幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「衰退途上にあるこの国のリアル 日本の貧困女子」中村淳彦著 ”貧困国日本”

2020-08-30 01:05:55 | 本の紹介
・「東京貧困女子」に登場するのは、相対的貧困の指標ええある可処分所得が年間120万円程度を下回る東京や東京近郊で暮らす一般女性都民、市民である。すでに「単身女性の3人に1人」「子どもの6人に1人」が貧困状態にあると大々的に報じられているなかで、誰にでもすぐ隣にいる貧困女性たちを取材したノンフィクションだ。

・東京では、非正規雇用で一人暮らしをしていると、手取りが15万円程度、家賃6万円を払えば、もう可処分所得は貧困ラインに乗ってくる。

・現役女子大生は親世帯の実質賃金の低下と学費高騰、アルバイトの低賃金などが重なって、
一般的な女子学生どころか優秀な女子学生までどんどんと性風俗の世界に誘導されている。若い肉体という簡単に認められる価値を売らざるを得ないところまで追い詰められている。地方自治体が積極的に進める臨時職員なる非正規労働者に対しては、問答無用で生活保護水準(生活扶助+家賃扶助)程度の賃金で働かせ、素直でまじめな女性から貧困に転落している。真面目に働いているだけで転落するのだから、もう本当に落とし穴がどこにあるのかわからない。

・東京の貧困女性たちの苦境を聞くと、原因はほぼほぼ労働系の法律改正と国の制度変更であり、原罪の政府が積極的に推進する新自由主義(民営化、規制緩和、市場原理、労働の自由化など)路線によってう案れた貧困と断言できる。
もう一つは、既得権益層の中年男性たちに蔓延する貧困者に対する自己責任論がある。まず新自由主義路線のターゲットとされた女性たちに「あなたの貧困は努力不足で、さらに自分自身が選択した結果であり、だからあなたの責任」と、苦しむ女性たちに対して自己責任論を叩き続けた、学ぶために大学生になったり、生まれ育った地方自治体で臨時職員の雇用契約を結んだことが自己責任なのだろうか。

・「この先、なにもいいことないと思うのであと5年くらいで死にます。たぶん、自殺すると思います。生きていても、何もいいことはないだろうし、もうそれでいいです」
畑中さんはずっと真面目に働いている。しかし、母親から渡される小遣いは月2万円だ。携帯代、昼食代、ガソリン代でなくなってしまう。
通帳とカードを渡してくれないのは、生活費とか借金返済とか、生きていくのにすごくお金がかかるから見たいな理由を言っています。この1年ぐらい、ずっと母親と話し合っているけど、向こうは本当に嫌がる。

・「10代後半から本格的に男に依存するようになりました。寮付きの水商売を転々として、優しい言葉をかけられたらすべてOKしていました。優しくされるだけで嬉しかった。断れないし、断る理由がなかった。私を好きでいてくれるだけで嬉しかったので、恋人を1人絞るみたいなことができなくて、男関係はずっとメチャクチャです。この7年間ほど、ずっと心療内科に通っている。

・200社くらい面接落ちて、やっと先週、派遣に決まりました。月給15万円くらいの仕事です。ようやく最低限の暮らしができそうです。
卒業したのは偏差値が低い公立高校で、クラスの何割かの就職先は水商売と風俗ですよ。中学の同級生もそんな感じ。地元では、そういう仕事に就くのは普通のことです。まともな仕事はないし、あったとしても生活できるお金は稼げない。ほとんどの人は高卒で工場に就職して、地元に残り続けている。村社会なのでイジメもすさまじい、誉める部分はなにもないですね。
私は地元民ではあったけど、小学校の頃からいじめにあって、同性に囲まれてあらゆる嫌がらせををされた。まあ、死ねとか暴力だけど、その時の記憶は全然ないです。あまりにヒドイ経験して女性恐怖症になった。女性の人とうまくしゃべれない。家庭もおかしくて、なんていえばいいんだろう。母親からは虐待、父親からは性的な虐待をされていました。

・親からの給付がゼロどころではなく、奨学金が家計に組み込まれる。貧困家庭の子どもから本当に頻繁に聞く話だ。おかしいと心の中では思ったが、口にだせば、壮絶な暴力がはじまる。恐ろしい母親には絶対に意見は言えなかった。
精神状態は本格的におかしくなり、親に隠れてこっそりと心療内科を受診した。うつとPTSDと診断されて精神薬を服用するようになった。

・小山と同じく、群馬県太田、伊勢崎は違法風俗店が密集していたことでも有名で、摘発前までは都市圏から買春だんせいがこぞって遠征をしていた。

・原田愛子さん(当時29歳、仮名)は正看護師として病院に勤めながら、都内で風俗嬢をしていた。
実の父親の夜這い、強姦、近親相関となると、もう最悪の性的虐待だ。その悪夢の一夜だけでなく、継続して父親による強姦は行われた。北関東の実家から逃げるまで深夜、何度も何度も襲われている。

・マイルドヤンキーとは「攻撃性、違法性はなく、地元に根ざし、同年代の友人や家族との仲間意識を基盤とした生活をベースとする若者」と定義されている。

・昔らか年齢問わずに援助交際とか、高卒でキャバクラとか夜の世界に行く女性はめちゃめちゃ多いですよ。 風俗は子どもから大人まですごく身近な存在だし、女性が夜の世界に流れる比率は東京より圧倒的に高いと思う。でも、地元では働かない例えば小山市民だったら宇都宮の店で働くとか、群馬まで通うとか。みんな地元の知り合いにはバレたくないので、働く地域をちょっとズラすんですね。

