水曜日の夕方のこと。私はこのようにパソコンを叩いていた。玄関を上がってすぐの部屋で。こげは
夕方になると 道行く人の話し声や通る車の音に敏感になって けっこう意味なく吠えます。
犬は吠えるものと理解していても余りに吠え続けるとご近所に迷惑ではないかとか、吠えられて気分の
いい人はいないはず、とか気になって 時々「こげ!吠えたらあかんで」とか「なにを吠えている?」
と声をかけたり、外に出て状況の確認とかをします。でも だいたい吠える声で来客か、道行く人に
吠えているか、相手が犬かとかおおよその見当がつくのも犬との生活が長いからということでしょう。
こげの声が明らかに 警戒的な、異常時の声になっていました。さっきまで玄関前の見晴らし台から
外に向けて吠えていたのに・・・「なににほえているん?」私もこげの厳戒態勢的な声に非常時であろ
うと外に出ると、こげは見晴らし台から下りていつもジャーキーを貰うと腹這いになって食べる、
ブロック塀の一角に向かって吠えています。ちらりと私が出てきたのを見て、ますます味方を得たよ
うにいっそう声を大きく吠えます。吠えながら一角、アジュガの茂ったなかに前足をひょい、ひょいと
ちょっかいを出すようなしぐさをしたり、顔を近づけてみたりします。これはダンゴク(牛ガエルのよ
うなデカイ蛙)やな、とこげの後ろからこげの首輪をつかみながら覗くと「げげげ、あんたこれヘビや
ん」布団にやってきたムカデと言い、長いものが嫌いな私の目の前になんちゅう不幸か!!
それでもこげが前足でパンチを仕掛けるその時、そのヘビが頭をあげてこっちに突き出してきました。
「ひょえ~・・・あんた、こいつハビやで!!」頭が三角で大きく咬まれたら血清を打たないと死にい
たるという毒蛇です。「咬まれる咬まれるから・・・」とこげを引きもどし、はてさてその前を通って
母屋に通報すべきなんだけど、ハビの前を横切るというのはコワイ。そうだ、電話をかけよう。
私は玄関にある電話から母屋に電話をかけた。おばあちゃんが出たので「玄関前にハビらしきものが
いる」というと「見に行く」という。しかし、飛んでくるはずもなく杖をつきながらそろりそろりと
やってきました。「どうも頭が三角で大きいし、ほら模様もそれっぽい」と指さすとおばあちゃんは
覗きこんで「う~ん、そうやな・・・模様は・・・メガネ取ってこなわからんな」とまたそろりそろり
と母屋に引き返します。その間もこげは ハビに向かって吠えてみたり頭を持っていこうとします。
犬はハビに咬まれても死なないのか、毒は体に入るけど顔が膨れ上がったりするだけで済むようです。
まえに飼っていたふみ丸も花子も鼻先を噛まれて腫れあがっていました。こげもそのような顔になって
しまうと(日が経つと元に戻るけど)いやですからね。おばあちゃんがメガネを持って来るのと、
おじいちゃんがお風呂からその会話を聞いていたのか、火ばさみとコックローチを片手にやってきまし
た。ムカデと違いヘビは挟めんやろ~、ニョロニョロするし・・・と思うのですが。おばあちゃんが
ハビのいる一角を指さすんだけど、さっきと違い頭がしぼんでしまいアジュガの葉っぱの陰に隠れて
しまい、チラリとした体しか見えません。
おじいちゃんがひと言「メガネ持ってこなわからん」・・・まるで新喜劇のようなセリフに私はずっこ
けかけましたがな。おじいちゃんの態勢も整い、反対を押し切って火ばさみでつかんで持ち上げながら
「お、あ、これはヘビやな」持ちあげられた体は長く体も細く腹側は白で、首の周りが黄色いやつや。
