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富士フイルムHD、アビガンの治験 1カ月後に完了へ "効果が期待される薬剤があるのに使わないことは見殺しでは?”

2020-08-14 10:42:42 | 新型コロナウイルス
https://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/reuters-20200813083.html
https://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/reuters-20200813083.html 2020/08/13 ロイター
 8月13日、富士フイルムホールディングスは、新型コロナウイルス治療薬の候補「アビガン」の臨床試験(治験)について、約1カ月後に治験が完了し、承認に必要なデータがそろうとの見通しを示した。写真は2014年10月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 13日 ロイター] - 富士フイルムホールディングス<4901.T>は13日、新型コロナウイルス治療薬の候補「アビガン」の臨床試験(治験)について、約1カ月後に治験が完了し、承認に必要なデータがそろうとの見通しを示した。同日のオンライン会見で岡田淳二取締役が述べた。

これまで治験患者が集まらず計画が遅れていたが、感染者数が増えた影響で治験に必要な患者数にめどがついたという。16日から最終の治験に入り、約1カ月の観察期間を経て「すべてのデータがそろう」という。データ解析を経て、承認・申請のタイミングなどは当局と今後、詰めるとしている。

中国医療機関、「ファビピラビル、新型コロナへ投与期間は倍でも安全」
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/03/22/06718/ 日経バイオテク2020.03.23

COVID-19の治療薬として中国や日本で注目されるファビピラビル。ただし、「アビガン」(ファビピラビル)の物質特許は切れており、富士フイルム富山化学側は中国企業側から一時金やロイヤルティーを受け取れないのが実情だ
 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にファビピラビルが有効である」という、中国科技部(日本の文部科学省に相当)の生物中心の見解の根拠となった臨床試験のうち、1本の結果が明らかになった。中国深センの中国The Third People's Hospital of ShenzhenのQ Cai氏らの研究チームが、2020年3月18日、Engineering誌のオンライン版に校正前論文(Journal Pre-proofs)を発表した(2020年4月9日時点で同論文は一時取り下げ中)。

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 同臨床試験は、COVID-19に対するファビピラビルの有効性、安全性を評価するため、The Third People's Hospital of Shenzhen(深セン市第三人民医院)で実施された非ランダム化非盲検比較試験(中国の臨床試験データベースの登録番号:ChiCTR2000029600)。対象は、16歳から75歳で、PCR検査で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性と診断され、発症から7日以内に同医院に入院した患者。体温が38℃以上か、少なくとも1つの肺炎関連の全身性症状または呼吸器症状を呈し、経口投与ができる症例のみを組み入れた。症状が重篤な患者は除外された。

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中国企業製造のファビピラビル、「COVID-19に有効」と中国科技部
 その上で、標準療法に加えてファビピラビルの投与(1日目は1回1600mg×2回、2日目から14日目は1回600mg×2回)にインターフェロンα吸入(1日2回500万ユニット)を併用する群と、対照群として、標準療法に加えて抗HIV薬のロピナビル・リトナビル配合薬の投与(1日目から14日目まで1回100mg×2回と1回400mg×2回)にインターフェロンα(IFN-α)吸入(1日2回500万ユニット)を併用する群を比較し、ファビピラビルの安全性や有効性を評価した。標準療法は、酸素吸入や補水、解熱鎮痛薬、制吐薬の投与など。ファビピラビルは、富士フイルムの製造特許に触れない形で、中国Haizheng Pharmaceutical社(海正薬業)から提供された「アビガン」(ファビピラビル)の後発医薬品。ロピナビル・リトナビルは、米AbbVie社から提供を受けた先発医薬品である。

 倫理的な理由から、同一期間に入院した患者を、治療薬の異なる2群に割り付けるのが難しいことなどから、研究グループは、別々の期間に連続して入院した患者を2つの群に割り付けた。具体的には、1月30日から2月14日までに同病院を受診し、組み入れ基準を満たした患者35例をファビピラビル群に割り付け、それ以前、1月24日から1月30日までに、同病院で既にロピナビル・リトナビルの投与を受けていた患者のうち、基準を満たした患者45例をロピナビル・リトナビル投与群に割り付けた。2つの群でベースラインの患者背景は同等だった。