・感覚値であるものの、30代、40代の家庭のある既婚女性の少なくとも1割、多ければ3割が不倫売春をしているという。
北関東のお母さんたちの不倫買収のイメージは、まず月給手取り30万円程度の正規雇用の既婚男性と、低賃金で月給8マ年の非正規職のお母さんが職場で知り合う。既婚男性は遊びの延長でお母さんを口説き、お母さんも遊び半分、家計が苦しいのでお小遣い目当て半分で、不倫に踏み出す。肉体関係のたびに1万円~2万円程度のお小遣いをもらい、お母さんは月3万円~5万円程度の増収となる。正規から非正規への再分配機能ともいえる。
再分配後、既婚男性は月給30万円⇒25万円、非正規お母さんは月給8万円⇒13万円になる。不倫によって増えたお金は自分で消費するわけでなく、夫と子どもが待つ家計に組み込まれる。そして、ギリギリの家計に少しの余裕が生まれる。
人によっては、お金目当ての不倫は家族への罪悪感みたいなのがあるかもしれない。しかし、周囲のママ友の多くが割り切って楽しんでいて、相手は好意を持つ自分で選んだ人物であり、刺激がある。カラダを使う風俗店勤務では起こりがちな精神面、肉体的負担はないどころか、退屈だった日常に明るい灯がともる。
「お母さんたちが集まるPTAの会合とか、もう不倫の話ばかり。ママ友で男を紹介しあったり、アリバイ作りを手伝ったり、ずっと前からそんな感じ。でもね。みんななにかしていても家庭は平和。このあたりのお母さんは家族への執着もすごいからね」

・実は不倫は全国的に我々が思っているより一般化している。2013年「ニッポンのセックス」(相模ゴム株式会社調査)という1万4100人のアンケート調査が発表された。40代既婚女性の19%が「不倫相手がいる」と答えている。

・栃木県には宇都宮競輪場、茨木県には取手競輪、ボートレース岩間、群馬県には桐生競艇、前橋競輪、伊勢崎オートレース場と公営ギャンブルが勢揃いし、パチンコ店、パチスロ店も充実している。北関東が今も昔も「ギャンブル王国」と言われる所以である。
「本当にギャンブルにハマる人はたくさん。特に男の人。北関東は戦後の復興支援で公営ギャンブル場がたくさんできて、祖父祖母の代からギャンブルに慣れ親しみがあるの。
・なにも言わないで親権切るような母親とは思っていなかったので・・・正直言ってしまうと本当にツラい。

・「これ友達、みんな死んじゃった」とあるページを見せてくれた。
佳代 首吊り
早坂 電車に飛び込み
郁ちゃん ガス
まゆみ 心中
隆 海へ飛び込み
絵美 焼身自殺
文ちゃん 首つり
利 オーバードーズ
トッチ マンションから飛び降り

感想;
普通の日本人が知らない「貧困」の深刻な実態
親→子→孫へと連鎖し、高齢者にも広がる
https://toyokeizai.net/articles/-/221708 東洋経済

貧困率というデータは、厚生労働省の「国民生活基礎調査」として公表されている。日本の貧困率の最新値は15.6%(相対的貧困率、2015年、熊本県を除く、以下同)。 前回調査の2012年の16.1%に対してわずかだが改善している。

一方、17歳以下の子どもを対象とした「子どもの貧困率」は2015年で13.9%。こちらも前回2012年の16.3%よりも大きく改善している。それでも7人に1人の子どもが貧困に陥っている状況だ。ひとり親世帯(子どもがいる現役世代のうちの大人がひとりの世帯)の貧困率も54.6%(2012年)から50.8%(2015年)と改善しているものの半数は超えている。

日本の貧困率の高さは国際的に見ると、米国(16.8%、2015年、資料OECD、以下同)に次いでG7中ワースト2位。さらに、ひとり親世帯ではOECD加盟国35カ国中ワースト1位になっている。

貧困率は、収入などから税金や社会保障費などを引いた「等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯員数の平方根で割った数値)」の中央値の半分未満しかない人の割合のこと。等価可処分所得(以下、可処分所得)の中央値は、年間245万円(2015年)。つまり年間122万円未満の可処分所得しかない世帯を相対的貧困層、その割合を貧困率というわけだ。

「最下層女子高生 無関心社会の罪」橘ジュン著 ”風俗も最後の砦にならなくなりつつある!”
https://blog.goo.ne.jp/egaonoresipi/e/4113f6833bdbde9b023ffdc6b6c73829


「ルポ貧困女子」飯島裕子著 ”本人の問題以上に政策の問題”
https://blog.goo.ne.jp/egaonoresipi/e/1b09d3c449f5a178c777c61324e0a925


「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」藤田孝典著 "貧困の連鎖&努力が報われない社会”
https://blog.goo.ne.jp/egaonoresipi/e/ead2b9fbdc5865a8e2cab2907d9b8b38


「女子大生風俗嬢」中村淳彦著 ”学生の貧困と学業の狭間で”
https://blog.goo.ne.jp/egaonoresipi/e/867e1542f543a5ea007039cf9b8d0373


マクロ的には日本の貧困率は15.6%ということはデータから示されています。
この本にはミクロ的な、一人ひとりの貧困の状況が記されています。
貧困は自己責任という考えがありますが、貧困層は親から子、子から孫へと連鎖しており、人が努力しても貧困層から這いあがれない現状もあります。
これは社会、政治の責任でもあります。
貧困層が多くなると社会不安を来します。
村八分で残りの二分、火事、病気は村八分にしません。
なぜなら、火事や病気は広がるからです。
貧困は社会、政治の問題で放っておくことはできません。
日本は既に貧困国であり、それが女性、特にシングルマザーの貧困率が高くなっています。
そのため子どもへの教育が十分できず、そして低収入になり貧困になっています。