小児アレルギー科医の視線

医療・医学関連本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

「ブログ閉鎖」を撤回します。

2018年03月23日 20時24分11秒 | 医療問題
私のブログのどの部分が著作権法違反なのか、しばらく考えてきましたが、心当たりがなく悩める日々。

先日購入した「医療従事者のギモンに答える!トラブルに巻き込まれない著作権のキホン」を斜め読みしましたが、ピンとくる箇所はありませんでした。

強いて言えば、ブログが“主”、引用が“従”関係でなければならない、というくらい。
メモ感覚で、自分の意見・感想は最小限で引用しただけという項目もなきにしもあらず・・・これは反省(^^;)。

本には書いていないことですが、もしかしたら「登録制(有料あるいは読者限定)サイトの記事を全文引用したこと」がまずいのかなと考え、リンクを張るだけに修正して goo 本部に「直しましたので確認してください」とメールしました。
するとあっさり、「確認しました、ご理解していただきありがとうございます」という返信が来て公開停止された項目が復活したのでした。

というわけで、今回知ったルールを遵守すればブログを閉鎖する必要がなくなりましたので、前言を撤回します。
励ましのコメントをいくつかいただきました。
感謝します。
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ブログ閉鎖のお知らせ

2018年02月23日 07時36分02秒 | 医療問題
 自分自身への備忘録として始めたブログですが、「ネット上の記事を引用して感想を記す」というスタイルは著作権法違反になるとのご指摘を受けました。
 引用元を明記すればよいのでは(宣伝にもなるし)との考えは、私の勝手な思い込みだったようです。

 2018年3月に閉鎖する予定です。
 ご愛読ありがとうございました。
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“病の姿”が見えない 新潟水俣病の50年

2018年02月16日 07時51分19秒 | 医療問題
 先日、水俣病を世に問うた作家である石牟礼道子氏が亡くなりました。
 水俣病患者の声を、自然からの叫びを「苦海浄土」(くがいじょうど)という壮大な叙事詩にまとめ上げた人物です。

 もう一度水俣病を見つめ直すよい機会と感じ、録り溜めておいたTV番組の中から、新潟水俣病のドキュメンタリーを視聴しました。

 水俣病は工場廃水に含まれていた有機水銀による中毒です。
 しかし、高度経済成長期の日本においては、その責任を企業も日本政府もなかなか認めたがりませんでした。
 健康を犠牲にして経済成長を優先する時代だったのです(原発事故の扱いを見ていると、今も変わらない?)。
 被害者は同情よりむしろ差別を受けるという悲しい現実がそこにあり、名乗り出て患者申請することさえ躊躇されるような雰囲気もありました。
 人間はこのような過ちを繰り返してきたのですね。
 そこに“歴史を見つめる”意味があるのでしょう。

※ 下線は私が引きました。

■ “病の姿”が見えない ~新潟水俣病の50年~
2015年6月4日:NHK
◇ 水俣病と認めて欲しい 認定審査を待つ人々
阿賀野川中流の新潟県阿賀町です。
神田三一さんです。
手足のしびれやめまいなど、水俣病特有の症状を抱えています。
特に深刻なのが手の震え。
物をうまくつかむことができません。
視野も狭く、周囲の様子が分かりづらいといいます。
「(視野は)これが精いっぱい、ここから上は見えない。
なんともしょうがない。」

三一さんの兄、栄さんも水俣病の症状を抱えています。
2人はこれまで、国の救済策などに名乗り出ることはありませんでした。
水俣病に苦しみ亡くなった父親が、周囲から偏見の目を向けられていたのを見てきたからです。
しかし80代後半を迎え、生きているうちに水俣病と認めてほしいと、一昨年(2013年)新潟県に認定審査の申請をしました。
「認定されなければ、いつまでたっても解決のめどはたたないわけだから。」

◇ 水俣病 認定審査 新たな指針
去年(2014年)、国は新たな通知を出し審査の指針を示しました。
これまでほぼ認定されなかった、1つの症状しかない人でも、有機水銀に汚染された魚を食べたこととの因果関係が認められれば認定できるとしたのです。
しかし、「できるだけ客観的な資料で裏付ける必要がある」ともされました。



◇ “新潟システム” 救済の道は開かれるか
今、新潟で認定審査の結果を待つ人は、113人。
国の通知に対し、県は独自の方法を取り入れた認定審査を始めています。
これまで主に医師が行ってきた審査に、水俣病に詳しい弁護士や研究者を新たに参考人として加えることにしたのです。
従来は、手足のしびれなど水俣病の症状を調べる医学面の審査が重視されてきました。
新しい仕組みでは、専門家の視点を生かし、疫学面の審査を重視することにしたのです。
当時の資料がなくても、汚染された魚の流通ルートなどを参考人の意見をもとに丁寧に調べることで幅広く救済の可能性を探ることにしました。

新潟県生活衛生課 藤田伸一課長
「当時の状況ですとか、魚の関係であれば専門的な知識等を補充していただいて、きちっと解明できるという部分で近づければと考えています。」

参考人の1人、坂東克彦弁護士です。
長年、患者側の立場で訴訟に関わってきました。
坂東克彦弁護士「新潟第1次訴訟の原告の診断書です。」
坂東さんは疫学面の調査をするにあたって、50年という歳月の壁を痛感しています。
魚を入手した人の名前や居住地運搬方法や調理法など50項目以上からなる細かな調査。

坂東克彦弁護士「大正11年生まれの方で93歳。」
しかし、高齢の申請者の中には記憶があいまいになってしまっている人も多く、詳しく思い出せない人もいます。
申請者に残された時間が少なくなる中、それでもできるだけ救済につなげていきたいと坂東さんは考えています。

坂東克彦弁護士「取り残すことのないようにね、これが最後の機会だと思ってますから。
精いっぱい落ちのないように、きちっとして仕事を進めていきたいと思っています。」

偏見を恐れ、一昨年ようやく認定申請を行うことができた神田栄さんと三一さんも、2か月前に詳しい調査を受けました。
当時、食べていた魚の種類や量など、思い出せることのすべてを伝えたといいます。
日々、体調の悪化を感じる2人。
一日でも早く水俣病と認められることを待ち望んでいます。
神田栄さん(87)
「認定申請する以上は認定に結びついてほしいなと思いますけど、結果はどうなるのかですね。」

◇ 立ちはだかる“年齢の壁”
認定申請をしている113人の中には、若い世代の人もいます。
佐藤美穂さん(仮名)、45歳です。
子どもの頃から手足の感覚が鈍く、痛みや熱さに気付くことができないといいます。