 臨床試験では、2つの群の有効性(胸部CT検査の画像所見の改善率、ウイルスクリアランスまでの期間)、安全性を比較した。胸部CT検査の改善率は、治療4日後、9日後、14日後の画像所見を2人の放射線技師が一定の基準で判定し、改善した患者の割合と定義された。また、ウイルスクリアランスまでの期間は、陽性と判定されてから、24時間の間隔を空けたqPCR検査で、2回連続して陰性と判定されるまでの期間と定義された。

 その結果、胸部CT検査の画像所見の改善率は、ファビピラビル投与群で91.43%、ロピナビル・リトナビル投与群で62.22%で、交絡因子を調整した後でもファビピラビル群で有意に高かった(p=0.004)。また、ウイルスクリアランスまでの期間(中央値)は、ファビピラビル投与群で4日(四分位範囲:2.5日–9日)、ロピナビル・リトナビル投与群で11日(四分位範囲:8日–13日)と、ファビピラビル群で有意に短かった(p<0.001)。

 副作用が認められた患者は、ファビピラビル群で11.43%(4例)で、内訳は下痢が2例、肝・腎障害1例、その他1例だった。また、ロピナビル・リトナビル投与群では55.56%(25例)で、内訳は吐き気が6例、下痢が5例、嘔吐が5例、皮疹が4例、肝・腎症例が3例、その他が2例で、ロピナビル・リトナビルをHIV患者に投与した際の副作用と類似していたという。

 こうした結果から、研究チームは、ファビピラビルは、症状改善やウイルス排除などの観点から、COVID-19に有意に有効な治療であり、ロピナビル・リトナビルに比べて、副作用も少ないと結論した。

 なお、日本で新型または再興型インフルエンザウイルス感染症を対象に承認されている富士フイルム富山化学の「アビガン」(ファビピラビル)の用法・用量は、1日目は1回1600mg×2回、2日目から5日目は1回600mg×2回であり、今回のCOVID-19に対する投与期間は、その倍以上に設定されていたことになる。この点について、研究チームは、ファビピラビル群では安全性、忍容性が認められ、投与中止に至った症例も無かったとして、投与期間が倍以上であってもファビピラビルは安全であると強調していた。

 同臨床試験は、ランダム化や盲検化が行われていないことや、症例数が限られていること、別々の期間に被験者の組み入れを行ったことなど、臨床試験のデザインには限界があった。ただ、有効性や安全性など、COVID-19に対するファビピラビルの有用性を示唆するデータの1つになるものとみられる。

中国企業製造のファビピラビル、「COVID-19に有効」と中国科技部
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/03/18/06703/ 日経バイオテク2020.03.18


感想
まだ、保険適用されていません。
安倍首相が1か月以内に使えるようにすると言われてからすでに3か月過ぎようとしています。
言うことには責任を持って欲しいと思いますが、福島第一原発の「Under control」発言と同じで、美辞麗句を並べられてるだけで、重みが無いのはいつものことですが。

中国でも効果と安全性が確認されています。
既存薬ですので、安全性はわかっています。

眼の前に新型コロナウイルスで死ぬかもしれない患者さんがいて、アビガンが効果が期待されるのに投与しないのは、これは路上で血を流している人がいても救急車を呼ばないのと同じではないでしょうか?

承認に必要なデータが揃うということは、これまでのデータからも十分な効果が期待されているのでしょう。

血友病の非加熱製剤がずーっと使われました。
加熱製剤の安全性データがないからとの理由で血友病患者さんに非加熱製剤を使い続けエイズを感染させてしまいました。
米国では既に加熱製剤に切り替わっていました。
厚労省は同じ過ちを繰り返しているようです。
非加熱製剤を使い続けたのは日本の企業が加熱製剤の用意ができていないとのことで、帝京大学の当時の阿部副学長が加熱製剤の使用を遅らせたからと言われています。企業から献金を受け、血友病の第一人者が患者さんの命より企業を優先したからと言われています。

もっと早くアビガンを投与していたら助かった感染者は多いと思います。
志村けんさんや岡江久美子さんも助かったかもしれません。
一部の医療機関ではアビガンを使えています。
石田純一さんはアビガン(大量投与)で助かったとも言われています。
もちろんPCR検査を早くする体制を行っていれば、全自動検査機を使っていればもありますが。

新型コロナウイルスの死者は高齢者に多いです。
高齢者が亡くなると、
①年金を支給しなくてよい
②医療費がかさばらない
のことを期待しているのではと思ってしまいます。

