https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000378979.pdf
平成 30 年 11 月 5 日 医薬品等安全対策部会安全対策調査会
○ 今回、乾燥BCGワクチンに添付した生理食塩液中のヒ素の濃度が最大0.26ppmという承認書で規定している日本薬局方 生理食塩液の規格値(0.1ppm)を超える製品が見つかったとの報告があった。
○ 同製品は以前より使用されていたものであるが、安全対策調査会として、最大0.26ppmのヒ素が含まれるBCGワクチンを接種し、仮にヒ素が全量体内に入った場合でも、対象児の許容一日曝露量に照らすと、安全性に問題ないレベルであることが確認できた。
○ 安全性に問題ないとは言え、生理食塩液の規格値(0.1ppm)を超えていることから11月中旬~下旬以降、新しい製品への切り換え、交換を速やかに行うべきである。
○ 今後は、最終製品中のヒ素の濃度を確認することによって、品質を確保すべきである。
○ ついては、本件に関して、十分な情報が伝わらないことによって医療機関等における混乱が生じないよう、乾燥 BCG ワクチンを接種する医療機関及び関係学会、関係団体、自治体等に対し、上記の内容の周知を徹底する必要がある
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000377872.pdf
乾燥 BCG ワクチン(経皮用・1人用)の 添付溶剤(生理食塩液)の品質問題に対する対応について 平成 30 年 11 月5日 医薬安全対策課 監視指導・麻薬対策課
1 経緯 平成 30 年8月9日、日本ビーシージー製造(株)(以下「BCG 社」という。)より、乾燥 BCG ワクチン(経皮用・1人用)の使用時に溶解するための溶剤(日本 薬局方生理食塩液、0.15mL)のヒ素の測定を行ったところ、規格値(日本薬局方 規格(純度試験、0.1ppm 以下))以上(最大 0.26ppm)となった旨の報告があっ た。
2 ヒ素が検出された原因及び対策 BCG 社による原因究明の結果、ヒ素が規格値以上となったのは、アンプルにヒ素が含有しており、生理食塩液をアンプルへ充填した後、熱をかける工程(熔封)により、ヒ素がアンプルから溶け出て、生理食塩液へ混入してしまったためと判明した。 これまで上記原因等が明らかとなっていなかった理由としては、承認書では、 充填前の生理食塩液を用い、純度試験(ヒ素)を行うこととされていることから、アンプル充填後の生理食塩液で確認せず、アンプル充填前の生理食塩液がヒ素の規格に適合していることを確認していたためである。なお、乾燥 BCG ワクチンの規格には適合している。 当該事実の判明後、同社は市場への出荷を控えている。 一方で、乾燥 BCG ワクチン(経皮用・1人用)は代替製品がなく、11 月中旬に市場へ出荷済みの BCG 社の物流センターの在庫が消尽する見込みであることから、判明後、他のアンプル製造メーカーより、ヒ素が溶け出ないアンプルを納入し、速やかに新しい生理食塩液の製造を開始している。 11 月中旬~下旬には乾燥製剤に新しいアンプルを用いた生理食塩液を添付し、市場出荷を再開する予定である。
3 生理食塩液に含有されるヒ素の曝露による健康への影響評価等 国立医薬品食品衛生研究所 安全性予測評価部において、乾燥 BCG ワクチン (経皮用・1人用)の生理食塩液に含有されるヒ素の曝露による健康への影響に ついて、以下のとおり評価を行った(別紙参照)。 その結果、生理食塩液 0.15mL 中、最大 0.26ppm(39ng(0.039μg))のヒ素が 入ったワクチンを接種した場合、ICH Q3D「医薬品の元素不純物ガイドライン」
2 でのヒ素(注射)の許容一日曝露量は 15μg/day(体重 50kg)であり、アンプル中のヒ素が全量注入された場合において、ワクチン接種対象児の体重(5-10 ㎏) 換算で、1 日の許容量の約 1/38~1/77 となることから、安全性において問題の 無いレベルと評価した。 また、生理食塩液については、変更後のアンプルを用いて試作を行うとともに、 その後、実製造を行っているが、いずれもヒ素の規格は適合している。
なお、アンプル変更に伴う乾燥 BCG ワクチンの品質・有効性への影響がないことの確認も実施している。 (新たな生理食塩液との組み合わせでの製品試験※及び国立感染症研究所での 力価試験)
※ 力価試験、pH 試験、無菌試験、染色試験、性状試験、同定試験、 菌量測定試験、不溶性異物検査、熱安定性試験
4 今後の市場製品への対応 BCG 社は 11 月中旬~下旬より、段階的に新しい製品を出荷予定であり、医療 機関へ周知するとともに、新しい製品との交換、又は旧製品へ新しいアンプルを用いた生理食塩液を添付した製品との交換を実施する予定としている。
感想;
事実?
承認規格のヒ素試験には適合していたが、承認書が滅菌する前の試験で、承認書にはない滅菌後のヒ素試験を行うと、滅菌前の規格を越えていた。
疑問
1)何故製造販売承認書が滅菌前で滅菌後の試験になっていなかったか?
