先週、同級生から今週末帰省するのでもう一人の同級生を誘っているから会わへんか？とメールで無く直々の電話が
掛かってきました。掛けてきたのが 幼稚園からの同級生で男子です。私は なぜかこの男子と口をきくのが
怖くて、何をされたわけでもないのにほとんど話をした記憶がありません。なので 中学時代からずっと 少ない
クラス人数で 班分けやチーム分けなどで一緒になる機会があると 自分の存在を消したく仕方ありませんでした。
私が一方的に怖がっている、当時「苦手だ」という遠回しな言い方を知っていれば、そう失礼ではなかったはず、と
今では思っています。だから 高校に進学して またもや同じクラスになったときにはどうするのだこの一年・・・
彼と名字が五十音で同じなので、最初の席が私の斜め前に、席替えがあるまで後ろ姿が目の前にあって、おまけに
彼はなかなかカッコいい男子生徒であったため 「同じ中学校だったから彼のプロフィールを教えて」という他中学
校出身の女子から何度か聞かれたことがありましたが、私は「あの人のことはよく知らない。私は怖かったの」と
いうことを答えていました。高校時代も話すことはなく 残り二年間は幸い同じクラスにならず 安堵したのです。
それが 最近 メールが来たり 高校時代のサンババの一人ともう一人の私達の同級生の四人でお茶することも
あります。今年のお正月にもサンババ三人と彼ともう一人の高校時代の男子を交えて会おう・・ということが、
コロナのせいで中止になった。メンバーを入れ替えて何度か会ううちに 前ほどの恐怖感はなくなり そういうのも
年をとったせいかも・・・と思うわけです。今回は さきに私が親しい幼稚園からの同級生に電話をして会うことを
とりつけているというので、じゃぁ会いますと返事をしたのです。木曜に電話があって、彼は金曜日に帰省し、土曜
日に会おう・・・って 急に人集めも大変やん、と思ったけど一人を確保してるなら それでいいか、でも、
おばはん二人を前に彼は一人でご飯を食べるのか？おかずか？・・・わたしら・と思っていたら、誘われた友人から
電話があり、彼女も急に言われたけど人集めするのか？でもみんな忙しいだろ・・・まぁ凹が行くならいいか、と
返事をしたと言います。彼女とも同じ町内に居ながら、出くわすこともほとんどなく仕事と孫ちゃんの相手に日々
飛び回っているらしい。お昼ご飯を食べよう、と彼がチョイスしたのが串本の 旬彩おおはし という地元のお魚
を使ったお店らしく、もちろん私は外食もほとんどしないのではじめてのお店です。お昼は予約できないので
11時45分に店に行くというメールがあったので それぞれ現地集合。それまでに朝から買い物に行き、お店の場所と
駐車場の確認をしたのだけど、数台のスペースもあり私も彼と同じころに着いたのだけど、店の前に彼の姿もない
うえ、駐車スペースがいっぱいになっているうえ、お店の入り口には 私達より少し若いくらいの見たことのない
女性数人が入ろうとしている・・・人気店なのか？コロナ禍も安定し始め 他所から食べ歩きにきたのか？と。
車を道を挟んだ温泉ホテルの駐車場に勝手に止めて、下りようか迷っていたら 彼が歩いてやってきた。あいつ、
（失礼）どこに車とめてんねん・・・急いで合流しないと・・と駆け寄りそのながれで入店。私の相棒を待つこと
もなく・・だ。しかし、この判断は正解でお店の中は 満席状態で 辛うじて四人掛けの席が空いていて、そこに
座ることに。しかし、二人きりでの ま が辛く、「俺 ビール飲むから。車は（高校時代の友人）Nとこに置かせ
てもらってるから、帰りは凹ちゃん乗せてってね」 ビールを飲むことなど聞いてないし、おいおいそういうことか
いや、お誘いされたから送っていくのはいいけど、串本から彼の自宅までの車中時間が またもやひぇ～な時間でも
あるやん・・・ここ数年は 昔の彼を怖いと思っていた気持ちが 打ち解けてはきているが それは隣に第三者が
いててのことで・・・。相棒から電話がありお店の前にきたけど 凹の車がないけど・・・いや、車替えたから、
のやりとりで入店してきてあぁ やれやれ。美味しい海老天が三本と野菜が入った天丼を彼女と選び、彼は彩膳定食
ごはん抜き、ビールを・・・。食べながら話すのは ほとんどが幼稚園から高校時代の話で、彼と相棒は 私より
一年早く幼稚園に入ったそうだ。相棒は隣家の一つ上の従兄が入園するから自分も行くと言って、いとこと遊べる
から嬉々として通い、彼は行きたくないのに行かされたと愚痴っていた。相棒と彼の家は同じ地区の、子供の足でも
遠くないところにあって、いとこと遊んでいたら「男と女がいっしょに遊んで」みたいなことを言ってきたんやと
相棒も愚痴る。彼は彼の二つ、三つうえの従兄たちと遊ぶせいかガキ大将だったらしく、その振る舞いが幼稚園と
いう年功序列の世界に入ると一番下っ端になるので嫌で嫌でしょうがなかったそうだ。なので、子供心に常に
脱走を計画し、あの道を通ったらあの家のおばはんがいつも外におるから 見つかる、通報される・・・と考えて
いたらしい。なんか やはり 普通ではないやつやな（笑）私は 彼の幼稚園時代の記憶など一つもないが、集合
写真で 非常にきれいな男の子だと思っていた。住む地区が離れていたので 園以外で遊ぶことはないので知り合う
こともない。小学校に入っても一学年一クラス、23～24人。国鉄の官舎に入っている同級生がいたため、転校してい
ったり 転入してきたりでの増減。あれやこれや話していて 彼が「俺は凹ちゃんを 名前で呼んだことはたぶん
ないと思う」とぼそりと言ったので、だろうな…呼ばれた記憶もないし、だから 私の長年の彼に対する苦手意識が
そこの辺りからきているのでは、と理解した。もしかして お互いの記憶間違いで もっと何回かは話をしたことも
あるのかもしれないけど、私は小学生の時に文集づくりで 紐を通して綴じるときに 交差した紐の中心を
「そこ押さえておいて」と言われたシーンがたぶん 会話と言えば会話だったのかなと思い出す。二時間近く話と
食事をして、お茶に行こうと 二人を乗せてロイヤルホテルの喫茶ラウンジに行くけど、二時からクローズ。しかた
なく サンドリアで小一時間。食事中ビールを二本飲んだ彼は顔も少し赤くなり、いい気分のようだけど話が
中学高校になると、高校時代の一番の親友が昨年病死したのが堪えてるように思え、私もそのKくんの笑った顔が
忘れられずにいる。幼馴染や同級生に会うと 昔が思い出され 共通の話題や感覚がよみがえってきます。
でも、そこに辛い別れや悲しい記憶も含まれて楽しかったり悲しかったり。若い時のこういう集まりでは その時の
今、現在の話題が多かったような気がするけど 六十を過ぎたら 今より無邪気な頃の話の方が私は好きだな、と
思ったのでした。
