母は私よりも着物好きでした
母が亡くなった時、母の姉妹、トトの母様、父の姉妹、母の友人などが、形見に着物を欲しいといいました
まだ二十代後半になったばかりの私と妹は、母が亡くなった後の片付けは、形見分けの着物を選ぶ事でした
妹は着物には全く執着はなく、ぜーんぶあげればいい派
私は、若い頃から着物を着ていたので、手元に残したい派
でもあまり欲張った事も言えず、訪問着を一枚、色留袖を一枚、大島紬を一枚取り、あとは表の10畳間と隣の6畳間を開け放して、全部並べたのは母の初盆の時です
洋服やコート類も全部出しました
そしてみなさん好き好きに選んで、形見としてお持ち帰り
残ったのは、留袖、喪服、羽織が数枚、未仕立ての反物、洗い張りされた反物、ウールの着物、帯が何本かだけでした
私はそれを自分で洗ったり、洗い張りに出したりして、自分用にしてきました
今現在 仕立て直ししてない(洗い張りされた)着物は.訪問着と色留袖だけ
今回、訪問着を仕立て直すことに
母と私は身長は4cmほどしか違いませんでしたが、私の方が腕が長いのです
着物の丈だけなら、着れないことはないものの、ユキがたりません
子供の頃から、やけに腕が長く、肩幅が狭く、既製品の子供服は袖が短くてとても嫌でした
だから着物も手首より少し上が袖口から出ているのが苦手です
あまり着ていなかった着物まで洗い張りに出して仕立て直す理由は、ユキを出したいから
今回の訪問着は、袖幅と肩幅を出すことで、ユキも自分サイズになることはチェック済み
はぬいを解いて、ヘラ付けに入りますが、その前に柄合わせ
洗い張り後はどうしても寸法が狂っていて、今回は上前前身頃が3cmほど長くなっていました
これをスチームアイロンで差を縮める作業が最初の仕事です
紬と違い、縮緬はスチームアイロンで伸ばしたり縮めたりする事が割と簡単
と言っても、どんな和裁の本にも書いてないことです
このスチームアイロンで狂いを直していく方法を教えてもらったのは、プロの和裁師で指導師範の資格を持つH先生の所に通っていた時です
H先生は、白いソックスを履いて、裁ち台に広げた反物を右足でしっかりと押さえて、左手で反対側を持ち、右手でスチームアイロンをかけていました
技術は目で見て盗むものです❗️というのが口ぐせでしたが、目の前で行われる作業を見なければ一生やり方とコツは掴めなかったと思います
最初は、不要と決めた洗い張りの縮緬で練習しました
今回は流石に3cmも縮めるのは後から狂いが生じそうなので、短い方を少し伸ばして、前後左右の身頃の丈を同じにしました
背中心を仮縫いして、脇も柄合わせをしてみると、前身頃を2分ほど長くしなければ柄が合いません
色々悩んでいじっても上手くいかないので、前身頃を短くし、内揚げで調整することに決めました
まず後ろ身頃の揚げを縫って、背縫いを終えて広げると
柄がずれています
裾の一か所の柄のみなので、このままで進めることにして、脇縫いです
脇は見事に柄合わせをする事が出来ました
今日はここまで
絵羽柄の訪問着などは、追っかけヘラというやり方で縫っていきます
最初に全てのヘラ付けをしてしまわずに、背縫いをして、脇を縫い、上前の衽と上前身頃の柄合わせをしながら、印をつけていくやり方です
スポーツ好きなトトさんが、寒さを理由に菜園の手入れもせずに、オリンピックに夢中です
とても熱くなり、ウルウルしたり、鼻水すすったり、不機嫌になったり
感動の場面は何回も録画を見るし
選手の感動的な活躍よりも、トトさんの熱くなっているのを見て、それだけでお腹いっぱいになってしまいます
だから、着物が縫いたいと言って、アトリエに避難😅
1時間に1回ぐらい降りてきて、トトさんの熱い話を聞いて、録画を見せられて
和裁をまた始めた理由の一つです🤣🤣🤣
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今日の夕食は、鶏モモ肉の照り焼き、ほうれん草とエリンギのソテーは焦がしバター醤油味
昨日作った抜き菜の白和えやもずくの三杯酢、里芋の含め煮
モモ肉は大きな一枚を 1:2ぐらいに分けて、私は少なめ
味噌汁は、さつま芋と豆腐、ワカメ、白菜入り
ご飯は玄米ご飯
昨日のタコ飯(あずきの中華おこわ)の残りはお昼に食べきりました
今夜も同じでいいと言うトトさんですが、まだ残っていると思っていたらしい
随分気に入ったみたいです