佐藤美穂さん(仮名・45)
「この親指のところにビール瓶の破片が刺さっていても何かあるなというくらいで、見たら血が、だーと出て、ああというときもあって。」
昭和45年に生まれた佐藤さんが水俣病と認定されるには、厳しい壁があります。
去年、示された国の通知にはあるただし書きが添えられていたからです。
「阿賀野川流域では昭和41年以降水俣病が発生する可能性のあるレベルの水銀汚染はなくなった」という趣旨の指針が書かれていたのです。
阿賀野川沿いの、多くの患者を出した集落で生まれ育った佐藤さん。
漁師の親戚からもらう魚を食べて育ちました。
当時、自治体は行政指導で魚を食べることを抑制していましたが、集落にその指導は十分に行き渡っていなかったといいます。
さらに、佐藤さんの母親の晴子さん(仮名)も、長年水俣病の症状を抱えてきました。
水俣病患者を長年見てきた佐藤さんの主治医は、母体を通じて水銀の影響を受けた可能性もあると指摘しています。

母 晴子さん(仮名)
「私にすれば、母乳飲ませて、(魚で)離乳食たべさせたからなったのかなと。
負い目がありますよ、悪かったかなっていう。」
新潟の新たな認定審査では、家族の症状も親戚に至るまで詳しく調査されます。
佐藤さんは壁を越えられるのではないかと、いちるの期待を寄せています。

佐藤美穂さん(仮名・45)
「期待はありますね。現に(魚を)食べてるから、食べて今回こういうことになってるから。
だから何年までとか言わないで、とにかく調べるだけ調べて、年齢言わないで調べてほしい。」

◇ 水俣病 見過ごされた“被害”
発生から半世紀以上たっても被害を訴える人が後を絶たない水俣病。
埋もれた被害がまだあるのではないかと指摘する研究者もいます。
岡山大学の頼藤貴志准教授です。
頼藤さんは、母親の胎内で水銀の被害を受けた胎児性水俣病の研究をしています。
水俣病の確認後、しばらくたってから明らかになった胎児性の被害。
成人と比べ、重症化するケースも少なくありませんでした。
頼藤さんが注目するのが、胎児期に比較的低い濃度の汚染を受けた人々の実態です。
高濃度汚染の基準とされる、へその緒の水銀値1ppm。
それを下回る人を中心に調査を行いました。
これまで水俣病の症状としてはあまり顧みられてこなかった、認知機能について調べることにしたのです。
その結果、多くの項目で、一般の人に比べ認知機能が2割ほど低下していることが明らかになりました。
胎児期に水銀の影響を受けることで、脳の機能が広範囲に傷ついたことが原因だと頼藤さんは考えています。

岡山大学 頼藤貴志准教授
「中低濃度の汚染を受けてきた人、生まれつきもしかしたらこれが自分の普通なのかなと思って生きてこられる人がいるんじゃないかと思うんです。
それは外見上わからないですし、そういう人は見過ごされてきたんじゃないかと思います。」

熊本県水俣市の緒方博文さんです。
82歳の母親も、水俣病の症状に苦しんでいます。
緒方さんはいつも欠かさずノートを持ち歩いています。
幼い頃から物を記憶することが苦手だったため、聞き取ったことをすぐ書き留めないと混乱してしまうからです。

緒方博文さん
「パーと書きますね、そんとき。そうせんと忘れるから。覚えとっても、あれどやったかねって自信なくなるから、必ずそれは書きます。」

手足のしびれや頭痛などの症状を抱え、10年前認定申請をした緒方さん。
しかし、これまで自分の認知機能と水俣病の症状を結び付けて考えたことはありませんでした。
緒方さんは、水俣病の新たな知見が見つかれば、補償や対策にそれを取り入れてほしいと考えています。

緒方博文さん
「本気で救済する気があったら、とことん水俣病を検査して調査して、どんな実態か明らかにするのが当たり前だと思う。
最新の医学的、科学的データに基づいて、患者さんをできるだけ救済するという方向に持っていかんと、これはいつまでも解決しない。」

◇ 水俣病 見過ごされたデータ
さらに、新潟水俣病に関してあるデータが埋もれていたことも近年の研究で分かってきました。
毛髪に含まれる水銀の値を示すデータです。
WHOはこの毛髪水銀値に関して、50ppmを成人で神経症状の出現が疑われる最小値としています。
新潟青陵大学の丸山公男教授は、新潟水俣病発生当初に神経症状を発した103人の毛髪水銀値を改めて調査しました。
すると、半数近くの人が50ppmに満たない値で発症していたことが明らかになったのです。
丸山教授は、被害を埋もれさせないためにも基準を見直すべきだと指摘します。

新潟青陵大学 丸山公男教授
「一番新しい知見に基づいて、科学的な根拠に基づいた基準を考えていくべきだろうと思います。」

◇ “病の姿”が見えない 新潟水俣病の50年

ゲスト尾崎寛直さん(東京経済大学准教授)

●新潟は独自の方法で臨もうとしているが、救済はこれで広がるか?
今回の新通知を受けて、より疫学的な資料を重視しようという流れの中で、参考人制度が入ったと。
今までの認定審査会自体が、行政が指定した医師によって構成されて、どういう審査が行われたのかということが非公開で、ある意味でブラックボックスだったわけですね。
そこに患者さんのことをよく知ってる、水俣病などのこともよく知っている弁護士や医者が入るということは、今までのそうした不透明な問題を1つ変える第一歩にはなるだろうとは思っています。

●なぜ50年たっても声を上げることができなかった人々がいるのか?
1つはやはり、今までの認定制度のハードルが高すぎたっていう部分があると思います。
認定されればいいけれども、もし却下されたら偽患者だという差別を恐れると。
そういうこと自体が患者さんの被害を訴える気持ちをなえさせて、ちゅうちょさせる、そういう側面はあったと思います。
(なぜ、そのハードルをかなり高く設定した?)
典型的なのは、昭和52年の判断基準なわけですけれども、やはり国としては、いつまでも被害者が出続けると、加害企業の財源が破綻するんじゃないかという心配があったんだろうと思います。
ですから、あるところで、その財源を前提に線引きをすると。
そのために認定基準を作って患者さんを振り分けると、そういうようなことを考えたんじゃないかというふうに思います。
(被害者の視点に立っていないアプローチだと思うが、今では加害企業の懐具合という視点では考えないのでは?)
そうですね。
加害企業の財源によって、救済される人とされない人が出てしまうというのは、これはあってはいけないことだと思います。
今の拡大生産者責任だとか、そういう流れの中では、やはり単純に直接の加害企業だけではなくて、その材料を使って製品を作った企業であるとか、それに融資をした金融機関であるとか、さまざまな関係主体というものが実際にはあるわけですから、そこまで幅広く網をかけて補償の責任を負ってもらうということは、あってもいいんじゃないかなというふうに思います。

●胎児期に低濃度の水銀に汚染された影響、どの程度分かっている?
やはり、今のVTRにもありましたように、長期微量汚染の健康影響ということは、実際にはまだ解明されてないところがたくさんあると思います。
やはり今までの水俣病ということ自体が、重度の方々を基準に考えられ、認定制度が作られてきたということがありますので、本当のところは、そうした長期微量汚染の影響はどこまであるのかというのは、もっとやはり最新の知見を取り入れて、被害者の実態を直視して考えなきゃいけないことだと思います。

