今週には梅雨も明けそうな気配だけど 長い梅雨には野生の動物にも少なからず
迷惑を被っているのだろうか・・・
サル害 は日常茶飯事だ。田舎の家の庭先にはなぜか柿の木が植えられていること
が多く、それでも私が子供のころには そんな庭先の柿の木にサルが来るなんて
全くなかった。山に生えている山柿にも サルが来ているのも見たことがなかった
なのに、いまは庭に人がいても平気で屋根の棟に座り親子で、仲間で毛づくろいや
大きなサルが小さなサルに集団行動のイロハを教えているのか 時に悲鳴や
追いかけられて逃げている姿も見ることがある。うちの柿も毎年 集団でやって来
て盗んでいく。下手に追い払うと屋根瓦をいたずらされて雨漏りすることも体験し
た。だから今年は 打ち上げ花火も競技用ピストルも撃たないことにした。
今、柿は青い実になって少しずつ成長を始めていて 隣の無人家にも 反対側の
家にも柿の木がある。裏山から眺め放題で、好きな時にやって来ては青い柿を
ちぎって食べている。そのサルが 屋根から降りて 道を横切って川向こうの
田んぼに移動を始めていた。早朝のこと。集団でいかずに 一頭ずつ四つん這いで
田んぼに。田んぼにはシカ・イノシシ除けで漁網を使った高い柵があって でも
サルには柵など関係ない。そこに 田んぼの持ち主が朝の見回りでやってきた。
柵を破ってイノシシが入ったということを前日に聞いていたのだけど、どうやらまた
入ったみたいでご主人が田んぼの畔を歩いて見回り、奥さんが道から見ていた。
「お父さん!そこにサルがいる」と叫んだ。ご主人は海で使うような大きなすくう網を
手にして探している。私は途中何度か家に入ったので展開は見るたびに変化してい
た。助っ人を呼んだのか 畔を歩く人が二人増えていた。あっちこっちと動きまわり
奥さんが長い棒で 穂をつけ始めた稲をたたいている。そりゃ無理だわ・・と思って
いたら ご主人がすくう網を持ち上げながら畔を歩き始めた。なにやら獲物を捕ま
えたようで、追い込み電気ショッカーで仕留めたのか?ご主人は猟友会のメンバー
でもあるので、有害駆除をやってくれている。しかし その仕留められていく様子を
こちら側の隣の二階の屋根から仲間たちは見ていたのだろう。ご主人たちが引き
あげても 屋根の上で座っていた。私が買い物出ようとしたときに、ご主人は猟友会
のベストを着てやってきて、隣の二階家の屋根にいるサルの群れと対峙していた。
おばあちゃんは鉄砲の音が一回鳴ったみたいだと言っていた。たぶん空砲を撃った
のかなと思ったけど、それ以降 サルの姿も声も聞かない。これでしばらくは安心
だと私は思ったのだが。
昨日の朝、五時前、道路に猟友会のMさんが来て田んぼを見ていた。私は「またシカ
かイノシシか?」と思っていた。被害が大きいのか長い時間 あっちこっちと歩き回
っていた。Mさんが帰りかけたときに 田んぼの持ち主 サルを仕留めた(と思わ
れる)Aさん夫婦がやってきた。また三人で田んぼを見回って帰っていった。
私洗濯をしようと玄関から外に出て 川向こうのうちの車庫を見たら何かいる。
黒い・・・シカではなく、イノシシだ!イノシシは ひょこひょこと歩き始めたが どう
やら先日聞いた≪きょーじょー持ち≫凶状と書くのだろうか、Aさんがあっちの谷に
足が三本の大きなイノシシがいる。と教えてくれたのだ。くくりわなにかかったのか
足がないのだなと聞いたときに思ったけど 足がないようでもない・・しかしどこに
行くのだ?ひょこひょこと走りだしながら 車庫で姿が見えなくなったと思ったら
次に橋を渡り始めている。住処の谷に戻るのか?と家から見ていて また隣の家の
壁で姿が消えて、次に出てきたときは隣の無人家の入り口・・ってついそこやん。
私は背伸びしながら イノシシがそのまま道なりに我が家のほうまで来るのか、
確認しようとしたけど 隣の茂った田んぼのイタドリの大株が視界を遮りまるっきり
見えなくなった。田んぼに入ったのか・・まぁこんなにススキが茂った田んぼだもん
あたりも明るいし人も出てくるから山に帰ったんだろう・・と母屋に行き
おばあちゃんにこれこれこうで イノシシが出てきた・・と話して離れに戻ったとき
牛乳屋さんがやってきた。受け取りにでたら 牛乳屋さんのにーちゃんが
「請求書があるから取ってきますね」と車に戻りかけ、こげがワンワンと車のエンジン
音に吠え始め、何気なく隣の田んぼを見たら草むらから さっきのイノシシが出て
来た。思わずにーちゃんに「あれあれみて」と指さしたらにーちゃんも「なんなんです
か?イノシシ?こんなに明るいのに出てくんですか?」と走っていく姿を見ていた。
その姿は 田んぼや畑を荒らしタケノコを掘っていく憎らしいやつだけど 足先が
無いのか、よろけながら必死で走っていく姿に「もう人里に出てくるな、来たら
殺られる・・」と思ったのだ。山奥で生きてきた獣たちが 人里で美味しいものの味
を覚えてしまい居着いた、たしかに山林の荒廃もあるだろうし、時代が変わったのだ
ろうが・・・昔 椋鳩十かなにかで『片耳の大鹿』とかいうのがあったなぁ・・と
いやでも『もののけ姫』にも大イノシシが出てきたっけ・・・
朝のゴミ出しで見たイノシシは また別の谷のイノシシだし・・・ゴミ出しの時に
三本足のきょーじょーもち、手負いのイノシシと出くわすことにならないかと、すごく
怖いのだ・・・