歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

設計通り揺れる“もみじ谷大吊り橋” 

2008年01月23日 | 旅の話し
昨日の続きです。

それで、一人で吊り橋を渡ったのですが、ホントによく揺れるのです。この橋の構造は「無補剛桁方式」です。

‘剛’の‘桁’に‘補’われて‘無い’ので、橋は風が吹いても、人が歩いても、左右によく揺れます。

揺れない吊り橋よりも、揺れる吊り橋の方が、吊り橋らしいのかも知れません。若い男女のグループにとっては、揺れる吊り橋の方が絶対にイイのです。

揺れてこその「純粋観光吊り橋」なのです。横揺れを防止するケーブルが張られていますが橋は揺れます。それでも、兎に角、対岸まで渡る事ができました。



この程度では揺れ防止はムリと思われます。この揺れ防止ケーブルの「揺れ防止」が必要です。

もしかして、いゃ、そうなのかも知れません。きっと若い女性が「キャーキャー」笑って叫ぶ程度の揺れを計算して造られている? 何ってたって「純粋観光用」ですから。

こちらは橋を吊っているメインケーブル、それなりに「しっかり」しています。こうして支柱を見上げ、そのまま直ぐに視線を足元に下ろすと、お腹の辺りが「すーっと」して「こそばゆく」なります。垂直の方向はダメです。


ここで、メインケーブルを支えている訳です。鉄筋コンクリートブロックとケーブルはアンカーボルトでガッチリ固定されているようです。

しかし、このケーブルの固定方法が不安です。スッポリと抜けないのでしょうか?何故そんなことを?と、思われるでしょうが、実はこのワィヤーの「端末処理」を見た事があるのです。

30数年前の話です、東京の某有名デパートの屋上にあるクレーンのワイヤーロープの交換を見たことがあるのです。

それは、亜鉛鋳込法と云うやり方です。ワイヤロープの端末を「ほぐし」て、ソケットに差し込み、ソケットの中に合金を鋳込み固めるのです。



ほぐしたワイヤーを「洗浄」して亜鉛を流し込むのですが、洗浄が不完全で表面に油が残っていると、時間の経過によりワイヤーと亜鉛の間に隙間が生じて、ある時、「スッポン」と抜ける危険性を感じたのです。

そして、なによりも、この方法は作業者の「熟練度」に依存しています、強度にバラツキが出やすいと思いました。

何たって最近は、こういう技能者の「技能」が以前より低下傾向にあると思われるのです。まさか、派遣で日雇いの作業者と云う事はないでしょうが。

何たって、加工後に引き抜いて強度試験をする訳にいかないですからね。そんなこんなを考えていると、帰りが怖くなってきました。

それでも、吊り橋を渡って戻らなければなりません。姉と母が私の無事を祈って待っているのです。

脇目も振らず吊り橋を渡り引き返します。が、しかし、見てしまったのです。この細いケーブル。

メインケーブルは「太い」のですが、最終的には、この「細い」ケーブルで橋は吊り下げられていたのです。この細さが気になります。

これも「亜鉛鋳込法」で固定されています。亜鉛とワイヤーの表面に隙間が発生し、引っぱると「スッポリ」抜けたりして・・・・・・。

妄想を振り払い、無事吊り橋を渡りきり二人を捜すと、お土産屋さんを覗いていました。

この「お地蔵さん」とても可愛い表情をしています。でも高いので買いませんでした。

後から思うと、吊り橋からの景色はほとんど見て来ませんでした。吊り橋、それもワイヤーロープばかり見ていました。900円は高かった?

塩原温泉はもう直ぐです。


それでは、また明日。




コメント
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