●昭和41年という線引きも1つの基準として出ているようだが?
実際には、その昭和41年以降も決して汚染が終わったわけではなくて、濃度が低くはなっていくんですけれども、決してなくなったわけじゃないと。
そういう意味では、暴露も高濃度ではないけれども、中程度、軽度の暴露を受けてる方々が次々出ているのは事実ですから、そういう方々の実態に合わせた水俣病の考え方というものを、ちゃんと作っていかないといけないと思います。

●水俣病の50年とは?
もしひと言で言うならば、何が水俣病なのかということを巡って、その水俣病の病像を巡って争いが続いた50年だったと言っていいと思います。
そしてその何が水俣病なのかということを国が握ってきたわけですから、結局、実際に健康調査だとか、健康診断を地域全体に行ってないわけですから、どのくらいその広がりがあるのか、そして症状のバラエティーがどんな形であるのかということは、やはり正確に解明されていないと言っていいと思います。

●救済を急ぐ方策はある?
そうですね。
実際には認定制度で認定を勝ち取るまでに、10年、20年かかってる方がおられます。
やはりそこまでの時間と労力ということは、今の高齢の患者さんには非常に負担だと思います。
そういう意味ではもっと、ある程度の客観的な資料を前提に、迅速に救済を受けられるような仕組みを作っていくということも考えられていいと思います。
(誰が、どうやってスピーディーに認定する?)
そうですね、やはり今まで認定を行っていた判断権者が国だったわけですけれども、結局今までは、その加害者性を認定された国が続けるということで来たわけですが、それはもう今後はできないんじゃないかと、もっとそういうものを、例えば裁判所だとかですね、第三者に委ねる形で、客観的に公平に審査をしていくような仕組みを作らなきゃいけないと思います。

●水俣という名前は世界に広がっている 今、何をすべき?
やはり日本語名が付いた、人類初めての病ですから、これは日本人自身が解決をしなきゃいけない問題ですし、国もそういう方向で研究を進めていく責務があると思います。
(被害者へのきめ細かな救済というのも改めて問われる?)
そうですね、介護や医療以外のサポートもしていかなきゃいけないと思います。

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褥瘡対策のポイントは「Zn」

2018年02月15日 06時42分13秒 | 医療問題
 皮膚疾患に使用する外用剤にはZn(亜鉛)を含んだものが多く存在します。

・亜鉛華軟膏:サトウザルベ®、ボチシート®
・フェノール・亜鉛華リニメント:カチリ®
・酸化亜鉛:カラミンローション®
 
 それから、亜鉛欠乏は「腸性肢端皮膚炎」という皮膚が荒れる病気を引き起こします。

□ 「亜鉛欠乏によって生じる開口部・四肢末端の皮膚炎」川村龍吉 山梨大学医学部皮膚科学講座(山梨医科学誌 30(1),15 ~ 19,2015

 ということで、皮膚症状には亜鉛が深く関わっているのです。
 さて、介護の現場で悩まされる「褥瘡」。
 “褥瘡にも亜鉛欠乏が関わっていた”という記事を紹介します。

 皮膚の局所療法だけより、効果が高い!

 一方、後半の「コラーゲンペプチド」は怪しいと感じます。
 タンパク質はアミノ酸として吸収されるので、それが人体内で再度もとのコラーゲンに構成されることは期待できません。おそらく、タンパク質摂取+付属の亜鉛による副次的効果ではないかと思われます。

褥瘡治癒の決め手は「亜鉛」にあった
2018/2/15 日経メディカル
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糖尿病治療の現況2018

2018年02月12日 09時58分18秒 | 医療問題
 小児のI型糖尿病患者さんを勤務医時代に数人担当したことがあります。
 インスリン注射が必要なタイプ。

 一方、成人では経口血糖降下剤が中心の2型糖尿病が多勢です。
 食事療法は「カロリー制限&バランス食」から「糖質制限食」へ緩やかに移行しつつあります。
 薬物治療はどうなっているのでしょう。
 新規経口糖尿病薬の名前を最近よく聞くようになりました。
 概説した記事を読んでみました;


■ 2017年に飛躍的発展遂げた糖尿病治療-米専門家の見解は?
HealthDay News:2018/01/22:ケアネット
 2017年は糖尿病の研究と治療が飛躍的発展を遂げた一年であった。特に進歩がみられた分野には、

(1)人工膵臓技術
(2)糖尿病治療薬による心血管疾患リスクの低減
(3)持続血糖測定(CGM)の進歩
(4)1型糖尿病の妊婦における血糖コントロールの改善
(5)超速効型インスリンの承認
(6)医療コストへの関心の高まり


-の6つが挙げられる。これらの進歩の意義について、米国の専門家に見解を聞いた。
 2017年に最も注目を集めたのは「人工膵臓の実用化」であろう。メドトロニック社による携帯型の人工膵臓デバイスには、インスリンポンプとCGMが装備され、コンピューターのアルゴリズムによってモニターした血糖値に応じてインスリン投与量を自動的に調整し、インスリン注入を行う。血糖値が下がり過ぎるとインスリンの注入を一時的に中断する機能も備えている。
 操作はまだ完全に自動化されておらず、デバイスを装着した患者は食事中に含まれる炭水化物の摂取量や1日数回測定した血糖値を入力する必要があるが、若年性糖尿病研究財団(JDRF)のAaron Kowalski氏は「人工膵臓デバイスの実用化はわれわれの悲願であった。その機能は完璧ではないとしても、患者に大きな利益をもたらすものだ」と高く評価している。現在では、数十社が独自の人工膵臓システムの開発に着手しており、同氏は「競争でより革新的なデバイスが生まれる可能性がある。今後数年間の成果に期待したい」と話している。
 また、2017年には糖尿病患者で懸念される心血管疾患リスクについても新しい研究結果が発表された。約400人の成人1型糖尿病患者を対象としたプラセボ対照二重盲検のランダム化比較試験(REMOVAL試験)の結果、メトホルミンの長期投与は1型糖尿病患者の心血管疾患リスクを低減することが第77回米国糖尿病学会(ADA)で発表された。ADAのChief Scientific & medical officerを務めるWilliam Cefalu氏は「心血管疾患は糖尿病合併症の中でも死に至るリスクが高く、治療コストもかかる。既にSGLT-2阻害薬やGLP-1受容体作動薬については2型糖尿病患者の心血管疾患リスクを低減したとの報告がある」と述べている。
 糖尿病治療の技術革新は人工膵臓にとどまらず、米食品医薬品局(FDA)がアボット社のフラッシュグルコースモニタリングシステム「FreeStyle Libre」を承認したことも注目を集めた。このシステムでは皮膚の下に小さなセンサーワイヤーを挿入して血糖値を測定するが、患者は装置をセンサーにかざすと測定した血糖値の情報を読み取ることができる。また、このシステムでは採血のための指先の穿刺を必要としない。Kowalski氏は「CGMから常に送られる血糖測定値に精神的な負担を感じる患者もいる。FreeStyle Libreはこうした負担を軽減するほか、他のCGMよりデバイスが薄く、価格も安いといったメリットもある」と説明している。
 また、CGMに関しては、1型糖尿病の妊婦を対象とした非盲検の国際的なランダム化比較試験(CONCEPTT試験)により、CGMを使用することで非使用よりも血糖目標を達成する期間が延長し、新生児アウトカムも改善することが報告されている(Lancet 2017; 390: 2347-2359)。
 その他、2017年9月にFDAが承認した新しい超速効型インスリンアスパルト製剤(Fiasp®)にも期待が寄せられている。従来の超速効型インスリン製剤は吸収速度が遅く、血中に移行するまで約5~10分を要するため、食事の約10分前にインスリンを注射する必要があった。しかし、この新しい製剤は約2.5分で血中に移行し始めるため、食事開始後20分までに注射をすれば食後血糖値の上昇を抑えられる。
 さらに、インスリンに関しては過去10年間で急上昇したコストが課題とされている。ADAは“Make Insulin Affordable(インスリンを手ごろな価格に)”と題したキャンペーンを開始しており、この問題への関心を高める活動を行っている。
 Cefalu氏は「2017年の研究の進展で糖尿病とその合併症への理解が深まったほか、糖尿病患者が直面している経済的課題や治療へのアクセスといった面への配慮もなされるようになった」と話している。