製品の試験は最終製品での試験が基本です。
承認書がそうなっていたことが疑問です。
2)承認書では滅菌前だけなのに、何故日本BCG社さんは滅菌後の試験を実施されたのでしょうか?
3)承認書上は適合したものです。しかし、承認書上の不備で本来適合しなければならないヒ素の規格を越えていた。
これは不良医薬品扱いになるのではないでしょうか?
4)ガラスから滅菌でヒ素が溶出は聞いてことがありません。
20mL以下のアンプルやバイアルは生地管をガラスメーカーが加工して造ります。
生地管は国内1社なので、生地管に問題があれば他の会社に広がります。
しかし、今回はそのような話ではないようなので、生地管を海外からの可能性があります。
そうすると生地管に問題があったことから、他の製品に使われていないのかの調査が必要になるのではないでしょうか?
5)不良医薬品だが、投与量が少ないことから、ヒ素の影響は安全上問題ないと、安全対策課が説明し、製品回収も行っていない。
これは欠品を避けるためであるが、生理食塩水は添付の溶液を使用しなくても、他社の生理食塩水を使用すれば問題ないのではないでしょうか?
安全云々言うよりも、安全なものを使うことで医療機関に伝えないのでしょうか?
PMDAと監麻課はGMPに反しているからと言って、品質に問題ない製品を回収させています(形式上は製薬メーカーの自主回収となっている)。
しかし、今回のケース、和歌山県の山本化学工業のアセトアミノフェンを使った製品、化血研の製品など、欠品が考える時は、レギュレーションの問題があっても回収させていません。
山本化学工業のアセトアミノフェンの違反は、
1)MFに記載がない
2)GMP省令違反
3)製造販売承認書違反
がありましたが、中国産アセトアミノフェンを試験して規格に適合しているからということで、製品回収もなく、また違反した原薬を使って製品を造ってよいと言っています。
試験して規格に適合しているなら、GMPは不要、MF不要、製造販売承認書に記載なくてもよいとのことを認めているようです。
欠品を回避するため、影響が少ないので、欠品した時の国民への健康影響をバランスとって製品回収しないのはよく理解できます。
しかし、それで製品回収しないなら、安全への影響がまったくないものでGMPの重箱をつつくような小さな問題点で製品回収するのはどうなのでしょうか?
http://inorinohinshitu.sakura.ne.jp/kaisyu.html
製品回収事例から学ぶ
平成 30 年 11 月 5 日 医薬品等安全対策部会安全対策調査会
○ 今回、乾燥BCGワクチンに添付した生理食塩液中のヒ素の濃度が最大0.26ppmという承認書で規定している日本薬局方 生理食塩液の規格値(0.1ppm)を超える製品が見つかったとの報告があった。
○ 同製品は以前より使用されていたものであるが、安全対策調査会として、最大0.26ppmのヒ素が含まれるBCGワクチンを接種し、仮にヒ素が全量体内に入った場合でも、対象児の許容一日曝露量に照らすと、安全性に問題ないレベルであることが確認できた。
○ 安全性に問題ないとは言え、生理食塩液の規格値(0.1ppm)を超えていることから11月中旬~下旬以降、新しい製品への切り換え、交換を速やかに行うべきである。
○ 今後は、最終製品中のヒ素の濃度を確認することによって、品質を確保すべきである。
○ ついては、本件に関して、十分な情報が伝わらないことによって医療機関等における混乱が生じないよう、乾燥 BCG ワクチンを接種する医療機関及び関係学会、関係団体、自治体等に対し、上記の内容の周知を徹底する必要がある
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000377872.pdf
乾燥 BCG ワクチン(経皮用・1人用)の 添付溶剤(生理食塩液)の品質問題に対する対応について 平成 30 年 11 月5日 医薬安全対策課 監視指導・麻薬対策課
1 経緯 平成 30 年8月9日、日本ビーシージー製造(株)(以下「BCG 社」という。)より、乾燥 BCG ワクチン(経皮用・1人用)の使用時に溶解するための溶剤(日本 薬局方生理食塩液、0.15mL)のヒ素の測定を行ったところ、規格値(日本薬局方 規格(純度試験、0.1ppm 以下))以上(最大 0.26ppm)となった旨の報告があっ た。
