学問空間

「『増鏡』を読む会」、第10回は3月1日(土)、テーマは「二条天皇とは何者か」です。

「多感な青年期」

2014-04-17 | 丸島和洋『戦国大名の「外交」』
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2014年 4月17日(木)08時49分51秒

>筆綾丸さん
第107段の「女の物言ひかけたる返事」かなと思ったのですが、これは自分の経験談ではないですね。


もしかしたら、第8段の久米の仙人の話かもしれません。
検索したところ、「徒然草~人間喜劇つれづれ」というブログによれば、

------
『集成』はこの段には「若き日の兼好の気持ちが、相当率直に表現されている」と言い、『全注釈』も兼好の「切実な嘆き」と言い、また「内省的、主体的な問題として取り上げ」「人間性の暗い一面に切り込んでいる」と評して

いるそうですね。
『集成』は木藤才蔵氏の『新潮日本古典集成 徒然草』のことで、木藤氏は第8段に兼好の「多感な青年期」を読み取っている訳ですね。
なお、『全注釈』 は安良岡康作氏の『徒然草全注釈』のことですが、同書は上下二巻の非常に詳細な注釈書でありながら、随所に示されるトンチンカンな感想が楽しい名著です。

ところで磯田道史氏(茨城大学准教授)は、

------
二条良基は巨大な牛のような巨人で、牛を解体できる刀と技術を持った料理人でなければ、とても扱えない。だから二条良基の研究は小川さんだからこそできたのではないか。

と言われていますが、「巨大な牛のような巨人」を自在にさばく辣腕の料理人の小川剛生氏には「多感な青年期」があったのですかね。
ま、仮にあったとしても、どのように多感であったかについて特に興味はなく、ちょっと言ってみただけですが。

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。

黒髪 2014/04/16(水) 13:48:15
小太郎さん
http://blog.goo.ne.jp/momotyann_1937/e/c4641bbd80e5a362016831e6e9ed120c
http://www.goko.kumamoto-u.ac.jp/b03.html
「国語国文学研究」末尾の発行所の住所が「熊本市中央区黒髪」とあり、小川剛生氏の論文よりも、細川の殿様の耽美趣味のような妖艶な町名に惹かれました。夏目金之助の発句や鷗外の『阿部一族』に「黒髪」は出てこなかったと思いますが、変な外国人ラフカディオ・ハーンの作品には出てきてもよさそうな気がしますね。
かきやりしその黒髪のすぢごとに うち臥ふすほどは面影ぞ立つ
・・・定家の名歌を『阿部一族』のような男色(殉死)の世界と解すると、ただ気持悪くなるばかりです。

小川氏の論文には、「ところで、兼好が出家以前、朝廷に出仕し、多感な青年期を過ごしたことは、徒然草の内容からも推測されていた」(113頁)という一文があるのですが、徒然草をどのように読めば、兼好の「多感な青年期」を推測できるのか、二条良基の「多感な青年期」というのにも似て、残念ながら理解できません。ひねた旗本退屈男のような青年なら想像できるのですが。

マックス・ヴェーバーの年譜によれば、二十代の論文は、『中世商事社会史』(1889年)、『ローマ農業史』(1891年)、『東エルベ農業労働者の状態』(1892年)とあり、若くして老成していたのか、地味な標題に驚かされます。読んでみようか、という意欲を殺ぐものがありますね。
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