 なるほど、なるほど。
 次は山田悟先生の解説・概説をメディカル・トリビューンの記事から。


■ 大きく変わった糖尿病薬物療法アルゴリズム 〜ADA2018年版勧告
2017年12月22日:メディカル・トリビューン
 米国糖尿病学会(ADA)は、毎年1月にStandards of Medical Care in Diabetesという勧告集を機関誌であるDiabetes Careの付録(supplementation)として発表している(2014年以前はclinical practice recommendationという名前であった)。このたび、2018年版の勧告が発表され、2型糖尿病患者の薬物療法のアルゴリズムが大きく変更されたのでご紹介したい(Diabetes Care 2018;41:S73-S85)。

◇ 勧告のポイント1(1型糖尿病):2017年版と変わらず
 最初に記載されているのは1型糖尿病患者の薬物療法であり、この部分の勧告は2017年版と全く変わっていない。

・1型糖尿病患者のほとんどは追加インスリンと基礎インスリンから成るインスリン頻回注射療法か、持続皮下インスリン注入(CSII)で治療すべきである。
・低血糖リスクを下げるため、1型糖尿病患者のほとんどは超速効型インスリンアナログを使用すべきである。
・1型糖尿病患者には、糖質摂取、食前血糖値、予想される身体活動量の三者に対してインスリン注射量を適合するという応用カーボカウント指導の教育を考慮する。
・CSIIを上手に使っていた1型糖尿病患者は65歳を超えてもCSII治療の機会が与えられるべきである。

◇ 勧告のポイント2(2型糖尿病):第二選択薬を横並びにせず
 ここが今回、変更されたところである。

・メトホルミンは、禁忌でなく、忍容性がある限りにおいて、2型糖尿病薬物療法の望ましい開始治療薬である。
・メトホルミンの長期使用はビタミンB(VB)12欠乏と関連するかもしれず、定期的な血中VB12測定を検討すべきである。特に、貧血や末梢神経障害のある患者ではそうすべきである。
・新規に診断された2型糖尿病患者のうち、症候性であったり、HbA1c10%以上であったり、随時血糖値が300mg/dL以上の患者には、開始治療薬としてインスリン療法を考慮すべきである。
・HbA1c 9%以上の新規診断2型糖尿病患者には、2剤併用での経口治療薬の開始を考慮すべきである
・動脈硬化性心血管疾患の既往のない患者で、3か月間目標HbA1cが達成できない場合、薬剤特異的な要素と患者ごとの要素を加味して追加薬剤を選択する。
・薬物療法の選択においては患者中心アプローチを用いるべきである。すなわち、有効性、低血糖リスク、動脈硬化性心血管疾患の既往、体重への影響、潜在的な副作用、腎臓への効果、投与法、費用、患者の嗜好を踏まえて考慮する。
・動脈硬化性心血管疾患の既往のある2型糖尿病患者では、生活習慣管理、メトホルミンで開始し、続いて、薬剤特異的な要素と患者ごとの要素に基づいた考慮の上で、主要有害心血管イベント(MACE)や心血管死への有効性を証明している薬物(現時点ではエンパグリフロジンとリラグルチド)を追加する。
・動脈硬化性心血管疾患の既往のある2型糖尿病患者では、生活習慣管理、メトホルミンの後で、薬剤特異的な要素と患者ごとの要素に基づきつつ、MACEを減らすためにカナグリフロジンの追加を考慮してもよい。
・継続した薬物レジメンの再評価や患者要素とレジメンの複雑さを考慮した調整を推奨する。
・血糖目標を達成できない2型糖尿病患者に対する治療強化は遅らせるべきでなく、それにはインスリン療法の考慮も含まれる。
・メトホルミンは、禁忌でなく、忍容性がある限りにおいて、他の治療薬との併用において継続されるべきである。

 2017年版勧告(Diabetes Care 2017;40:S64-S74)でも「長期にわたって血糖管理が十分でなく、動脈硬化性心血管疾患の既往のある2型糖尿病患者では心血管死や総死亡を減少させることを示したエンパグリフロジンとリラグルチドが考慮されるべきである」との記載はあったが、2018年版では「長期にわたって血糖管理が十分でなく」といった条件がなくなった。何よりも大きく変更されたのが「一般的な薬物療法勧告の図」と「糖尿病治療薬の一覧表」である。
 2017年版までの勧告では、2012年のADA・欧州糖尿病学会(EASD)の合同アルゴリズム(Diabetes Care 2012;35:1364-1379)を踏襲し、開始薬としてメトホルミンを挙げ、第二選択薬としてさまざまな薬剤(SU薬, チアゾリジン薬, DPP-4阻害薬, SGLT2阻害薬, GLP-1受容体作動薬, 基礎インスリン)を横一線に挙げていた(図1)。

図1. 2017年版勧告における薬物療法アルゴリズム



(Diabetes Care 2017;40:S64-S74)

 このタイプの図を目にしたことのある先生も多いであろう。それが今回は、第二選択薬を横並びにはせず、まずは患者を心血管疾患の有無で分けることを求めたのである(図2)。

図2. 2018年版勧告における薬物療法アルゴリズム



 その上で、心血管疾患の既往のある患者に対しては心血管疾患保護の科学的根拠のある治療薬を推奨するというスタンスを取り、そのために薬物一覧表の記載を大きく変更した。

 2017年版までは表の1行目(項目名)は、

① クラス(例;ビグアナイド)
② 薬剤名(例;メトホルミン)
③ 基礎的作用機序(例;AMPキナーゼ活性化)
④ 臨床的作用機序(例;肝糖産生低下)
⑤ 有益性(例;豊富な使用経験、低血糖がまれ、心血管イベント抑制、比較的HbA1c低下作用が強い)
⑥ 不利益〔例;消化器症状、VB12欠乏、推算糸球体濾過量(eGFR)

