二回目、昨日見ました。
いつものように録画し、後でゆっくり好きな時間に見るのです。生ですと、歳の所為で途中でトイレに行きたくなり中断するのです。
それで昨日は昼間の2頃からみたのです。いゃ~、ホント、暗いお話てす。
町のヤミ金?高利貸し?から借金をした和菓子屋の主人が、生命保険で返済しようとして自殺を図るのです。
遺書に気づいた娘と女将さん、そして、「珈琲屋」が、探しだし、排気ガスを引き込んだ車から助け出し、病院に運び込まれ命は取り留める。
父の自殺で、逼迫した家計の状況と、父の愛情を知った高校生の娘が、身体を売って家計を助けようと・・・、そんなお話でした。
それで、和菓子屋の店名が「尾張屋」になっていたのですが、これは、とても、気になるのです。そう、わたくし、詰まらない、些細なことが気になるのです。
東京下町においては、そば屋と云えば「尾張屋」、和菓子屋と云えば「伊勢屋」と決まって?いるのです。江戸の名物は「伊勢屋、稲荷に、イヌの糞」と決まっているのです。
※昭和へのタイムトンネル!
ここまで書いてきて、気が付きました!
店が傾き借金の取り立てに窮して、店主が自殺未遂で、あくまでも東京の外れの商店街となっていまが、でも、映像的には実在の商店街の名前が映し出されます。
と云うことで、実在する和菓子屋さんへの配慮から、和菓子屋では有りえない、でも、下町的匂いのする尾張屋としたのでしょう。きっと、きっと、そうです。
尾張屋の自殺未遂の主人役の「徳井優」がイイです。しょぼくて、かっこ悪くて、愛嬌があって、すこし影があって、癖があって、そんな役柄にはぴったしと云うか、彼が演じると、みんなそんなそんな風に見えてくる?
それにしても、売春を仕切っていたのが、一見真面目な同級生で、始めた理由が自分が強姦された事への反発、復讐、意趣返し、みんな自分のように汚されればいいとは、ちょっと理解できません。
自分の身体が汚れてしまった仕返しが、他の女性も自分と同じ目に遭わせるなんて事を、考えますか? それに、売春行為はそれなりに自分の意思が働いています、強姦とは異なります。
まあ、そば屋の娘は、家の借金と云う経済的強制力が働いている訳ですが、それなりに自分の意思です、強姦とは異なります。
それで、そば屋の娘ですが、土壇場で客を振りはらって逃げ出し、仕切り屋から違約金20万円を請求されます。
そば屋の娘は自分で工面した4万円、残りを珈琲屋のマスターから借金して、仕切り屋へ渡す。
受け渡し場所は珈琲屋の店内、居合わせた木村多江に「そんな事をして自分の未来を汚している」と云われ、「私はとっくに汚れている」と答える。
やり取りを見ていたマスターは、
『コーヒー飲んで下さい。人を殺した手で淹れたれたコーヒーです』と告げるのです。一同唖然! これは衝撃的です。
そして、『私は人を殺しました。何も求めてはいけない人生です。だけど、君は未だ間に合うから、君が汚れきっているなんてことは、絶対にないから!』
と、云われ、仕切り屋の同級生はコーヒーを一口飲み、表情をゆるめて、『美味しい』と云って、違約金は受け取らず、店を後にするのです。
こころの汚れは、一杯のコーヒーで、すこしずつ、すこしずつ、洗い流され始める・・・。
確かに、人を殺してしまった人間、地獄の淵に立った人間からの「君が汚れきっているなんてことは、絶対にないから!」は、これまでの思いが吹き飛ばされるほどの、衝撃だったと思います。
そして、和菓子屋の娘は、
『和菓子屋、売っちゃえばいいんだ、売って、おじいちゃんちに引っ越してお父さんとお母さんは、農業を手伝って、私はガンガンバイトして。お店はまたいつか買い戻してみせる』と云って、父の入院する病院に向かう。
まあ、よかった!ヨカッタ!でした。
それで、ドラマのテーマ、
『人って面白いのよ。ある人をとんでもない悪だって云う人もいれば、その同じ人を優しい人だって云う人もいる。あなたも私も。殺されてしまったあなたの旦那さんも、触れあう相手によって変わる。その彼、ホントはどんな人なんだろうね』
が気になるのです。
触れあう相手によって「変わる」と「変える」、無意識に変わる、意識して変える。この差は、とても、とても、大きいと、思うのです。
この話は長くなるので、また、次回。
それでは、また。