あ~ヘビか、ヘビならいいわ・・・ってこのヘビを見晴らし台から下の畑に追放してもらいました。
こげをつかんでいた手を放すと、一目散に見晴らし台に飛び乗りブロック塀をクンクンと嗅ぎまわりま
す。その姿は真剣なので、きっと事の発端は見晴らし台で外に向かって吠えていたこげの近くに、畑か
ら這いあがって来たヘビがアジュガの中に落ちたのでしょう。こげにしてみれば そこは自分のテリト
リーであるので、追い出しにかかった・・・ということでしょう。でも、こげは散歩のときにヘビに
何度も出くわしている。なのに興味はないのかいつもスル―するのだ。なんでかなぁ・・この日に限っ
て・・・・・と、考えながら「あ!」私には思い当たるフシがあったのです。この日のお昼過ぎに、
母屋宛ての郵便物を 母屋の入り口に置かれた椅子に置こうとした時に、座面に黒い紐がありそれが
私が置こうと伸ばした先から、スルスルと動いたのでビックリした拍子に「ぎゃ!」と声をだしたのだ
その声に反応した忠犬であるこげが何事かと 椅子のうえしたを覗きこみ「ヘビやヘビや」と騒ぐ私に
おばあちゃんまで家の中に入って来ないように網戸にした勝手口から、ヘビに向かってコックローチを
吹いたのだ。家にやってきても ツバメの巣も無いのに・・・、ツバメがやってきた頃はしょっちゅう
ヘビが入り口にやってきて、というのも玄関土間のうえにツバメの巣があったので一日戸が開いていた
のだ。最近のツバメは巣作りが下手なのか あたりかまわず飛び回ってフンを落とすので入れないこと
にしたのだ。ツバメが来ると縁起が良いとかいうけど、それはどうかと思うし・・・。
この昼間の出来事で、こげは≪ヘビというやつは野良猫と同じくらい家にさせてはいけない生き物≫と
インプットしたのかもしれない。山のそばに住むと、このような長い地球上に必要ではないと思われる
生き物がでてくるので、コックローチ・ハエ叩き・火ばさみは不可欠な道具です。しかし、ハビでなく
てよかった、よかった。
おじいちゃんの退治を見守る忠犬 こげ
夕方になると 道行く人の話し声や通る車の音に敏感になって けっこう意味なく吠えます。
犬は吠えるものと理解していても余りに吠え続けるとご近所に迷惑ではないかとか、吠えられて気分の
いい人はいないはず、とか気になって 時々「こげ!吠えたらあかんで」とか「なにを吠えている?」
と声をかけたり、外に出て状況の確認とかをします。でも だいたい吠える声で来客か、道行く人に
吠えているか、相手が犬かとかおおよその見当がつくのも犬との生活が長いからということでしょう。
こげの声が明らかに 警戒的な、異常時の声になっていました。さっきまで玄関前の見晴らし台から
外に向けて吠えていたのに・・・「なににほえているん?」私もこげの厳戒態勢的な声に非常時であろ
うと外に出ると、こげは見晴らし台から下りていつもジャーキーを貰うと腹這いになって食べる、
ブロック塀の一角に向かって吠えています。ちらりと私が出てきたのを見て、ますます味方を得たよ
うにいっそう声を大きく吠えます。吠えながら一角、アジュガの茂ったなかに前足をひょい、ひょいと
ちょっかいを出すようなしぐさをしたり、顔を近づけてみたりします。これはダンゴク(牛ガエルのよ
うなデカイ蛙)やな、とこげの後ろからこげの首輪をつかみながら覗くと「げげげ、あんたこれヘビや
ん」布団にやってきたムカデと言い、長いものが嫌いな私の目の前になんちゅう不幸か!!
