670年庚午年籍の作成。
労成れ向後 転じての。
670年庚午年籍天智天皇
[ポイント]
1.近江大津宮で即位した天智天皇は、670年、庚午年籍をつくった。
[解説]
1.朝鮮半島では、唐と新羅が結んで660年に百済を、668年には高句麗を滅ぼした。難波から飛鳥へもどった斉明天皇(皇極天皇の重祚)のもとで、倭は旧百済勢力による百済復興を支援するため大軍を派遣したが、663年に白村江の戦いで唐・新羅連合軍に大敗した。この後、新羅が半島の支配権を確立し676年に半島を統一した。
2.白村江の敗戦を受けて防衛政策が進められ、百済からの亡命貴族を中心に大宰府の北方に水城(みずき)や大野城、南方に基肄城(きいじょう)などがきずかれ、対馬から大和にかけて朝鮮式山城がきずかれた。また664年には氏上を定め、豪族領有民を確認するなど豪族層の編成が進められた。
3.唐・新羅連合軍の侵攻を恐れた中大兄皇子は、667年に都を内陸の地近江大津宮に移し、翌年に即位して天智天皇となり、670年には最初の戸籍である庚午年籍を作成した。
〈2014明大・農(食料環境政策):「
問7.下線部(エ)白村江の戦いに関連して、その後の出来事1~5を正しい順番で並べたものを下記の選択肢から一つ選べ。
1.飛鳥浄御原令施行
2.近江大津宮に遷都
3.藤原京に遷都
4.大宝律令完成
5.庚午年籍の作成
〔選択肢〕
A.53341 B.25134 C.52314
D.51324 E.25143」
(答:B ※1→689、2→667、3→694、4→701、5→670)〉
〈2013青山学院・文
問7.下線部f大規模な宮に関連して、飛鳥地方に大規模な宮が造られる前に、中大兄皇子が遷都し、滋賀の都とも呼ばれた宮を何というか。下から選べ。
(1)飛鳥浄御原宮
(2)長柄豊碕宮
(3)紫香楽官
(4)近江大津宮」〉
(答:4)〉
〈2011文教大・全学部:「
問5.年表中の(c)(663~702)の時期のA~Cのできごとについて、古いものから年代順に正しく並べよ。
A.藤原京に遷都する
B.八色の姓を定める
C.庚午年籍を作成する」
(答:CBA、※Aは持統天皇の694年、Bは天武天皇の684年、Cは天智天皇の670年 ※なお混同しやすい庚寅年籍は持統天皇の690年)〉
〈2009慶大・商:「
中国では、秦の時代から[ 1 ]に当たる律が編纂されていたのに対し、日本では、[ 2 ]としての令の方が優先された。670年、最初の全国的な戸籍である[ 3 ]を作成した天智天皇が、最初の法典[ 4 ]を制定したといわれている。」
(答:1刑法、2行政法、3庚午年籍、4近江令 ※原問には70語の選択肢あり)〉