歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

“だから荒野”⑦収入が少なく優しく協力し合う家庭と収入が多く優しくなく協力も無くだから荒野の家庭

2015年02月22日 | テレビの話し
前回の続きです。

昨日、第六話「妻と夫」を見ました。

制作統括の“銭谷雅義さん”の、

『私も長くこの仕事に携わっていますが、今ままでに経験したことのない、奇跡の瞬間でした。これまで誰もみたことない深い人間ドラマが生まれたと思っています』

この言葉があまりにも強烈であったが故に、期待が最大限に膨らみ過ぎ、見終わって、う~~ん、銭谷さんの“いままでの経験”に疑問を抱いたりしたのです。

でも、まだ、二話残っていますから、最後の最後に、これまでのストーリーで、気付かぬうちに仕込まれていた、いくつもの伏線が、一つに集約し、思いも寄らぬかたちで、思いも寄らぬ展開をみせ、経験したことのない、奇跡の瞬間を生み、深い人間ドラマとして、大きな感動を・・・・・・となる?

結論めいた推測を冒頭に述べてしまいました、これでは、今日は、これで終い!となってしまいます。“それじゃ~ダメじゃん!”と云う事で、気になったこと、引っ掛かったこと、そんなことから、思いを巡らしたいと思います。

久しぶりに大阪で再会するふたり、自分の都合だけを主張する浩光。朋美に“相変わらず最低”と云われ、“今までのようには生きていきたくない”と云われ、“大人になりなさいない”云われ。自立し始め、主張し始めた朋美に混乱する浩光。


そして、家に帰った浩光、“あなたの家は普通じゃない、親父がすごい冷たい、家で、あれほど何もしない人初めて見た”と、恋人の香奈から言われたと、気付き始め、主張し始めた長男健太に責められる。

そして、“香奈のうちは違う、共働きだからかも知れないが、家事を手伝ったり、みんなが協力して暮らしている、みんながみんな優しい”と、お母さんにも、優太にも、優しくしておけば・・・”と反省する健太。

妻からも、息子からも、夫として、父親として、失格と云われ、迷いつつも、いまだに責任は自分には無いと思っている浩光。

長男が出て行った後、“あいつもカモだな”と呟き、場面は次男優太のジオラマの中心に座る“カモ”に転換するのです。

朋美も、孝吉も、章吾も、みんなが見つめ、美しいと思い、呟き、涙する“ジオラマのカモ”は伏線なのです。

それで、です。優しく協力し会う家庭と、そうではない家庭と、その別れ道は、父親に問題あるのか、母親に問題があるのか、そのどちらにも問題があるのかです。そして、それは個人の資質に起因するのか、です。

“香奈のうちは共働きだからかも知れないが”と云わせていますが、この共働きが、かなり。かなり、大きいと思うのです。

協力しないと生きて行けない環境なのです。優しくしないと、理解し合わないと、協力は生まれないのです。生きて行けないのです。

衣食住を父親の収入だけで可能家庭では、協力しなくても、優しくなくても、理解し合わなくても、生きていけるのです。

父親として、養い、施し、保護していると、それなりに君臨してしまうのです。すべては一方的な上下関係として、専制君主として振る舞う、そんな“条件”が整ってしまうのです。でも、だからと云って、いまの世の中で、普通、そう振る舞う方は少数だと思います。

いまの世の中で、それなりの収入を得るには、それなりに、周りの状況を把握し、他人を理解し、他人の意見を聞き、調整しまとめていく力量が無ければ、それなりの地位、それなりの収入は得られないのです。

ですから、女好きで、ゴルフ好きで、薄っぺらで、バカっぽくて、でも、しかし、収入はある、そんな専制君主の浩光の存在に、リアリティが感じられないのです。設定として古すぎるのと思います。浩光は20世紀の父親像です。もしかして、桐野夏生さんのお父さんがモデル?

それなりに、朋美が疑問を抱き、不満を抱き、不安を抱き、家から逃亡する理由付けとしては、かなり荒っぽい設定だと思います。それと、朋美の責任が、料理下手しか描かれていないのは不自然です。

まあ、それは、それとして亀田章吾クンです。彼はこの物語の準主役のようで、毎回、ラストに、いろいろと謎らしき、伏線らしきシーンが描かれます。演じる役者さんは初めて見る方です。

純粋そうで、信頼できそうで、金には無頓着そうで、でも、そこには裏がありそうで、なさそうで、こころに傷があることは、間違いなさそうで、影が薄そうで、存在感のある、とても、いい役柄を、とても良く演じていると思います。

章吾の年齢から、親の世代が被爆2世で、彼は被爆3世でしょうか?そのことが、彼の心にいろいろ影響し、これからのストーリーに影響していくのかも?

本日、10時から第8話が放送されます。私は録画して明日の午後に観ると思います。

今度こそ大丈夫ですよね“銭谷雅義さん”


それでは、また。

コメント (1)
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