[注・解説:C・ローデン 訳:高田寛]
『シャーロック・ホームズ全集① 緋色の習作』★★★

 

会社のコと冬休み読書の話になり、
一緒に同じ本を読んで一杯いかが?ってことになり、
選んだのがシャーロック・ホームズです!(^▽^)!

なぜにシャーロック!?
推理小説の中に話題として取り上げられたりと、その度にいつか読んでみたいと思っていた。
やはり古典中の古典、探偵の元祖と呼ばれるシャーロック・ホームズを文字から浮かび上がらせたい。

きっかけはアンソニー・ホロヴィッツ!
読書会の課題本だったのです。

 

久々に相方と新宿でイタリアン
その待ち合わせ前に紀伊国屋へ。
シャーロック・ホームズの翻訳本を片っ端から✓
基本中の基本な新潮文庫の延原謙訳にしようと思っていたけど一応吟味

新潮社版 → 昭和28年訳 まぁまぁ読みやすく改編されている。
創元文庫版 → 私的に深町さんの訳が気になる。
ハヤカワ文庫版 → 装丁が素敵

最終的に惹かれたのがこの河出文庫版です。
理由は読みやすさ(なんせ2014年のほっかほかの新訳!)
それと過去のイラスト全部が復刻!
挿絵が盛り込まれていると雰囲気が伝わる。

 

ってことでシャーロック・ホームズ第一作目です(^▽^)/

 

--------(抜粋)

 

おどろくべき知識と観察眼をもちながらも、地球が太陽の周りを回っていることすら知らない特異な男―世界一有名な探偵・ホームズとワトスンが初めて出会い、ベイカー街二二一Bでの共同生活をはじめる、記念碑的作品
オックスフォード大学版の注・解説にくわえ、初版本イラスト全点を復刻掲載した決定版

 

--------

 

誰もが知るホームズとワトスン(ワトソンって言ってなかった?)
二人の出逢いは友人を通じてのホームシェアだった。
そこから仲良くなり相棒同士となり、ワトスンが記録した物語となっている。

この第一作となる『緋色の習作』は途中から場面がガラッと変わり、
その変化に一瞬戸惑いがあった。

突然の場面転換・・!?
一体わたしはどこに連れてゆかれるのだろう? 週末の平和な時に思う。

 

率直な感想は、まぁ普通に楽しめました(^▽^)/OKOK

 

 

 

ただ河出文庫版一点だけ難点はありました。
・・解説がクドイ!!
(笑)

(わたしの読み方が端折って読むことが出来ない性質だからそう思わせた要因有)

シャーロック・ホームズのマニアをシャーロッキアンと言います(知ってました!?)
その情熱の全てがこの一冊にギューーーッッと凝縮されているので熱量が半端ない。
アツイアツイ

それさえクリアすれば楽しめる一冊となっております(^▽^)/がんばっ

 

 

 

 

---------

 

アーサー・コナンドイル
1859‐1930年 医師・作家・心霊主義者 スコットランド生まれ
名探偵シャーロック・ホームズの生みの親
1887年に『緋色の習作』を発表して以来、約40年間にわたり60編の『ホームズ物語』を執筆


小林司
1929年 医学博士、作家、シャーロッキアン 青森県生まれ
ベイカー・ストリート・イレギュラーズ(米国)、ロンドン・シャーロック・ホームズ会その他会員
2010年没

東山あかね
1947年 フォトジャーナリスト、シャーロッキアン 東京都生まれ
1977年、夫(小林司)と日本シャーロック・ホームズ・クラブを設立
夫と共著のホームズ関係の著書多数

 

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A

2021-12-20 | 翻訳物

 

アンソニー・ホロヴィッツ
訳:山田蘭
『その裁きは死』★★★★

 

元刑事ホーソーンの続編登場です(^▽^)/
ネタバレはなしね。

結構楽しみにしていた続編
ちょっとしたトラブルがあり(ごめんなさい!)途中ブランクが発生。。

期待を裏切らないエンターテインメント小説です。

 

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下記参照

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アンソニー・ホロヴィッツ訳:山田蘭『メインテーマは殺人』★★★★カササギからの~OGPイメージA-◆BookBookBook◆アンソニー・ホ...

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アンソニー・ホロヴィッツ訳:山田蘭『カササギ殺人事件㊦』★★★★週末はこの季節にめずらしい雷雨だった。おかげで表紙が濡れてしまった・・下巻賞...

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アンソニー・ホロヴィッツ訳:山田蘭『カササギ殺人事件㊤』★★★★リフレッシュ休暇終了旅行にはもちろん行かなかったけど、充実したお休みとなって...

