『下町ロケット』です。
技術者の夢は、燃焼試験の失敗をのり越えます。
夢に向かって、努力を重ね、幾つもの苦難を乗り越え、夢を叶える。
やっぱり、努力は必ず報われる?
まあ、世の中、“そうは問屋が卸さない”のです。
いくら努力しても、夢が叶う人は、ごく、ごく、僅かなのです。
社長の娘はバドミントンの夢を諦め、次なる夢、父の後を追いかけ“慶應の理工学部”に挑戦するようです。
まあ、ホント、夢は大切だと思いますよ、夢に向かって努力をする。大変に正しい事だと思います。
でも、しかし、わたくしの人生をふり返ると、幼き頃より、夢と呼べるほどの大層なことなど、これっぽっちも考えませんでした。
わたくし、幼少期は共同便所で共同炊事場の長屋住まいで、その後、小学生の頃は、トイレとキッチンはあるが風呂は無しの都営団地住まいでした。
ですから、庭付き一戸建てに住むことが“夢”でした。そして、夜の10時からは、ソファーに座ってブランデーグラスを傾け、ニュースステーションを見るのです。
今では、まあ、それなりに叶ったのですが、だからと云って、感激も感動も、それほど無かったのです。
それは、それなりに努力を重ねたわけでも無く、何となく、それなりに、世の中の流れに身を任せで、世の中が、高度成長で、バブルで、気が付いたら“小層な夢”は叶っていたです。
世の中では、"大層な夢"を抱き、夢に向かって日々努力を重ね、その夢を実現する、立派な方も居ますが、99パーセントは、あまり立派では無いと思うのです。
大層な事は考えず、日々の努力もそれなりで、流れに身を任せる。これって、やっぱり、イケナイ事なの?
世の中、全員が、夢を抱き、夢に向かって、日々努力を積み重ね、困難を乗りこえ、夢を実現してしまう。まあ、そんなことは有り得ないのです。
ひとり一人の人間には、いろいろな個性があります、体力に自信のある人無い人、学力に自信のある人、無い人、金銭に執着する人、しない人、目標が無いと生きられない人、そうで無い人、寝る時間を削って研鑽する人、そうで無い人。
落語の“まくら”で、与太郎が家で毎日毎日ゴロゴロしているので、大家さんにしっかり働けと小言を言われるのです。それに対して、与太郎が大家に質問します、
『毎日働いているとどうなるの?・・・働いていると給金が貰える』
『給金が貰えるとどうなるの?・・・貰った給金を貯めてお金持ちになれる』
『お金持ちになるとどうなるの?・・・お金持ちになると毎日寝て暮らせる』
『それじゃ、今と同じだね・・・』
まあ、こんなやりとりだったと思います。これは、うん、それなりの真理。
人間、怠けてはいけません。自分のできる範囲で、身の丈にあった、それなりの努力する、それは、とても、とても、まことに正しいのです。
ふつうの能力体力で、ふつうに努力して、ふつうの生活ができる。これがふつうの世の中だと、思うのです。
ところで、戦後の西側先進国で、ふつうの人がふつうに暮らせたのは、アジア、アフリカ、中近東、南米の人々の犠牲の上に成立していた、と、思うのです。
ですから、フランスパリでのテロは、イスラム教文化とキリスト教文化の対立の側面と、過去、西側の繁栄に対して、犠牲になった人々の反撃の一面があると思うのです。
それで、この“ふつう”とは何か?、これが、とても、とても、ムズカシイのです。
でも、しかし、今の世の中はフツウではありません。未だ、フツウでは無いと云った方が正しのかも?
いま、格差社会で、非正規雇用で、ブラック企業で、貧困率が16.1%でOECD加盟34カ国中下から6番目で、かなり、かなり、貧しいのです。
この貧しさを、夢を抱き真っ直ぐに、新たな科学技術開発で、新たな宇宙航空機産業で、経済成長で、雇用増大で、給料アップで、ふつうの人が、ふつうの暮らしを実現する!
とは、とは“そうは問屋が卸さない”そんなシステムに世の中に、なってしまって、いるようなのです。
“1%と99パーセントの問題”です。富が、過度に、一部に集中していると云われています。そこまでいかなくとも、原始時代は別として、これまでの世の中、15%の金持ちと、85%の貧乏人で廻っているそうです。
“1億総活躍社会”は、何か、とても、低賃金で、不安定雇用で、長時間労働で、とても、とても、骨折り損の草臥れ儲けのような、そんな気がするのです。
もう、そろそろ、経済成長とか、生産性の向上とか、シェア拡大とか、銭金中心の思考から、解き放たれ、もっと気楽に暮らした方が、良いのでは、と、思うのです。
まあ、少数の、一日2~3時間の睡眠で、ひっちゃきで勉強し、メチャクチャ努力し、命を削り、精神を削り、地位と名誉と財力を望むお方を否定する気はありません。
でも、世の中、いろいろな人が居て廻っているのです。
指導者ばかりでは、高度な頭脳労働ばかりでは、キレイな仕事ばかりでは、世の中は廻らないのです。
ふつう以上の方、ふつうの方、ふつう以下の方、いろいろ居て成り立っているのです。
段々、何を云いたいのか、判らなくなりそうで、このへんでお終い。
でも、しかし、下町ロケットは、それなりに面白いです。
次回から、医療機械の開発ネタのようです。
それでは、また。
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3 コメント
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- Unknown (さかいのぶよし)
- 2015-11-17 18:26:49
- パリ同時テロが「成功した」のが不思議。欧州、欧米の空港は軍隊が警備している。ISのメンバー、支持者が大勢潜伏している。と、しか理解不能。アラーの神は偉大でもイスラム教徒全員がIS、タリバンでないから、先祖代々での教徒はいい迷惑。下町ロケットの役者さん熱演、学習している。日本は平和で今日も劇場版MOZUを見てきました。ISが処刑しているイメージシーンはテロが起きたばかりで複雑な気持ち。
- 返信する
- Unknown (さかいのぶよし)
- 2015-11-19 11:55:19
- 自立、自給自足の社会ならプラプラして寝て暮らすのもかつてだが、複雑に絡み合って成り立つ現代社会は無理。小生は雑役、雑用、雑仕事に従事してきた。指導者、高度な頭脳労働は出来ないが小生の代わりは全員。"1億総活躍社会"皇太子のスピーチかみさんの御蔭か安倍総理よりカッコイイ!
- 返信する
- Unknown (さかいのぶよし)
- 2016-01-07 09:14:16
- 空調設備の整った部屋で飲み物や食べ物揃ってるところで、体制に批判的な番組を視聴する。そして、開発途上国の犠牲に成り立つていると頷く.。無いより有った方がいい。平和は他国の犠牲に成り立つていると考えられない。国民の心と憲法だけが、日本の取り柄。
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