徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

新型コロナ陽性者の隔離期間を再確認

2023年01月04日 08時20分53秒 | 小児科診療
2022.9.26以降、
新型コロナ陽性者の管理を保健所が担当しなくなりました。
つまり「自己判断・自己責任」で、
「隔離」と「自宅療養」をすることになります。

自宅で抗原検査キット陽性の届出も“義務”ではなくなりました。
行政からの支援が欲しいときには、
登録してサポートを受ける“権利”はあります。

つまり、現在発表されている「陽性者数」は現実を反映していません。
私は発表数の2倍以上陽性者がいると思っています。

さて、当院で陽性判定をした患者さんには、
自宅療養・隔離の手引きとして以下の内容のプリントを配布しています。
参考にしてください(ただし群馬県在住者向けです)。


                                                                        
【新型コロナ抗原検査が陽性になった方へ】  
                       
(注)抗原検査キットが「研究用」は無効です。「医薬品」であることを確認してください。 
                       
<保健所からの連絡対象の変更(2022年9月26日)>                      
・9/26以降は「入院した方」「重症化リスクのある方」以外、保健所から連絡はありません。
・行政の支援を希望する方は、自分で「健康フォローアップセンター」に電話連絡して登録してください。

全国各都道府県の相談窓口(厚生労働省)
                       
<陽性者の自宅療養と隔離期間>
・検査陽性になった方は隔離・自宅療養が必要です。お薬ご希望の方は、当院の電話診療をご利用ください。 
・隔離解除は「発症日の翌日から数えて7日間以上経過しかつ症状軽快から24時間以上経過」が条件です。 
・10日間は感染リスクが残りますので、その間は自主的な感染予防行動を続けてください。
                       
<濃厚接触者と隔離期間>
・同居家族は基本的に濃厚接触者となります。濃厚接触者の隔離期間は、
1 .発症した翌日から数えて5日間(6日目に隔離解除)
2 .隔離2日目/3日目の抗原定性検査が両方陰性の場合は3日目に隔離解除               
→ただし1・2いずれの場合であっても7日間を経過するまでは検温など自身による健康状態の確認などを行うこと。                       
<陽性になったあなたと(同居家族以外で)濃厚接触した人がいる!>
・あなたと濃厚接触(1m以内で十分な感染予防なしで15分以上の接触)したと思われる方がいれば、あなたがその 人に連絡してあげてください。                                                                                                                                                             
    
★ 追加
忽那Dr.の解説で分かり易いイラストがありましたので、引用させていただきます;

さて、隔離解除される第8病日時点で、感染力(周囲の人に感染させる力)はゼロなのでしょうか?
・・・残念ながら、16%の人に感染力が残ります(⇩)。


もう一つ、興味深いグラフがありました。
新型コロナウイルス各株の感染力持続期間の比較です。
潜伏期は野生株(=武漢株)>デルタ株>オミクロン株と徐々に短くなってきましたが、
感染力持続期間は変わっていません。
ですから本当は、隔離期間はそのまま10日間必要なはずです。
それを短くしたのは、医学的・科学的知見より、
社会活動をこれ以上停滞させられないという政治的判断を優先しただけなのです。


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