―の7項目であった。
 これに対し2018年版では、

① クラス(例;ビグアナイド)
② 薬剤名(例;メトホルミン)
③ 基礎的作用機序(例;AMPキナーゼ活性化)
④ 臨床的作用機序(例;肝糖産生低下)
⑤ 腎機能に対する用量調整の勧告

―というほぼ従来通りの表に加えて、

① クラス
② 血糖低下効果
③ 低血糖の発生頻度
④ 体重変化
⑤ 心血管イベント(動脈硬化症・心不全)
⑥ 費用
⑦ 経口/皮下注射
⑧ 腎臓(糖尿病性腎臓病の進行・腎不全時用量調整)
⑨追記

―の9項目(⑤と⑧を分けると11項目)が並んだ薬剤特異的要素の表が新設された(表)。

表. 治療薬選択において考慮すべき薬剤特異的および患者側の要素



(図2、表ともDiabetes Care 2018;41:S73-S85)

◇ 私の考察:薬剤の序列付けが進むか
 元来、脂質異常症の治療の中では、心血管疾患の一次(初発)予防と二次(再発)予防とを分けて考えるという概念が一般的であった。今回のADAの勧告では、糖尿病の薬物療法においても、心血管疾患の初発予防と再発予防を分けて考えるという概念が明確に示された。心血管疾患は脂質異常症だけでなく、糖尿病の合併症としても重要なものであり、こうした概念が定着していく可能性は高い。
 また、今回動脈硬化性心血管疾患に対して有益あるいは潜在的に有益とされた薬剤の一部(カナグリフロジン、エンパグリフロジン、リラグルチド)は、糖尿病性腎臓病の進行予防に対しても有益であったと表に示されている。そうした点も第二選択薬を横並びにできない理由になろう。
 わが国のガイドラインでは糖尿病治療薬は経口か皮下注射かで大別され、経口薬に関しては作用機序で患者ごとに適応を考えることになっている。しかし、臓器保護効果についての科学的根拠は考慮されていない。
 また、実臨床の現場では、例えばインスリン分泌が低下している患者への処方として、インスリン分泌促進系薬剤を考えたとしても、同じインスリン分泌促進系薬剤の中での(SU薬かグリニド薬かDPP-4阻害薬かの)選択が求められる。作用機序だけでは患者ごとの適応を考えることは不可能といえる。そうした意味では、わが国の実臨床の現場でも、今回のADAの勧告のような、あるいは米国臨床内分泌学会/米国内分泌医会(AACE/ACE)の勧告(Endocr Pract 2016, 22, 84-113)のような、薬剤を序列付したものの方が使い勝手が良いのではないかと感じる(上記文献の107ページ参照)。
 AACE/ACEの勧告では、単独療法の場合には、メトホルミン、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬...という序列付けが2016年の段階でなされている。今回のADAの勧告の改訂は、これを追認したような印象である。これらはいずれも海外の指針ではあるが、今後のわが国における糖尿病治療薬の処方動向も、今回の勧告の改訂によりなんらかの影響を受けていく可能性があるように感じる。


 経口血糖降下剤がたくさん開発・発売され、メカニズムや作用、特徴を考慮して選択する時代になってきたのですね。
 日本のガイドラインはその視点ではまだ不十分なようです。
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その症状は病気なのか、違うのか?

2018年02月10日 22時37分38秒 | 医療問題
 興味深い記事が目にとまりました。
 「身体化障害」「転換性障害」は、「ストレスに対する反応」「他人にアピールする目的」などである程度理解可能ですが、「虚偽性障害」はもっと深い心の闇の存在を伺わせます。
 私個人としては、やはり「愛が足りない、愛が欲しい」症候群ではないかと感じています。

■ 「身体化障害と転換性障害と虚偽性障害と詐病の違いは?」より
2017/11/6:日経メディカル
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労働基準法を遵守すると、約7割の産婦人科が破綻

2018年02月10日 07時30分18秒 | 医療問題
 日本の医療は医師のボランティア精神に頼ることで維持されてきました。
 しかし医師を“労働者”として考えると、現状のエンドレス労働は労働基準法に明らかに違反しています。

 人並み以上の体力がなければ、40歳以降病院勤務医を続けることは困難です。
 私も身体を壊してドロップアウトした一人であり、開業することにより夜の勤務(眠れない当直)から解放されました。

 しかし開業医となった現在も、診療レベルを維持するために日々医学知識のアップデートが欠かせません。
 仕事の準備(医学関連の情報収集)に費やす時間は、毎日数時間。
 これを労働時間に含むと判断すると、私は一生涯“過重労働”から逃れられないことになります。

 産婦人科の現状を報告する記事を紹介します。
 労働基準法を遵守すると、約7割の産婦人科施設でマンパワー不足となり運営不能となる、という当たり前すぎる内容です。
 現場の医師から見ると「何を今更・・・」という感が無きにしも非ずですが、果たして厚労省がこれをどう解決していくのか、見物ではあります;

■ 労基法の遵守で約7割の施設が運営不能に 〜勤務シミュレーションに基づく試算
2018年02月06日:メディカル・トリビューン
 日本産婦人科医会常務理事で日本医科大学教授の中井章人氏は、政府が進める働き方改革の一環として、医療機関における労働基準法(以下、労基法)を遵守することによって産婦人科勤務医の労働環境の改善が期待されると歓迎。その一方、現状のまま遵守すれば勤務医を抱える多くの施設で大幅な医師不足となり、68%の施設が運営できなくなる事態を招くとする勤務シミュレーションの結果を、日本産科婦人科学会が1月21日に東京都で開いた「拡大医療改革委員会」兼「産婦人科医療改革公開フォーラム」で指摘した。

◇ 施設の二極化が進行中
 中井氏は冒頭、同医会が昨年(2017年)実施した施設情報調査における周産期医療の実態を紹介した。分娩取り扱い施設数および産科医師数の推移を見ると、いずれも一般病院と診療所で減少の一途をたどる一方、総合周産期母子医療センターおよび地域周産期母子医療センターでは増加していた。また、施設ごとの分娩数については一般病院で減少し、診療所ではわずかに減少。それに対し、両周産期センターでは増加傾向にあり、診療所と周産期センターの二極化が進んでいる。

◇ 宿直1.4回分、74時間が超過勤務
 このような産科医療を取り巻く実態に関連し、これまで同学会および同医会は産婦人科勤務医の勤務条件の改善や医療再生などを提言してきた。
 医師の宿日直勤務と労基法に関する厚生労働省労働基準局の通知(2005年)では、宿直は週1回(日直は月1回)を限度とし、病院の定時巡回などの軽度または短時間の業務に限るとしている。さらに、応急患者の診療または入院、患者の死亡、出産などといった昼間と同様の労働が常態化したものは許可していない。
 しかし、同医会勤務医部会が行ったアンケート(2017年、暫定値)では、産婦人科医の平均宿直回数は1カ月の上限を上回る5.7回であることが分かった。
 さらに1カ月の平均在院時間は295時間(休憩時間22時間含まず)と、労基法で定める176時間を上回り、宿直1.4回分、74時間が超過勤務となった。