日本は死者が少ないと言われていますが、インフルエンザ流行が少なかったのに、超過死亡者数が多いです。
日本モデルがよいと言われ、EUを非難していましたが、今やEUの感染者数は減っています。
日本モデルが失敗だったことはもう明確ですが、今からでも犠牲者を少しでも減らすことをして欲しいものです。
①PCR検査 何時でも何処でも何度でも
②感染者の隔離
③重症リスクのある人の早期治療
④隔離施設の確保
⑤医療機関の支援
小池都知事も吉村府知事もパーフォーマンスだけで、有効な手を打っていません。
なのに人気が高いのはふしぎです。

アビガンが保険適用されるまで何とか新型コロナウイルスに感染しないようにしたいものです。
万が一倒れたらアビガン投与できる病院のロビーで倒れようと思っています。



「大人の時間はなぜ短いのか」一川誠著 ”物理的時間と心理的時間”

2020-08-14 03:00:22 | 本の紹介
・フランスの哲学者ボール・ジャネーとその甥の心理学者ピエール・ジャネーは、感じられる時間の長さは、年齢と反比例的な関係にあるという仮説を立てた、一般に「ジャネーの法則」として知られている。
しかし、この法則にはいくつかの問題がある。同じ年齢でも人によって、年齢による時間の感じ方の変化は異なる。どうやら、年齢は感じられる時間の長さの変化は、ジャネーが仮定した反比例的な関係よりも、ゆるやかなのである。

・物理学的時間とは?
 ニュートン力学的な時間は均一で、必然的な特徴によって他の次点と区別されるような、特別な辞典というものもない。地上の環境であれば、時間の進行は一様である。しかし、アインシュタインの相対論的な理解では、時間の進行は、たとえば重力によって影響を受ける。ブラックホールの周辺のような強い重力が働く場所での時間の進行は、地球上の時間の進行よりもゆっくりになる。運動も時間の進行に影響を与え、地球から光速に近い速度で遠ざかる宇宙船に積まれる時計は、地上の時計よりゆっくり進む。

・時計の時間である世界時間は、もともと地球の自転を元に決められた時間である。地球の自転を時計代わりにして決めた時間といってもよいかもしれない。

・歴史的にみると、時計の時間が人間の生活パタンに大きな影響力をもつようになったのは、農耕に関わる作業に大量の労働力を投入する必要が出てきたからである(「時計の歴史」)。

・カエルは鼻先にあるのが紙片だと気づかないばかりか、その運動方向によって、その紙片を餌(長編方向)とみたり、危険な存在(長軸に直交する方向)と見なしたりする。

・フレーザーの錯視
同心円ではなく、らせんとして見えてしまう。知識があっても錯覚は回避されないのである。
ミューラー錯視、ボンゾ錯視、水平垂直錯視、ツェルナー錯視
錯視を利用した技術は、私たちの日常生活にすでに深く広く浸透しているのである。

・ここで重要なことは、ここまで紹介してきたような錯覚の体験を、人間が共有できることなのだ。

・月の錯視(天体錯視)
月は地平近くにあるほど大きく感じられる。

・体内時計は、機械的な時計ほど正確ではない。日光の入らない部屋で、眠くなったら寝て目が覚めたら起きるという生活を何日か続けた場合は、起きる時間と寝る時間は毎日少しずつずれていく。人間の体内時計の周期は、平均するとおよそ25時間といわれている。

・同時性の窓の幅として見られる知覚処理の時間解像度も、資格は聴覚や触覚と比べると粗いことを、ベッベルの研究は示している。

・漢字のような複雑な文字の場合、色の処理のほうが文字の処理よりも早くなるので、先に提示された文字が後に提示された色で書かれたように知覚されることが多くなる。

・フラッシュラグ効果
等速で左から右に移動する光点がディスプレーの中央あたりに達したとき、光点の直下に別の好転を一瞬提示する。このとき、移動する光点が瞬間的に提示された光点よりも右にずれているように見える。このフラッシュラグ効果については、サッカーのオフサイド判定の誤審の一因とも指摘されている。

・プルフリップ効果
刺激の明るさの違いが、資格の処理時間を変えることが知られている。
サングラスを通して観察された刺激の処理は、裸眼で観察された刺激の処理よりも遅れる。

