学問空間

「『増鏡』を読む会」、第9回は2月22日(土)、テーマは「上西門院とその周辺」です。

東山千栄子と笠智衆の年齢差

2015-12-04 | 増鏡

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年12月 4日(金)10時05分42秒

>筆綾丸さん
>岡田暁生氏
最近は岩波の『現代の起点 第一次世界大戦』全四巻の共編者になるなど、音楽を超えた活動が目立ちますね。

>『東京物語』
東山千栄子(1890-1980)、笠智衆(1904-93)、原節子(1920-2015)の三人は『東京物語』が公開された1953年の時点でそれぞれ63歳、49歳、33歳ですから、実年齢では東山千栄子より14歳下の笠智衆の老けぶりはすごいですね。
また、この映画を見る限り、東山千栄子はいかにも田舎のお母さん的な純和風の存在であって、かつて商社支社長夫人としてロシア革命直前のモスクワに8年いたという珍しい経験の持ち主だとはなかなか想像できません。
ラネーフスカヤを演ずる姿を舞台で見ていた人は、きっと全く違う印象を受けたのでしょうが。

東山千栄子『新劇女優』
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/6efb326d3c49463f950caf22065447d8
Bolshevik Revolution
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/046e1ea2baf55c3b2c97d525bb6d2570
「モスコー芸術座へ行くと頭が痛くなるよ」(by河野通九郎)
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/699ffb657ac6df6d31cf9f1ba7ac53a7

>「TSUDA READERS」
ネットで少し検索してみましたが、1952年にNew Tsuda readers(津田塾大学編修部著、三省堂出版)というのが出ているそうなので、これですかね。
国会図書館で津田梅子(1864-1929)の著作を見ると『女子大正りーだず = Girls’ taisho readers. 第1卷』(開成館、1916)などというものも出てきます。
本当に表紙に「りーだず」などと書いてあったとは思えませんが、奥付の表示かもしれません。

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。

『東京物語』の浄土寺 2015/12/02(水) 18:38:43

小太郎さん
岡田暁生氏の著作は、昔、何冊か読みましたが、あらかた忘れてしまいました。

『歴史と哲学の対話』の後半では、フッサールの生まれ変わりを自称する(121頁)竹田青嗣氏が、普遍闘争、普遍戦争、普遍支配、普遍交換、普遍分業、普遍消費、普遍暴力・・・と普遍を連発し、興醒めして読むのをやめました。竹田氏の伝でゆけば、普遍国家、普遍人間、普遍経済、普遍宗教、普遍政治、普遍学問、普遍哲学、普遍歴史・・・要するに、なんでもありそうですね。やれやれ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E7%89%A9%E8%AA%9E
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%84%E5%9C%9F%E5%AF%BA_(%E5%B0%BE%E9%81%93%E5%B8%82)
NHKのBSプレミアムで追悼番組『東京物語』をみましたが、普遍的な名作ですね。
尾道の老夫婦が暮らす家は、以前訪ねたことがあるのでわかりましたが、浄土寺に隣接しているのですね。国宝の多宝塔も映像に出てきました。なぜそういう設定にしたのか、小津安二郎の意図が知りたいですね。
東京の中学生が父親の診療室で英語の自習をする場面で、教科書の表紙に「TSUDA READERS」とあるのですが、津田梅子が考案したものなのか。映画の製作は1953年で、サンフランシスコ講和条約発効(1952)の翌年だから、晴れて堂々と日本の子供たちも英語の勉強をしてよい、とする日本国政府への皮肉と解すべきなのか。あるいは変わり身の早い浅ましい国策(?)への皮肉か。
ウィキには紀子(原節子)の夫は戦死とありますが、映画では、死んだに決まっている、というような言い方をしているので、日ソ国交回復(1956)を考慮して、戦死ではなくシベリア抑留を暗示している、と考えるべきなのかもしれません。

笠智衆が台東区「だいとうく」と発音していて少し驚きましたが、こちらの方が由緒正しいようですね。

笠智衆が演ずる老人の家の紋は三つ引両なので、吉川氏の末裔、そして、浄土寺の大檀那、という含みになるのでしょうか。
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