花粉症に関する某セミナーを視聴していて知りました。
抗アレルギー薬の“塗る点眼薬、アレジオン眼瞼クリーム”が認可されたとのこと。
・適応はアレルギー性結膜炎(花粉症を含む)であり、眼瞼湿疹(アトピー性眼瞼炎)ではない。
・夜寝る前に上下のまぶた(上だけではないと強調)に塗れば、点眼薬と同じ効果が期待できる。
・翌日は1日中効果がもつので手間なし、つらさなし。
・塗る場所の皮膚が荒れている場合は、その治療を優先すべし。
こんな内容でした。
私は「点眼を怖がって拒否する子どもにいい薬だな」と感じました。
この薬を扱った記事を紹介します。
▢ 眼瞼に塗る抗ヒスタミン薬が登場、花粉による目の痒みにどう対応する?
(2025/01/22:日経メディカル)より一部抜粋(下線は私が引きました);
年々患者が増加し、今や国民病とも言われる花粉症。鼻水や鼻づまりなどの症状と合わせて「目の痒み」を訴える患者も多く、2017年に日本眼科学会が行った調査では、国民の4割弱はスギやヒノキによる季節性アレルギー性結膜炎を有していると報告されている。アレルギー性結膜炎に対しては、まず抗アレルギー点眼薬を処方することが多いが、2024年5月に、新剤形のアレジオン眼瞼クリーム0.5%(一般名エピナスチン)が発売された。
アレジオン眼瞼クリームは、上下のまぶたに塗布することで、経皮から吸収され、眼瞼結膜や眼球結膜に持続的に作用するよう設計された薬剤。アレルギー性結膜炎を適応とし、スギなどによる季節性アレルギー性結膜炎にも使用できる。主成分のエピナスチンは、抗ヒスタミン作用とメディエーター遊離抑制作用を併せ持ち、アレルギー性結膜炎による痒みや充血を抑える。同じエピナスチンの点眼液には、1日4回点眼のアレジオン点眼液0.05%、1日2回点眼のアレジオンLX点眼液0.1%などがある(関連記事:【漫画】世界初の新剤型!眼瞼クリームとは)。
既に、通年性アレルギー性結膜炎患者などに対してアレジオン眼瞼クリームを使用している庄司眼科医院(千葉県木更津市)院長の庄司純氏は、「スギやヒノキによるアレルギー性結膜炎のシーズンはまだ経験していないので、手放しに推奨することはできないが、眼科専門医でなくても比較的安全に処方することができるだろう」と話す。
既に、通年性アレルギー性結膜炎患者などに対してアレジオン眼瞼クリームを使用している庄司眼科医院(千葉県木更津市)院長の庄司純氏は、「スギやヒノキによるアレルギー性結膜炎のシーズンはまだ経験していないので、手放しに推奨することはできないが、眼科専門医でなくても比較的安全に処方することができるだろう」と話す。
▶ 「点眼の負担が軽減できる」との声も、ネックは薬価?
アレジオン眼瞼クリームの用法は1日1回であるため、1日2~4回点眼する必要がある抗アレルギー点眼薬と比較して、患者の負担が少ないのが特徴だ。庄司氏は、「これまで、仕事や学校で忙しい日中に点眼を忘れたり、化粧崩れが嫌で点眼を避けたりして、用法用量が順守できず十分な効果が得られない患者は少なくなかった。アレジオン眼瞼クリームは1日1回の塗布で効果が24時間続くため、使用した患者からは負担軽減を実感する声が上がっている」と説明する。
点眼が困難な小児や高齢者にも、クリーム製剤のメリットは大きい。特に、高齢者は緑内障などの他疾患に対して既に点眼薬を処方されている場合があり、花粉による目の痒みには「塗り薬」を出すことで、患者の混乱を防げるケースもあるという。一方、庄司氏は「アトピー性皮膚炎患者や、アトピー性皮膚炎の既往がある患者には使用を避けた方がよい。明確な原因は分かっていないが、眼瞼に発赤が生じることがある」と自身の臨床経験を語る。
ただ、アレジオン眼瞼クリームの薬価は、1gあたり1686.7円。1カ月間で2gチューブを1本使うとすると、後発品がある抗アレルギー点眼薬よりは割高になる。また、クリーム製剤より点眼薬の使用感を好む患者も一定数いるため、患者に選択肢を提示し、希望を聞いた上で処方を決定するとよいだろう。
点眼が困難な小児や高齢者にも、クリーム製剤のメリットは大きい。特に、高齢者は緑内障などの他疾患に対して既に点眼薬を処方されている場合があり、花粉による目の痒みには「塗り薬」を出すことで、患者の混乱を防げるケースもあるという。一方、庄司氏は「アトピー性皮膚炎患者や、アトピー性皮膚炎の既往がある患者には使用を避けた方がよい。明確な原因は分かっていないが、眼瞼に発赤が生じることがある」と自身の臨床経験を語る。
ただ、アレジオン眼瞼クリームの薬価は、1gあたり1686.7円。1カ月間で2gチューブを1本使うとすると、後発品がある抗アレルギー点眼薬よりは割高になる。また、クリーム製剤より点眼薬の使用感を好む患者も一定数いるため、患者に選択肢を提示し、希望を聞いた上で処方を決定するとよいだろう。
▶ まずは「寝る前に塗布」、慣れたら患者に合ったタイミングで