それでもこげが前足でパンチを仕掛けるその時、そのヘビが頭をあげてこっちに突き出してきました。
「ひょえ~・・・あんた、こいつハビやで!!」頭が三角で大きく咬まれたら血清を打たないと死にい
たるという毒蛇です。「咬まれる咬まれるから・・・」とこげを引きもどし、はてさてその前を通って
母屋に通報すべきなんだけど、ハビの前を横切るというのはコワイ。そうだ、電話をかけよう。
私は玄関にある電話から母屋に電話をかけた。おばあちゃんが出たので「玄関前にハビらしきものが
いる」というと「見に行く」という。しかし、飛んでくるはずもなく杖をつきながらそろりそろりと
やってきました。「どうも頭が三角で大きいし、ほら模様もそれっぽい」と指さすとおばあちゃんは
覗きこんで「う~ん、そうやな・・・模様は・・・メガネ取ってこなわからんな」とまたそろりそろり
と母屋に引き返します。その間もこげは ハビに向かって吠えてみたり頭を持っていこうとします。
犬はハビに咬まれても死なないのか、毒は体に入るけど顔が膨れ上がったりするだけで済むようです。
まえに飼っていたふみ丸も花子も鼻先を噛まれて腫れあがっていました。こげもそのような顔になって
しまうと(日が経つと元に戻るけど)いやですからね。おばあちゃんがメガネを持って来るのと、
おじいちゃんがお風呂からその会話を聞いていたのか、火ばさみとコックローチを片手にやってきまし
た。ムカデと違いヘビは挟めんやろ~、ニョロニョロするし・・・と思うのですが。おばあちゃんが
ハビのいる一角を指さすんだけど、さっきと違い頭がしぼんでしまいアジュガの葉っぱの陰に隠れて
しまい、チラリとした体しか見えません。
おじいちゃんがひと言「メガネ持ってこなわからん」・・・まるで新喜劇のようなセリフに私はずっこ
けかけましたがな。おじいちゃんの態勢も整い、反対を押し切って火ばさみでつかんで持ち上げながら
「お、あ、これはヘビやな」持ちあげられた体は長く体も細く腹側は白で、首の周りが黄色いやつや。
あ~ヘビか、ヘビならいいわ・・・ってこのヘビを見晴らし台から下の畑に追放してもらいました。
こげをつかんでいた手を放すと、一目散に見晴らし台に飛び乗りブロック塀をクンクンと嗅ぎまわりま
す。その姿は真剣なので、きっと事の発端は見晴らし台で外に向かって吠えていたこげの近くに、畑か
ら這いあがって来たヘビがアジュガの中に落ちたのでしょう。こげにしてみれば そこは自分のテリト
リーであるので、追い出しにかかった・・・ということでしょう。でも、こげは散歩のときにヘビに
何度も出くわしている。なのに興味はないのかいつもスル―するのだ。なんでかなぁ・・この日に限っ
て・・・・・と、考えながら「あ!」私には思い当たるフシがあったのです。この日のお昼過ぎに、
母屋宛ての郵便物を 母屋の入り口に置かれた椅子に置こうとした時に、座面に黒い紐がありそれが
私が置こうと伸ばした先から、スルスルと動いたのでビックリした拍子に「ぎゃ!」と声をだしたのだ
その声に反応した忠犬であるこげが何事かと 椅子のうえしたを覗きこみ「ヘビやヘビや」と騒ぐ私に
おばあちゃんまで家の中に入って来ないように網戸にした勝手口から、ヘビに向かってコックローチを
吹いたのだ。家にやってきても ツバメの巣も無いのに・・・、ツバメがやってきた頃はしょっちゅう
ヘビが入り口にやってきて、というのも玄関土間のうえにツバメの巣があったので一日戸が開いていた
のだ。最近のツバメは巣作りが下手なのか あたりかまわず飛び回ってフンを落とすので入れないこと
にしたのだ。ツバメが来ると縁起が良いとかいうけど、それはどうかと思うし・・・。
この昼間の出来事で、こげは≪ヘビというやつは野良猫と同じくらい家にさせてはいけない生き物≫と
インプットしたのかもしれない。山のそばに住むと、このような長い地球上に必要ではないと思われる
生き物がでてくるので、コックローチ・ハエ叩き・火ばさみは不可欠な道具です。しかし、ハビでなく
てよかった、よかった。
おじいちゃんの退治を見守る忠犬 こげ