カチンと音をたて
今まで栄養をたっぷり戴いた種を
強かに追い出し??
スウィートなお風呂にちゃぷんと入り
さっきまでつやつやでやんちゃだった赤い実は
しっとりとしたレディーになる。
今年も1キロ、シロップで煮ました。
これだけあればお菓子作りが愉しくなる。
私は冷めてからアーモンドエッセンスを少し加えます。
チェリーらしくなりますよ。
アーモンドエクストラというのも考えましたが、ちょっと高価ですね。
不思議ですね、アメリカンチェリーの種のなかの仁と
アーモンドエッセンス、同じ香りがしました。
チェリーの仁にはなんとかなんとかっていう毒性のものであまり身体によろしくないので
私のまねをして口にしないようにしてください。
チェリーとアーモンド。
不思議な関係です。
アーモンドにはちょっと切ないギリシャ神話があります。
トロイ戦争へ行った王子様を王女様がずっと待っていて
王子はもう死んだんだと思い悲しんでいる王女の姿を見て哀れに思った女神さまは
王女をアーモンドの木にしてしまったのです。
その後、王子がなんと生きてもどってきました。
王子は葉もない王女の木を抱きしめると
花で満開になったとのこと。
なのでアーモンドの木は葉よりも花が先に咲くそうです。
せつないお話ですね。
音楽界の異端児といわれる?あの作曲家のエリック・サティの作品で
「アーモンドチョコレートのワルツ」なんて面白い音楽もあります。
ちょっと不思議なの。
アーモンドって・・・
そんなことを考えながら
チェリーとアーモンドをチョコレートの中に封じ込めました。
チョコレートブラウニーっていうか
チェリーブラウニー。
日本人は唾液の量が少ないのでパサっとした焼き菓子は苦手。
焼き菓子を焼く時は
低い温度でじっくり焼くと、
なかはいつまでもしっとりとした感じに仕上がります。
チョコレートがしっとりとしたタイプ。
二つだけにしようと思ってもきっと後からもう一つ食べたくなる。
だから今日は三つまで。
甘酸っぱいチェリーはやっぱりこの季節のもの。
これから梅雨のお天気は心が少しブルーになりがち。
甘酸っぱいこんなお菓子を焼きながら
素敵なストーリーや音楽、
芸術に少し触れて明るく過ごしましょ。