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--------(抜粋)

 

実直さが評判の離婚専門の弁護士が殺害された。現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた数字“182”
被害者が殺される直前に残した謎の言葉。脚本を手がけた『刑事フォイル』の撮影に立ち会っていたわたし、ホロヴィッツは、元刑事の探偵ホーソーンから、再び奇妙な事件の捜査に引きずりこまれてーー
年末ミステリランキングを完全制覇した『メインテーマは殺人』に並ぶ、シリーズ第二弾! 
驚嘆確実、完全無比の犯人当てミステリ

 

--------

想像通りそう簡単には終わらせない。
どんでんどんでんお上手です(^▽^)/

今回は読書会の様子が出てきて、ナゾな部分が少し垣間見れた。
そう現実の読書会消滅で少々テンション低め・・
そのメンバが気にしていた本ってこともあり、メールはしておいた(反応有)

 

---

 

いったん殺人事件が起こると、いったいどうして誰も彼も嘘ばかりつくのだろう?こういうときは誰だって協力しあうものだと普通は想像するだろうに―—とんでもない、そんな様子は微塵もないのだ。みながみな、まるで容疑者になりたくて列を作っているかのように思える。

 

---

おもしろ (  . . )φ
一筋縄ではいかないってね。

 

 

 

---

 

「この時点で、わたしはすでに手がかりを三つ見のがし、二つ読みちがえていた」
‥‥‥どこだよ!と思わず前の数ページを再読したのは私だけではないだろう。この言葉が意味するのは、ここまでですでに少なくとも五つの手がかりが読者に提示されているということだ。そして確かに、すべてがわかってから読み直すと「これかあ!」とのけぞることになる。「そっちか!」と臍を嚙むことになる。この徹底したフェアプレイを見よ。
縦横無尽に張り巡らされた伏線。何気ない一場面があとでまったく別の意味を持って立ち上げる興奮。鮮やかなレッド・ヘリング。そして真相がわかったときのカタルシスとサプライズ。
トラディショナル・フーダニットの枠がここにある。

ホロヴィッツは2019年5月、ロサンゼルス公共図書館のインタビューで、島田荘司の『斜め屋敷の犯罪』を愛読していると語っている。日本のファンにとっては実に嬉しい、本格への愛が感じられる言葉ではないか。

 

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(^▽^)/

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島田荘司『斜め屋敷の犯罪』★★★+改訂完全版ここに至るまで計8冊の『斜め屋敷』が存在する(笑)綾辻さんの解説を参照やっぱり「館」の本家本元は...

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D

2021-10-12 | 翻訳物

 

ドニー・アイカー
訳:安原和見
『死に山
 世界一不気味な遭難事故<ディアトロフ峠事件>の真相』


スゴイインパクト
赤文字で『死に山』ですよ!
 
またこれが冷戦下のロシア(ソヴィエト)で起こった未解決事件って言うのが
特に不気味さを強調
何が起こってもおかしくないイメージ強
 
二日で一気読みしてしまった。
夜中読書で集中 入り込み過ぎて手に汗握った。
(だって写真が・・見たくないけど見てみたい恐怖)
 


--------(抜粋)
 
 
 
1952年ウラル山脈での不気味な遭難事故
隕石かソ連か宇宙人か?
米国人ジャーナリストがその真相に挑む!奇界遺産の佐藤健寿推薦

世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》──
その全貌と真相を描く衝撃のノンフィクション!

1959年、冷戦下のソ連・ウラル山脈で起きた遭難事故
登山チーム九名はテントから一キロ半ほども離れた場所で、
この世のものとは思えない凄惨な死に様で発見された。

氷点下の中で衣服をろくに着けておらず、全員が靴を履いていない。
三人は頭蓋骨折などの重傷、女性メンバーの一人は舌を喪失
遺体の着衣からは異常な濃度の放射線が検出された。

最終報告書は「未知の不可抗力によって死亡」と語るのみ――。
地元住民に「死に山」と名づけられ、事件から50年を経てもなおインターネットを席巻、
われわれを翻弄しつづけるこの事件に、アメリカ人ドキュメンタリー映画作家が挑む。
彼が到達した驚くべき結末とは…!
 
 
 
--------
 
このあらすじを読んだだけでも背筋が凍る・・
 
時系列の展開が上手く読ませる中盤戦
結論はさておき、ぐっと引き込ませる力はまさしく怖いもの見たさ。
 
 
 
秋の夜長にいかがでしょう?
 
 
 

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R

2021-05-24 | 翻訳物

 

レイモンド・チャンドラー
訳:稲葉昭雄
『赤い風』★★★+

 
昨年知人から借りた本
その知人とはすっかり音信不通・・
(こちらは春樹の『ねじまき鳥』を渡した)
 
ハードボイルドらしい表紙にヤラレた(笑)
うーん王道です。
挫折に挫折を重ね、やっと波に乗れて完読
こくりこくりと舟をこぎ記憶をなくすも数回
旧本は文字も小さく老眼ではないけど霞む霧のよう
 
 
1963年5月17日 初版刊行
 
正統派ハードボイルドの巨匠レイモンド・チャンドラー
標題作含4話からなる中短編集  
『脅迫者は射たない』『赤い風』『金魚』『山には犯罪なし』
 
 
前回は春樹訳でのフィリップ・マーロウ
この本を読んでみて実感したのが、翻訳者のクセがない!
まぁそうだろうね。
それでも言葉の使いまわしなど時代を感じる箇所を一新する新訳はありと言えばあり。
その作者のクセ→春樹みたいに独特な言い回しはよいのか悪いのか?
 
海外翻訳本は会話が小粋で読んでいて楽しい。
『金魚』の冒頭の会話なんて絶妙ね。
 
私的には最後の『山には犯罪者なし』が好き+
緊迫した場面でも緊張感がないワンコの姿がおもしろく、
何かと「山は平和だ」と保安官が主張する滑稽さもにも苦笑










葉巻の香りがぷんぷんで窒息しそうよ!
 

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