今週初め、猛暑が始まった月曜日のこと。早朝にいまは使っていないおとうさんの車用の車庫、もちろんシャッターは閉まっています。シャッター前で親猫と子猫二、三匹がじゃれながら
遊んでいるのを 川向こうの自宅から見つけた私。あの猫は 何度か見かける人間ならばセンター分けのような白黒の髪形をした、私とこげと遭遇すると飛ぶように逃げていく猫だ。
おなかのあたりがぶら下がってきていたのは気がついていたけど、しょせん野良猫、どこかで産んで野良猫家族で暮らしていくのだろうと思っていました。
すみません、私は猫は嫌いなので、確かに子猫は可愛いしネット動画に載っている猫の姿にはアクロバット動作や 可愛いしぐさに、ねこ鍋なんてのは感動はするけど、あえて飼いたいと
思わない。あの鳴き声と 媚びない姿が好きではない。媚びないくせに 忍び込んでは粗相をしたり食べ物を食い散らかす。フンが異常に臭い。どんな消化器官なんだ?自分がきれい好き
だから、始末はちゃんと土をかける・・・犬にはできないけど 人間の界隈でしなくていいだろ・・・野良猫と呼ばれながらも ノッパラで暮らさない。最近地方に住み着く かの仲間と
対して変わらないと思う。しまった~車庫に入りこまれたかぁ!! 昨年秋の大雨で車庫の下が川の水でえぐられたのでおとうさんは 車を自宅前に駐車し始め やっとこの春 改修工事も
済んで車庫として使えるようになったけど、家の前に停めているのが楽なのでなかなか移動しない。車庫の下が崩れたときに 車庫に増設した小屋も川に向かって傾きロープで固定し、
冬の強風で川に落ちないように引上げ、分解して空になった車庫に入れておいたのだ。その時シャッターと小屋との間の壁にすき間ができていたけど 、どうやらそこが入口となって
しまったのだ。車庫の中で出産して 早朝自宅前で遊ばせているのか? エサはどこかでもらうのか、意外と心優しい人がいるから、自分の飼い猫以外にも エサを与える猫好きは多い。
犬は体自体が大きいから、野良犬にエサを与える人間はいない。心の中で「かわいそうだけど。それはできないの」と背を向けるのが犬好きなのだ。猫も犬も 飼われるか飼われないかは
自分で選べないし、飼われてもそれは一生そこで家族として終えられるかは それも人間しだいなので まさに運、の運命だと思う。たくさん飼えないのなら手術をしておくのが一番だけど
飼っていても子猫になったら捨てるからいいわぁという飼い主も結構いる。そんな猫がまた子を産み、その子がまた産む・・という連鎖。
車庫に居つかれたら この先、ほかの猫まで居ついてさしずめ 猫の居住地になるのでおばあちゃんに相談すると、その出入り口を詰めてしまおう・・と言います。私は いや最初に
猫を脅して ここには住めないと引き払ってもらうために一日猶予を与えてからでいいと言ったけど、おばあちゃんは譲りません。シャッターを開けた瞬間 親も子猫も飛び出していけば
いいけど、出ずに親子ともども車庫の中に隠れてしまうか 親か子かどちらかが出て、どちらかが残る・・そのパターンだと 中でお亡くなりになったりしたら(亡くなるというのは
相応しくない言い方だけど、先日 貴志川線のたま駅長が死んだときに ニュースのおねーさんが「たま駅長が亡くなりました」と言ったのに私は「そこは死にました だろ」と思わず
ツッコミをいれてしまいました(笑))、車庫内がとんでもないことになる・・・と。とにかく 車庫のシャッターを開けてみないと・・・と車庫に向かったのでした。
たぶん 中に猫がいたらシャッターが開くということは 非常事態だとわかるだろう、そうなると開けた瞬間私の顔に飛びついて鋭い爪でバリバリとひっかくか、噛みつくか抵抗をしめす
だろうとドキドキしながら 開けたのです。徐々に上がっていくシャッター、光が差し込んでいくけど床には荒らされたり汚物もありません。内心、よかった~と思い、シャッターを全開に
して二人が車庫内に。「猫、おらんねぇ」とほうぼうを覗き込み、中にあった棒であちこち突いたり 叩いたり、車庫内でガンガンドンドンやっても猫の声一つ聞こえません。私が少し奥に
入って、振り向いた瞬間「猫!!」と叫ぶ、「え!?」とおばあちゃん、そのときにはもう親猫が全速力で外に飛び出し道を二跳ね三跳ねして 草むらに飛び込んでしまいました。
どこか天井に近い棚にでもいたのでしょう、一瞬のすきを狙って飛び出した感じ。道路に飛びだした瞬間に車にはねられたりしないかと、車庫内からは車の動向までわかりませんからね。
