徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

「“副作用”がわからない? ~信頼できるワクチン行政とは~」by NHK

2016年01月28日 08時13分33秒 | 小児科診療
 昨夜のクローズアップ現代はHPV(子宮頸がん)ワクチンの副反応がテーマでした。

■ “副作用”がわからない? ~信頼できるワクチン行政とは~
2015.1.27:NHK
新規ワクチンの導入に消極的だとして「ワクチン後進国」と指摘されてきた日本。ここ数年、迅速な導入を進めてきた。しかし、3年前に定期接種化された子宮頸がんワクチンを巡り、接種した人から“副作用”を訴える声が続出。国は接種勧奨を中止する事態となった。2年以上経った現在でも、勧奨を再開するのかどうか、判断できない状況となっている。見えてきたのが、ワクチン接種後に現れる症状を的確に収集・検証し、因果関係を疫学的に評価する仕組みの脆弱さ。国民が安心してワクチンを接種できるためには何が必要なのか?米国の制度との比較も交え、処方箋を探る。


 日本ではワクチンの副反応を拾い上げる全国規模のデータベースが存在しないことが指摘されていました。
 ワクチン接種後に発生した体調不良が、ワクチンのよるものかどうかを判断するのは科学的にも困難であり、その際に用いられるのは「統計学的手法」です。
 副反応の報告システムとデータベース構築が整備されたアメリカでは、その手法により1990年代にロタシールド®の副反応をあぶり出して早期に中止できた実績が紹介されました。

 しかし、私が気になったのは、そのアメリカでもHPVワクチンは行われており、日本で問題視されている副反応は認められていないという事実を取りあげなかったこと。
 さらに、科学的手法による感染症対策の頂点にあるWHOのコメントも取りあげられなかったこと。
 さらに、日本における統計学的手法を用いたHPVワクチンの副反応報告(名古屋市による大規模調査)も取りあげられなかったこと。

 私もこの問題の真実を知りたいです。
 HPVワクチンによる副反応は、なぜ日本だけで問題視されるのか?

 しかし、科学データ(エビデンス)をもとに議論を進めなければ解決することは困難でしょう。


<参考HP>
■ 「“ワクチン拒否”を考える
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