アレジオン眼瞼クリームを処方する際には、幾つか指導すべきポイントがある。まず、片眼あたり約1.3cm長(成人の人さし指先端から第一関節までの長さの半分程度)を指先に取り、上下の眼瞼に半量ずつ乗せてからなじませるような塗り方が推奨されている(外部リンク:参天製薬ウェブサイト)。さらに、「患者処方箋を用いて塗り方を説明しても、アレルギー性結膜炎では初の経皮薬ということもあり、用法用量を理解できない患者もいる。その場合、眼内に点入してはいけないことを強調する必要がある。また、使用しているうちに1回あたりの塗布量が減少したり、症状がない時に塗らない患者もいるため、1本を1カ月程度で使い切るという目安もきちんと伝えた方がよい」(庄司氏)という。
塗布のタイミングについては、「『いつでもよい』と言うと患者が混乱してしまうことがあるため、アレジオン眼瞼クリームが初めての患者には、まず、就寝前の使用を勧めている」と庄司氏。患者が慣れてきたら、毎日塗ることができる自分なりの良いタイミングを探すよう指導しており、夜勤終わりや、スキンケアのルーティンを妨げない化粧前など、患者によって様々なタイミングで使用しているという。
塗布のタイミングについては、「『いつでもよい』と言うと患者が混乱してしまうことがあるため、アレジオン眼瞼クリームが初めての患者には、まず、就寝前の使用を勧めている」と庄司氏。患者が慣れてきたら、毎日塗ることができる自分なりの良いタイミングを探すよう指導しており、夜勤終わりや、スキンケアのルーティンを妨げない化粧前など、患者によって様々なタイミングで使用しているという。
▶ 「目が痒い」だけでアレルギー性結膜炎と判断してよいのか?
花粉の飛散時期に、患者から「目が痒い」との訴えがあると、花粉によるアレルギー性結膜炎だとすぐ判断しがち。だが、中には別の疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要だ。「特に、花粉症シーズンに間違えやすいのは、ウイルスや細菌による感染性結膜炎で、細隙灯顕微鏡検査を行わない眼科以外の診療科の医師では、見分けることが困難な症例も少なくない」と庄司氏は指摘する。
非専門医が、アレルギー性結膜炎を見極める上でまず重要なのは、問診で、「痒み」と「既往歴」を確認することだ。花粉によるアレルギー性結膜炎は、ほぼ100%の症例で痒みを伴う。さらに、過去にアレルギー性結膜炎や花粉症、他のアレルギー疾患の既往がある患者はアレルギー性結膜炎の可能性が高い。順天堂大学医学部附属浦安病院眼科教授の海老原伸行氏は、「痒みと既往歴がそろったら、臨床的にアレルギー性結膜炎と診断し、抗アレルギー薬を処方してもよいだろう。逆に、目に痛みがあったり、見え方に異常があったりする患者には、感染性角結膜炎など他の疾患が隠れているかもしれない」と説明する。
非専門医が、アレルギー性結膜炎を見極める上でまず重要なのは、問診で、「痒み」と「既往歴」を確認することだ。花粉によるアレルギー性結膜炎は、ほぼ100%の症例で痒みを伴う。さらに、過去にアレルギー性結膜炎や花粉症、他のアレルギー疾患の既往がある患者はアレルギー性結膜炎の可能性が高い。順天堂大学医学部附属浦安病院眼科教授の海老原伸行氏は、「痒みと既往歴がそろったら、臨床的にアレルギー性結膜炎と診断し、抗アレルギー薬を処方してもよいだろう。逆に、目に痛みがあったり、見え方に異常があったりする患者には、感染性角結膜炎など他の疾患が隠れているかもしれない」と説明する。
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アレルギー性結膜炎の確定診断を行う場合は、I型アレルギー反応を証明するため、涙液中総IgE抗体を測定する必要がある。一方、流行性角結膜炎の確定診断にはアデノウイルスなどの抗原検査キットを用いてもよい(関連記事:非眼科医でも抗アレルギー点眼薬の積極処方を)。
庄司氏は、「専門医による確定診断が必要な患者や、重症のアレルギー性結膜炎の患者は紹介の対象になる」と言う。重症のアレルギー性結膜炎とは、日中でも拭わなければならないほどの眼脂が出たり、外用の抗アレルギー薬で十分な効果が得られなかったりするケースを指すという。海老原氏は、「重症患者には、ステロイド点眼薬などで対応するが、眼圧計などのない医療機関では十分な対応が難しい。外用の抗アレルギー薬を1週間使用しても症状が緩和しない場合は、専門医への受診を勧めてほしい」と話している。
庄司氏は、「専門医による確定診断が必要な患者や、重症のアレルギー性結膜炎の患者は紹介の対象になる」と言う。重症のアレルギー性結膜炎とは、日中でも拭わなければならないほどの眼脂が出たり、外用の抗アレルギー薬で十分な効果が得られなかったりするケースを指すという。海老原氏は、「重症患者には、ステロイド点眼薬などで対応するが、眼圧計などのない医療機関では十分な対応が難しい。外用の抗アレルギー薬を1週間使用しても症状が緩和しない場合は、専門医への受診を勧めてほしい」と話している。
・・・上記に追加して以下の特徴を追記しておきます:
・高価!
・処方前にアレルギー性結膜炎と確定診断する必要がある。