自分だけ逃げだしたのか?やはり 自分だけ生きる猫なんだ・・と思いながら、万が一再度入ることのないように おばあちゃんが車庫内の木切れを使って出入り口を完璧に詰め、
私は猫退散という猫が近寄らない薬をあちこちに設置しました。匂いがきついので効き目もありそうだわ。。。しかし「親だけ逃げたから子が残っているかもしれんで。一日開けといて
ここは危険と察知して子を連れて出ていくように仕向けたら」と私が言ってもおばあちゃんは「開けたらまた入る」と譲りません。おいおい 中で死体が出たら始末するのは私で
そんなん「ひぇ~
」やん。おばあちゃんはそれでもいいというし・・。まぁ翌日まで様子をみようかということにしました。
翌日、火曜日は生ごみ回収の日です。洗濯をしながら 車庫を見ると、なんとシャッターに体を擦り付けるあの親猫。行ったり来たりしては おばあちゃんが詰めた 今まで猫の出入り口に
なっていた前に座り込んでは上を見たり、背伸びしたりしています。そうするうちに 川側の壁の下に行き、そこに向かって後ろ足で立って鳴いています。声は聞こえないけど 中に残された
子猫の安否を確かめているとわかります。シャッターの前で座り込んで今頃、後悔をしてる・・わけでもないのでしょう。なにか私たちに恨みを晴らしにやってくるのかもしれません。
おまけに私はこれから 生ごみをその車庫横に出しに行くのです。今度こそ飛びかかって爪でバリバリされるかも・・・と 川にかかる橋の上まで来たときに 猫はこの間スズメバチを駆除
してもらったサガリの脚の小屋まで近づいてきていたのです。やっぱり復讐しにきた・・とこちらも身構え、ゴミ袋を自転車から下ろして歩き出しても小屋のそばでうずくまり、じっと
睨んでくるのです。今まで 出くわすと脱兎のごとく走って逃げるのに、こっちを見続けたまま座っている。早朝だからよかった、これが夕暮れや真夜中だとめっちゃ怖い。シッと足を振り上
げたら 親猫はサガリの脚の小屋に入って脚が積まれたなかに入り込んでいきました。私からすれば袋のネズミ状態の猫なので 前に回って覗きこむと ひゃ~猫の目が金色みたいに
光っています。怒っているのがわかります。さすがに一晩 子と離れていたら 住むところではないとわかっただろう・・その猫の額ほどの頭でも・・。
おばあちゃんに 今開けたら出ていくでと言っても畑の草取りが忙しいので動きません。まぁ子猫と言っても じゃれあうくらい足腰もしっかりしてるからすぐに死ぬことはないだろう・・
その後、詰めたのを解除して一晩。水曜日にこげを連れて 車庫に。こげの鼻には猫がシャッターのまわりに匂いをつけたのがわかるらしく 早く中に入りたいと、珍しく興奮しています。
そろそろとシャッターを上げ こげが中に飛び込む・・・猫はいないようですがあたりには猫退散の薬剤の匂いが目に痛い。こげはこげでそれよりなにより 猫がいた場所を嗅ぎまわり
ギュンギュン唸りだしました。そうです、最初にこげを動員すればよかったのです。こげなら子猫の位置もわかったはず・・・だけども そこで捕獲してそのあと、どうよ・・・
保健所に突き出す・・のも できへんし 放置すればカラスの餌食になるし・・・。まったく やっかいものだわ・・・こげの探索も収穫はないから 開けた間に出ていったということで
「もう出ていったということで ここは閉めるから。おるなら出てきなさい。死んだってもう知らんからね」と居るのか居ないのかわからんけど そう宣言(そうでもしないと)して
シャッターを閉めました。昨日の朝は 車庫の周りには猫の姿はなく、どこか猫好きな人の庭先でエサでも貰っているのだと思うことにしました。
猫に罪はないけど、またそうやって延々と同じことを繰り返していくんだから。猫好きなら そのあたりの野良猫もみんな保護してあげたら?と言いたくなる。飼い犬登録で飼い主から
お金をとるのに 猫を飼ってる人にはそれもないのだから。台風接近のため いつもの散歩の時間より早く(暴風と小雨でも散歩は決行するこげ)散歩に出ましたが、こげは前日の車庫内
捜査の余韻があるのか 車庫の前から離れません。猫退散の匂いがシャッターのすき間から漂ってくるのに、です。親猫の姿もなく きっと台風接近で居場所に苦労しているかもしれない
けど、子猫と寄り添って雨風をしのいでいると思うことにしたのです。