◇ 遵守するなら16人必要
 そこで中井氏は、労基法で定める宿日直の条件に基づき、分娩取り扱い施設で必要な勤務医数を試算した。
 その結果、毎日1人で宿日直を担当する施設(1カ月当たりの宿直必要回数30~31回、日直必要回数8~10回)では、産科医8人の確保が求められた。総合周産期センターで毎日最低2人が宿日直を行う場合は16人が、非常勤医による宿日直と常勤医の自宅待機を行う一般病院では4人がそれぞれ必要であることが分かった。
 ただし医師数には育児中の女性医師がを含まれており、教育・研修の時間や有給休暇、宿日直が1人体制の施設における緊急時の自宅待機者の呼び出しは除外されている。
 同氏は国が定める基準を満たすには交替制勤務もありうるとし、1日3交代・各2人体制の勤務表を組んでみたところ、人数が足りず1カ月当たり4日間外来診療に医師を割り当てることができないことが想定された。そのため1日3交代制を導入し、労基法内の勤務時間とすると、外来、手術担当、病棟担当も含めて16人(有給休暇は含まず)の産科医が必要であるとした。

◇ 全国規模で医師数が多い施設から移動しても改善せず
 実際に交代勤務が可能な分娩取り扱い施設はわずか7%である(前出アンケート)。前述の産科医16人以上を確保できている施設は、総合周産期医療センター107施設中41施設(38%)にすぎず、16人未満の66施設は計432人を追加確保する必要があった。また地域周産期医療センターについては、700件以上の分娩を取り扱う71施設のうち、16人以上確保できている施設は9施設にとどまった。分娩700件未満の227施設中では16人以上が12施設で、16人未満であった215施設については分娩数を考慮し、8人での宿日直体制に縮小した試算でも、その人数に満たない施設数は163に上った。
 今回の試算から、両周産期医療センターで交代勤務を導入するには、追加で1,545人の医師を確保する必要があることが示された。改善策として、非常勤医を含めると不足数は約1,300人と若干改善されたが、全国規模で医師数の多い施設から少ない施設へ移動したとしても総合周産期医療センターで約150人、地域周産期医療センターで約800人が不足。そのため、全体で68%の施設が運営できなくなると試算された。
 中井氏は「労基法の遵守は、勤務医の労働環境の改善に役立つことが期待できる」とした。その一方で、今回の試算結果を踏まえ、多くの勤務医を抱える周産期母子医療センターでは大幅な医師不足に陥ること、医師数を急激に増やすのは人員的・経済的に困難であることなどの問題点を指摘。「日本産婦人科医会として、宿直業務の捉え方や時間外労働の上限などの課題解決に取り組むと同時に、経済的な側面からも検討を進めていきたい」との見解を示した。
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安全なレベルの喫煙は存在しない。

2018年02月07日 06時54分58秒 | 医療問題
 喫煙の害は、本人にとどまらない社会悪です。
 「これくらいは・・・」という考え方も甘い、健康被害が否定できないという報告を紹介します。

 結論:「1日1本のみの喫煙でも、冠動脈疾患や脳卒中のリスクが予想以上に高い(1日20本喫煙による増加リスクの約半分)。心血管疾患に関して安全なレベルの喫煙は存在しないので、喫煙者はこれらの疾患のリスクを有意に減らすためには喫煙本数を減らすのではなくて、喫煙を止めるべきである」
 「電子タバコも安全とは言えない」

※ 下線は私が引きました。

■ 安全なレベルの喫煙は存在しない
2018年02月05日:メディカル・トリビューン
◇ 研究の背景:喫煙本数による冠動脈疾患・脳卒中リスクの定量化
 全世界で約10億人の成人が喫煙している。英国では喫煙者の26%が禁煙ではなくて喫煙量を減らしたいと希望し、2013年と2014年に喫煙者の40〜41%が以前より喫煙量を減らしたという報告がなされた。2009~14年に全喫煙者に占める1日にたばこを1〜5本しか喫煙しない人の割合が18.2%から23.6%に増加した。米国でも2005~15年に全喫煙者に占める1日の喫煙量が10本未満の人の割合が16%から27%に増加した(BMJ 2018; 360: j5855)。
 一般的にニコチンやタール含有量の少ないたばこ(軽いたばこ)では、喫煙本数が少なければ比較的安全であると信じられているが、実際は間違っている。米国の成人2万4,658人の10%が「軽いたばこは有害ではない」と答え、軽いたばこの喫煙者のうち「喫煙習慣が多くの害に関連している」と考えていたのはわずか35%であった。
 わが国でも「喫煙量を減らした量に比例して害が減る」と考える喫煙者が多く、「喫煙本数を減らす」、「軽いたばこに変更する」、最近では「加熱式たばこに変更する」ことで喫煙による害を減らそうとするケースがよく見受けられる。実際、肺がんでは喫煙本数を1日20本から1本に減らすことでリスクは5%に減少する(Environ Health Perspect 2011; 119: 1616-1621)と報告されている(それでもかなりリスクが高い)。しかし、これまでの研究で、喫煙本数と心血管疾患の関係は非線形であり、喫煙本数を減らしても減らした量に比例してリスクは減らないことが示されている(前掲論文、BMJ 2004; 328: 980-983、Prog Cardiovasc Dis 2003; 46: 31-38)。
 今回取り上げた論文では、1日1〜5本の少ない喫煙本数における冠動脈疾患と脳卒中のリスクを定量化するために喫煙量と心血管疾患の関連を検討した(BMJ 2018; 360; j5855)。

◇ 研究のポイント:1日1本のみの喫煙でも、冠動脈疾患や脳卒中のリスクが予想以上に高い
 1946〜2015年5月にMedlineに登録されたイベント数が50以上のコホート研究を検索し、141件のコホート研究を含む55報についてシステマチックレビューとメタ解析を行った。
 その結果、喫煙未経験者に対する冠動脈疾患の相対リスク(RR)は、男性では1日1本で1.48倍、1日20本で2.04倍〔交絡因子調整後のRR(aRR)1.74倍、 2.27倍〕。女性では1日1本で1.57倍、1日20本で2.84倍(同2.19倍、 3.95倍)であった。1日20本の喫煙によって増加するリスクに対する1日1本の喫煙によって増加するリスクの割合(過剰相対リスク)は、男性で46%(調整後過剰相対リスク53%)、女性で31%(同38%)であった(図1)。

図1. 少量の喫煙(1日1本・5本)による冠動脈疾患および脳卒中リスクの増加( 141件のコホート研究を対象としたメタ解析)

(BMJ 2018; 360; j3984)

 喫煙未経験者に対する脳卒中のRRは、男性では1日1本で1.25倍、1日20本で1.64倍(aRR 1.30倍、1.56倍)、女性ではそれぞれ1.31倍、2.16倍(同1.46倍、2.42倍)であった。1日20本の喫煙によって増加するリスクに対する1日1本の喫煙によって増加するリスクの割合(過剰相対リスク)は、男性で41%(調整後過剰相対リスク64%)、女性で34%(同36%)であった(図1)。
 結論として、1日1本のみの喫煙でも、冠動脈疾患や脳卒中のリスクが予想以上に高い(1日20本喫煙による増加リスクの約半分)という結果となった。心血管疾患に関して安全なレベルの喫煙は存在しないので、喫煙者はこれらの疾患のリスクを有意に減らすためには喫煙本数を減らすのではなくて、喫煙を止めるべきである

