かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

ノーベル賞おめでとう! ですが、我が国が彼らに活躍の場を与えられなかったことを、考えるべきでは?

2008-10-09 22:42:21 | Weblog
 ノーベル賞ラッシュ! という感のある昨日今日ですが、物理学賞の方は、正直に言って「自発的対称性の破れ」という理論はあまりに内容が難しすぎて、多分1%も理解できていないと思うのですが、陽子や中性子の基となるクォークが6つある、と言う話は、なんとなく直感的な理解が出来そうな感じがいたしました。それでも、それらの話が、重力を除く3つの力を統一して説明できるのが何故か、いまだに判りません。マスコミもまるでお手上げなのか、決して詳しい解説に及ぼうとはしませんし、私を含めて日本人のほぼ全員といってもいいくらいのヒトが、一体どうしてこのお三方が受賞することになったのかを理解できないまま、ただめでたいめでたいと喜んでいるのでしょう。こういうときこそ、マスコミが少しでも判りやすくなるよう噛み砕いて業績を解説して欲しいと思うのですが、残念ながら期待薄のようで、少しでも理解したいと望むなら、月刊の科学雑誌の特集にでも期待するよりなさそうです。
 化学賞のほうはその点まだ理解しやすい話です。まあたんぱく質の発光現象そのものを完全に理解するのは難しいには違いありませんが、どうしてそれがノーベル賞に値する研究だったのか、と言う点は、大体把握できそうに思います。

 それにしても、物理学賞のお三方のうち、南部博士(なんて呼ぶと科学忍者隊でも組織してそうな感じがしますが(笑))は国籍がアメリカ合衆国なので、諸外国のマスコミでは、アメリカ人1名と日本人2名の受賞、と言うように報道されているそうです。日本人はその点国籍よりも血というか魂と言うか、なんとなく野連帯意識みたいなもので同類を認識しているためか、特に違和感なく3人とも日本人、と言うことになっていますが、その情緒的反応には若干の齟齬も感じないではないです。また、化学賞の下村博士も、住んでいるのはアメリカで、日本にいたとしたらこの研究成果はなかったとおっしゃっている。ノーベル賞をとるような優秀な頭脳を初め、多くの研究者が日本を捨ててアメリカに渡る現状を見ると、日本と言う国がいかに実力ある科学者にとって住みにくい国なのか、という点を思わずにはいられません。それに、今回の方々の研究成果はいずれも半世紀近く前の仕事。その後の我が国で、果たしてこの成果に続くだけの仕事をなした科学者が何人いるか、そして今、理科離れが叫ばれて久しいこの国の若い世代に、彼らの業績に続こうと言うものが何人現れるか。いずれも私には大変に暗澹とした未来しか見えないように思えるのです。
 同じ日本人として喜ばしいことだ、というのは確かにそうなのですが、我々が彼らの存在を許容できない国を作り上げていることを、もっとまじめに自覚した方がよいように思えてなりません。


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