・フットステップ錯視
この錯視を発見したS・アンスティは、背景のこんとらすとが強いほど資格対象の処理速度が速くなることがこの錯視の基礎にあると考えている。

・人間の視覚系は本来、変化に敏感です。

・色の見え方は、複数ある色の処理系のアウトプットのバランスによって決まる(「色彩の科学」)。

・身体的代謝が落ちると、それに伴って心的時計の進み方も遅くなる。

・感情によっても心的時計の進み方は変わる。
クモ恐怖症の人は、クモに対して恐怖を感じない人と比べるとクモとともに過ごす時間をより長く感じることが見出される。
死の恐怖も時間を過大に評価させ得ることが知られている。
事故のときのような極度の緊張を感じる際には、心的時間の方が物理的時間よりも速く進行する。

・カフェインのような興奮作用のある物質の摂取には経過した時間を過大評価させる効果があり、逆に、鎮静作用のある薬物の摂取には、経過した時間を過少評価させる効果がある。

・時間経過への注意
時間経過に注意が向くほど、同じ時間がより長く感じられることも知られている。退屈な会議に出席していたとする。その会議が早く終わらないかと時間の経過が気になって何度も何度も時計に注意が向く場合などは、時間がなかなか経たない印象を受ける。

・脈略やまとまりが時間を短くする。
同じ長さの時間であってもその間に多くの刺激が提示されるほど、長い時間と感じられる。

・難しい課題は時間を短くする
計算式を解いている最中は、時間が短く感じられる。その傾向は、問題が難しいほど顕著になる。
まっすぐな道を走る際にかかる時間よりも、道を曲がる際の時間は短く評価される傾向がある。

・鬱と躁、統合失調症における時間
鬱の状態にある人の中には、どうしようもない過去、取り返しのつかない過去にさいなまれる人がいる。未来への展望ははっきりせず、過去の負い目がしばしば現在に侵食してくることもあるようである。将来について考えることが無意味に思われ、時間がゆっくり進んで感じられたりするという。
躁の状態にあるときは、時間がどんどん過ぎていくように感じられることが多いという。
統合失調症についても、独特の時間間隔があることが指摘されている。たとえば、実際には50歳を越えているのに、いつまでも自分が子供だとか、10代だと自覚したりする場合がある。あたかも時間が止まっているように感じられているといってもよいかもしれない。

・加齢と時間評価
加齢が進むと、神経生理学的過程や心理学的過程における情報処理の効率や処理の速度が低下する。加齢に伴って心的時計の進み方が遅くなるという考え方も、こうした加齢における神経生理学的・心理学的過程における処理の遅れを想定する理論とよく対応している。

・3分間をターゲットと考えた場合、2~4歳年を取るごとに、評定時間が1秒長くなるという結果がでた。また、リラックスした状態では経過時間が過小評価されることが見出された。

・JR西日本の福知山線の事故では、発生当時から秒刻みのスケジュールが問題視されていた。直前に引き起こしたオーバーランに対する処分を恐れた運転士が車掌の無線交信に気を取られ、運転から注意がそがれ、急ブレーキののタイミングが遅れたことが主な事故の原因とされている。
注意がそらされた場合には認知的処理が遅くなり、反応時間が遅くなる。
そもそも秒刻みのスケジュールの設定自体が、人間の能力を超えていたとは考えられないだろうか。

感想
「3分間をターゲットと考えた場合、2~4歳年を取るごとに、評定時間が1秒長くなるという結果がでた」
⇒(1/180)/3=1/540となり、ジャネーの1/年齢よりもかなり小さい。

嫌いな科目の授業は長く、好きな科目は短かったです。

時間を気にすると長く感じ、時間が気になっていないと短く感じるとのこと。
また多くの刺激があると時間を長く感じているとのこと。

アインシュタインの相対性理論で時間が絶対的なものでないと知ったときは驚きでした。

米国の学生は合間合間によく本を読んでいました。
それを見習って、通勤時間や乗り換え時の時間待ち、待ち合わせ時の時間待ちで本を読むようにしました。
そうすると、その待ち時間が気にならなくなりました。
待たされても、「読書する時間が増えた」と思うと余裕が出てきました。

この本では多くの錯視が出てきます。
錯視するように人間はできているようです。
時間についてもこの錯視があるようです。
人は錯視するものだと理解していることが必要なのでしょう。
見えているものを鵜呑みにせずに本当かどうか常に疑いを持つことなのでしょう。

天体錯視の言葉は初めて知りました。
地平線の太陽が大きく見えるのは屈折理の関係と高校の時に習ったように記憶していましたが、錯視によって大きく見えているのでした。