◇ 私の考察:健康のためには禁煙は必須

1.1日1箱(20本)の喫煙に比べて1日1本の喫煙では脳卒中リスクは半減するのみ

 前述の通り、肺がんでは喫煙量を減らした比率に応じてリスクが減る(喫煙量を1日20本から1本にすればリスクは5%に減少)ことが報告されている(図2)。同様に心血管疾患でも、喫煙量を1日20本から1本に減らすと心臓発作や脳卒中リスクが5%(20分の1)に減ると考えがちだが、今回のメタ解析では1日1本では20本に比べてリスクの増加が半減するだけであることが示された。

図2. 喫煙によるPM2.5曝露量および喫煙本数と肺がん死亡率、虚血性心疾患・ 心血管疾患・心肺死亡率の相対リスク

(Environ Health Perspect 2011; 119: 1616-1621)

 また過去には、たばこ煙曝露量と虚血性心疾患の用量反応関係は線形ではないと報告されており(図2、3)、今回、冠動脈疾患とともに脳卒中でも同様の結果が示された。

図3. たばこ煙曝露と虚血性心疾患の用量反応関係

(Prog Cardiovasc Dis 2003; 46: 31-38、BMJ 2004; 328: 980-983、)

 多くの喫煙者は、軽いたばこに変更する、喫煙本数を減らすことでたばこの害を減らせると信じているようだが、禁煙を推奨する心血管疾患領域の専門家の間では軽いたばこへの変更や喫煙本数の減少は、喫煙者が期待しているほどのリスク軽減にならないと考えられてきたことが、さらに確実になった。1日1本のたばこでも冠動脈疾患と脳卒中の発症リスクが非常に高くなることを喫煙者に理解してもらう必要がある。

2.加熱式たばこのharm reductionは証明されていない
 喫煙量をわずかに減らしても有意義な健康上の利益はもたらされず、一方でたばこと電子たばこ(わが国ではニコチン入りの電子たばこは発売されていない)あるいは加熱式たばこの二重使用は心血管リスクを上昇させる。「harm reduction」というキーワードを使って加熱式たばこの販売を促進すべきではない。さらに"電子たばこは禁煙率を低下させる"と主張し、"より安全である"と銘打ったたばこ製品(加熱式たばこやニコチン入りの電子たばこ)のマーケティング手法は、若い世代をニコチン依存症に導いてしまう可能性が高い。
 安全な喫煙レベルというものは存在せず、リスク低減商品と銘打った加熱式たばこに変更すれば長期的な冠動脈疾患や脳卒中の健康被害のリスクがほとんどなくなる、または完全になくなると勘違いすべきではない。
 わが国ではニコチン入りの電子たばこの発売は認可されていないため、加熱式たばこが相次いで発売されている。すなわち、わが国は加熱式たばこの実験場となっていると考えられる。米国では米食品医薬品局(FDA)が加熱式たばこを認可しておらず、FDA科学諮問委員会は、IQOSが紙巻たばこ喫煙より害が少ないというフィリップモリスの主張を5対4で否定した

3.禁煙のポイント
 正しい禁煙法と禁煙でやってはいけないことを以下に示す。

<正しい禁煙方法>

① 期日を決めて一気に禁煙を実行する。完全に禁煙する
② ある程度の禁断症状(ニコチン離脱症状)を覚悟する
③ 吸いやすい「行動」をやめる
④ 吸いやすい「環境」をつくらない
⑤ 吸いたくなったら「代わりの行動」を取る
⑥ 自力でできない場合は禁煙補助薬を使用(禁煙外来)

<禁煙でやってはいけないこと>

① だんだんと減らそうとすること
② 軽いたばこに変えること
③ 加熱式たばこ・電子たばこに変えること
④ 「1本くらいなら」と甘く見ること

 能動喫煙も受動喫煙も安全なレベルは存在しないことが証明されているので、健康のためには禁煙は必須である。受動喫煙も軽い喫煙の別の形態であることも考えて受動喫煙防止法を早期に成立させる必要がある。


 もう一つ、タバコ関連の記事を。
 タバコによるがんのリスクを非喫煙者と同等まで下げるためには「男性で21年以上、女性で11年以上禁煙」という報告。

■ 日本の喫煙者のがんリスク、禁煙何年で喫煙歴ゼロと同じに?
2017/11/14:ケアネット
 日本人のがん罹患リスクは、男性で21年以上、女性で11年以上禁煙すれば、喫煙歴のない人と同レベルまで低下することが、東京大学の齋藤 英子氏らによる研究で明らかになった。男性では、20 pack-year※以上のヘビースモーカーにおいても同様の結果であるという。早いうちに禁煙することが、がん予防への近道であると考えられる。Cancer epidemiology誌オンライン版2017年11月2日号の報告。
 東アジアは世界有数のタバコ普及地域であるが、喫煙や禁煙ががんに及ぼす影響についての前向き研究はほとんどない。そこで著者らは、日本における8つの前向きコホート研究(参加者32,000人以上)のデータを用いて、全がんおよび喫煙関連がん罹患リスクに対する禁煙の影響を評価した。
 主な結果は以下のとおり。

・潜在的な交絡因子の調整後、ベースライン以前に21年間以上禁煙していた男性の全がん罹患リスクは、喫煙歴のない人と同じレベルまで低下することが示された(ハザード比:1.01、95%CI:0.91~1.11)。
・20 pack-year以上のヘビースモーカーであった男性でも、21年間以上禁煙した場合、全がん罹患リスクが低下することが示された(ハザード比:1.06、95%CI: 0.92~1.23)。
・ベースライン以前に11年間以上禁煙していた女性の全がん罹患リスクは、喫煙歴のない人と変わらなかった(ハザード比:0.96、95%CI:0.74~1.23)


※pack-year:生涯喫煙量の単位。1日に何箱のタバコを何年間吸い続けたかをかけ合わせて計算する。1 pack-yearは、1日1箱を1年、または2箱を半年吸った量に相当。

<原著論文>
Saito E, et al. Cancer Epidemiol. 2017 Nov 2.
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「どの県でも適切なアレルギー治療」の体制構築へ議論進む

2018年01月30日 07時23分48秒 | 医療問題
 当院はアレルギー科も標榜しています(院長は一応「アレルギー専門医」ですので)。
 しかし開業医で出来ることは限られています。

 しばしば問題になるのは、食物アレルギーによりアナフィラキシーを起こす患者さん。
 卵や牛乳を摂取すると、じんましんだけではなく、吐いたり咳き込んだりする例は、摂取量が多いとショックまで進行する可能性があります。
 有事の際に人海戦術が取れない開業医では診療は無理(というか患者さんを危険にさらすことになる)です。
 