2 ヒ素が検出された原因及び対策 BCG 社による原因究明の結果、ヒ素が規格値以上となったのは、アンプルにヒ素が含有しており、生理食塩液をアンプルへ充填した後、熱をかける工程(熔封)により、ヒ素がアンプルから溶け出て、生理食塩液へ混入してしまったためと判明した。 これまで上記原因等が明らかとなっていなかった理由としては、承認書では、 充填前の生理食塩液を用い、純度試験(ヒ素)を行うこととされていることから、アンプル充填後の生理食塩液で確認せず、アンプル充填前の生理食塩液がヒ素の規格に適合していることを確認していたためである。なお、乾燥 BCG ワクチンの規格には適合している。 当該事実の判明後、同社は市場への出荷を控えている。 一方で、乾燥 BCG ワクチン(経皮用・1人用)は代替製品がなく、11 月中旬に市場へ出荷済みの BCG 社の物流センターの在庫が消尽する見込みであることから、判明後、他のアンプル製造メーカーより、ヒ素が溶け出ないアンプルを納入し、速やかに新しい生理食塩液の製造を開始している。 11 月中旬~下旬には乾燥製剤に新しいアンプルを用いた生理食塩液を添付し、市場出荷を再開する予定である。
3 生理食塩液に含有されるヒ素の曝露による健康への影響評価等 国立医薬品食品衛生研究所 安全性予測評価部において、乾燥 BCG ワクチン (経皮用・1人用)の生理食塩液に含有されるヒ素の曝露による健康への影響に ついて、以下のとおり評価を行った(別紙参照)。 その結果、生理食塩液 0.15mL 中、最大 0.26ppm(39ng(0.039μg))のヒ素が 入ったワクチンを接種した場合、ICH Q3D「医薬品の元素不純物ガイドライン」
2 でのヒ素(注射)の許容一日曝露量は 15μg/day(体重 50kg)であり、アンプル中のヒ素が全量注入された場合において、ワクチン接種対象児の体重(5-10 ㎏) 換算で、1 日の許容量の約 1/38~1/77 となることから、安全性において問題の 無いレベルと評価した。 また、生理食塩液については、変更後のアンプルを用いて試作を行うとともに、 その後、実製造を行っているが、いずれもヒ素の規格は適合している。
なお、アンプル変更に伴う乾燥 BCG ワクチンの品質・有効性への影響がないことの確認も実施している。 (新たな生理食塩液との組み合わせでの製品試験※及び国立感染症研究所での 力価試験)
※ 力価試験、pH 試験、無菌試験、染色試験、性状試験、同定試験、 菌量測定試験、不溶性異物検査、熱安定性試験
4 今後の市場製品への対応 BCG 社は 11 月中旬~下旬より、段階的に新しい製品を出荷予定であり、医療 機関へ周知するとともに、新しい製品との交換、又は旧製品へ新しいアンプルを用いた生理食塩液を添付した製品との交換を実施する予定としている。
感想;
事実?
承認規格のヒ素試験には適合していたが、承認書が滅菌する前の試験で、承認書にはない滅菌後のヒ素試験を行うと、滅菌前の規格を越えていた。
疑問
1)何故製造販売承認書が滅菌前で滅菌後の試験になっていなかったか?
製品の試験は最終製品での試験が基本です。
承認書がそうなっていたことが疑問です。
2)承認書では滅菌前だけなのに、何故日本BCG社さんは滅菌後の試験を実施されたのでしょうか?
3)承認書上は適合したものです。しかし、承認書上の不備で本来適合しなければならないヒ素の規格を越えていた。
これは不良医薬品扱いになるのではないでしょうか?
4)ガラスから滅菌でヒ素が溶出は聞いてことがありません。
20mL以下のアンプルやバイアルは生地管をガラスメーカーが加工して造ります。
生地管は国内1社なので、生地管に問題があれば他の会社に広がります。
しかし、今回はそのような話ではないようなので、生地管を海外からの可能性があります。
そうすると生地管に問題があったことから、他の製品に使われていないのかの調査が必要になるのではないでしょうか?
5)不良医薬品だが、投与量が少ないことから、ヒ素の影響は安全上問題ないと、安全対策課が説明し、製品回収も行っていない。
これは欠品を避けるためであるが、生理食塩水は添付の溶液を使用しなくても、他社の生理食塩水を使用すれば問題ないのではないでしょうか?
安全云々言うよりも、安全なものを使うことで医療機関に伝えないのでしょうか?
PMDAと監麻課はGMPに反しているからと言って、品質に問題ない製品を回収させています(形式上は製薬メーカーの自主回収となっている)。
しかし、今回のケース、和歌山県の山本化学工業のアセトアミノフェンを使った製品、化血研の製品など、欠品が考える時は、レギュレーションの問題があっても回収させていません。
山本化学工業のアセトアミノフェンの違反は、
1)MFに記載がない
2)GMP省令違反
3)製造販売承認書違反
がありましたが、中国産アセトアミノフェンを試験して規格に適合しているからということで、製品回収もなく、また違反した原薬を使って製品を造ってよいと言っています。
試験して規格に適合しているなら、GMPは不要、MF不要、製造販売承認書に記載なくてもよいとのことを認めているようです。
欠品を回避するため、影響が少ないので、欠品した時の国民への健康影響をバランスとって製品回収しないのはよく理解できます。
しかし、それで製品回収しないなら、安全への影響がまったくないものでGMPの重箱をつつくような小さな問題点で製品回収するのはどうなのでしょうか?
http://inorinohinshitu.sakura.ne.jp/kaisyu.html
製品回収事例から学ぶ