 すると、医師が複数在籍する総合病院小児科へその管理を依頼することになります。
 しかし当地域では、頼みの総合病院小児科には常勤医が1人しかいません。
 アナフィラキシー症例を紹介すると断られてしまうのが現状です。
 なので当地域のアナフィラキシー症例は、距離の遠い県内外の総合病院へ紹介しています。

 紹介する記事は「どの県でも適切なアレルギー治療」と掲げていますが、残念ながらこの状況を打破する方策とは思えません。
 「診療と研究」「予算」など、大切なこととは思いますが、「目の前にいる患者さんをどうするか?」という末端の現場とは悩む内容が異なりますね。

■ 「どの県でも適切なアレルギー治療」の体制構築へ議論進む 〜厚労省の協議会に予算案を報告
2018/1/26 :日経メディカル
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「母乳とくすりハンドブック第3版」(大分県)

2018年01月25日 15時34分42秒 | 医療問題
 日本のほとんどの医薬品添付文書には「本剤投与中は授乳を避けさせること」「授乳を中止させること」とあり、約9割の薬物が授乳婦に投与できません。
 その理由は、投与した薬物がヒト・動物において乳汁中への移行があれば、「本剤投与中は授乳を避けさせること」「授乳を中止させること」と記載されるためです。
 しかし一方で、乳汁中への薬物移行の評価に用いられるのが相対的乳児投与量(RID)※2で、10%以下なら安全に投与できる、という考え方もあります。

 その辺をどう調整していくか?
 厚労省も重い腰を上げ、2019年に添付文書の記載方法を変更することを発表しました。
 大分県の取り組みに関する記事を紹介します。

■ 授乳中の薬剤の安全性に混乱〜「母乳とくすりハンドブック」で共通認識目指す
2018年01月22日:メディカル・トリビューン
 授乳中の患者に「薬を飲んでも大丈夫か」と問われた経験がある医師もいるだろう。安全性の科学的根拠はあっても、医療用医薬品の添付文書では授乳婦への投与を禁じているケースが散見され、医療者が混乱する要因になっている。こうした事態を受け、大分県「母乳と薬剤」研究会※1は「母乳とくすりのハンドブック」を作成し、認識の共有化に努めている。日本産婦人科医会理事の松岡幸一郎氏は、1月17日に東京都で開かれた記者懇談会で、授乳中の薬物療法に対する正しい認識を呼びかけた。

◇ 母乳育児を推進・支援を
 母乳育児による児へのメリットとして、母乳に含まれる分泌型IgAなどの免疫抗体により消化器・呼吸器系の感染症に罹患しにくくなり、成長・発達を促すことの他、近年、母親からの虐待やネグレクトを防止し、母子関係を良好にすることが報告された(Pediatrics 2009; 123: 483-493)。また授乳は、母親の生活習慣病の発症予防にもなる(Obset Gunecol 2009; 113: 974-982)。
 そのため、松岡氏は「母乳育児を推進し、それを継続できるよう支援することが医療関係者に求められる」と述べた。 授乳婦が薬物療法を受ける際に気にするのが児への影響だ。愛知県の2006年度地域保健総合推進事業報告書によると、妊娠・授乳中の患者の約半数(793例中52%)は安全性を不安視しており、うち約70%が医師に相談したという。一方、妊娠・授乳中の患者から相談を受けた小児科医(75例)は、1年間で平均15件の相談を受けており、中には200件と回答した医師もいた。

◇ 安全でも添付文書に「授乳を避けさせる」「授乳を中止させる」
 前述の報告書では、医師が安全性を確認する情報源として最も多いのは医薬品添付文書で、次いで製薬企業、書籍、米食品医薬品局の順であった。
 添付文書では表現方法が定められており、ヒト・動物において乳汁中への移行があれば、「本剤投与中は授乳を避けさせること」「授乳を中止させること」と記載される
 乳汁中への薬物移行の評価に用いられるのが相対的乳児投与量(RID)※2で、10%以下なら安全に投与できる。
 例えば抗インフルエンザウイルス薬オセルタミビルの場合、同薬が乳汁中に移行したが、児で有効性を示すと考えられる濃度よりも有意に低かった(Am J Obster Gynecol 2011; 204: 524e1-4)。2009年の新型インフルエンザの世界的流行において、日本産婦人科医会、日本産科婦人科学会は、妊婦・授乳婦には抗インフルエンザ薬を早期に投与するようガイドラインにまとめたところ、日本では妊婦の死亡例が世界で唯一認められなかった。
 しかし、同薬の添付文書には「授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行することが報告されている。]」とある。松岡氏は「添付文書で判断するなら、薬剤の9割は授乳婦に投与できない」と指摘。医療従事者側の安全性に関する認識の違いが、授乳婦に大きな不安をもたらし、本来治療が必要な患者が不利益を被ることになると述べた。

◇ 第3版では827品目を収載
 こうした事態を受け作成されたのが「母乳とくすりのハンドブック」だ。
 そこでは薬剤を4つのカテゴリーに分類し、大分県内の医療関係者における母乳と薬剤の安全性に関する共通認識の普及を目指している。

◎(安全):授乳婦で研究した結果、安全性が示されている。疫学情報はないが、乳児に有害事象を及ぼさないとされる薬剤
○(危険性は少ない):授乳婦での研究は限定的だが、乳児へのリスクは最小限である。疫学情報はないが、リスクを証明する根拠がない薬剤
△(注意):乳児に有害事象を及ぼす可能性があり注意が必要である(推奨されない)。安全とされる薬剤への変更を考慮すべき薬剤
×(禁忌):薬剤の影響がある間は授乳を中止する必要がある。安全性を示す情報がなく、リスクが解明されるまで回避すべき薬剤


 2010年の初版における薬剤は284品目(◎97品目、○138品目、△38品目、×11品目)、第2版では683品目(同273品目、303品目、71品目、34品目)であった。第2版に収載された薬剤を添付文書で検討すると、約67%が「授乳中止」と記載された薬剤であるという。 昨年3月に第3版が発刊され、ワクチンを含む827品目が収載された。「母乳とくすりのハンドブック」は県内のみならず、全国規模でニーズが高い。

◇ 添付文書の記載方法が変わる
 昨年、厚生労働省は、医療用薬品の添付文書の記載要領を改正したと発表した。 廃止されるのは「原則禁忌」「慎重投与」の他、「高齢者への投与」「妊婦、産婦、授乳婦への投与」「小児への投与」の記載で、いずれも投与対象は新設された「特定の背景を有する患者に関する注意」に含まれる。また注意事項の記載については、乳汁移行性だけでなく薬物動態や薬理作用から推察される哺乳中の児への影響を考慮し、必要事項を記載できるという。
 施行は2019年4月1日を予定しており、施行されれば治療の継続が必要な授乳婦において不必要な薬剤中止または授乳の中止が回避できそうだ。

※1 大分県産婦人科医会、大分県小児科医会、大分県薬剤師会によって2009年に設立された
※2 母親に投与された薬剤量(mg/kg/日)分の乳児が母乳から摂取する薬剤量(mg/kg/日)×100%
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