平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

浅田真央選手の「鐘」 芸を自分のものにするということ

2010年03月30日 | スポーツ
 浅田真央選手が、トリノの世界選手権で優勝。金メダル。
 キム・ヨナ選手とのライバル対決は、キム・ヨナ選手がコケてしまったため、いまひとつ盛り上がらなかったが、浅田選手のフリーの「鐘」は素晴らしかった。
 オリンピックの放送で繰り返し見たためであろうが、僕にも「鐘」の世界に入り込めた。

 この「鐘」というのは理解するのが難しいパフォマンスである。
 たとえば「007」はわかりやすい。007とヨナ選手の可愛らしさですんなり世界に入っていける。
 高橋大輔選手の「道」も、映画「道」を見ていれば、<人生>を表現しているんだなってことはわかる。すなわち、つまずき・苦悩の人生から歓喜の人生へというストーリー。
 このストーリーで世界に入っていける。
 でも「鐘」は?
 世界に入り込みづらいから、どうしても技の完成度などに目が行ってしまう。
 浅田選手はこれで何を表現したいんだろうと立ち止まってしまう。
 「浅田選手はこれを楽しんでいるのか」と思い、やらされている感を感じる。
 しかし、今回は完全に浅田選手のものになっているような気がした。
 「鐘」が自分のものになっている。

 歌手の尾崎紀世彦さんは、自分の歌「また逢う日まで」を歌うたびに新しい発見がある、と何かのインタビューで言っていた。
 歌い込むとはそういうこと。
 落語家は自分の持ち噺を高座で何度も話すが、毎回同じパフォマンスはない。
 客の反応によっても違うし、演じているうちに新しい解釈が加わったりする。
 演劇も繰り返し同じ人物を演じているうちに、人物像が深まっていく。
 <芸の深さ>とはこういうことを言うのだろう。

 そして今回の浅田選手にはそんなことを感じた。
 「鐘」という曲を浅田選手は深く理解したのではないかと感じた。

 現在のテレビは一回性のものばかりだ。
 瞬間、瞬間で笑いが起こり、笑いが足され、そのまま消費されていく。
 確かに「そんなの関係ねえ」や「グー」では、芸の深さもあったものではないが、浅い芸はやはり飽きられる。捨てられる。

 繰り返し演じられて、どんどん深みが出て来るパフォーマンス。
 繰り返し見られ、読まれて、新たな発見がある作品。
 こういうエンタテインメントこそ、現在必要なのではないか。


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面白くなくなった亀田興毅

2010年03月28日 | スポーツ
 昨日の亀田興毅、ポンサクレック戦を見た。
 何というか亀田選手、守りに入ったというか、オトナになってしまった感じがする。
 以下はボクシング・シロウトの意見。
 4ラウンドで、8ラウンドでリードされた亀田選手。
 8ラウンドまでの戦い方ではダメだということは明白なのだから、戦い方、戦法を変えるべきだった。
 もちろん世界のトップとの戦いで戦い方を変えるというのは至難の業だろうが、あるいはポンサクレックがそうさせなかったのかもしれないが、8ラウンドまでの戦い方ならジリ貧。判定負けは目に見えている。

 今回K-1といっしょに放映したのも間違いだった。
 K-1は皆、いい試合だった。
 倒すか倒されるか。KOされてもいいという感じで皆捨て身で戦っていた。
 たとえばボクシングVS総合格闘技の渡辺一久選手。
 彼は負けたが心に残った。
 渡辺選手はボクサー。ローキックを食らい、後半は脚が動かない。
 しかしダウンはしない。すさまじい気迫。
 その結果、相手の選手も攻め疲れでフラフラ。
 ファンはこういう試合を見たいのだ。
 見ている者はこういう試合に力を与えられる。

 もちろん、K-Iの1試合とボクシングの世界タイトルマッチでは得るもの、失うものが違う。
 K-Iとボクシングとの違いもあるだろう。
 K-Iは相手を倒すのをメインとするのに対し、ボクシングはKOよりはポイントを稼いで勝つことをメインにするスポーツ。
 おのずと迫力が違う。
 だが、亀田選手にはポイントを稼いで勝つような選手にはなってほしくないのだ。
 KOされてもいいから一歩踏み込める選手であってほしい。
 ポイントで渋く勝つのはベテランになってからでいい。
 物語としても、今回のような何も出来なかった判定負けよりは、壮絶なノックアウト負けの方がインパクトがあるだろう。
 ファンの心を揺さぶり何かを表現するのがプロフェッショナルだろうし。

 亀田陣営に目をやると、外国人のトレーナーなどやたらスタッフが多かった。
 それだけ多くのものを持ってしまったのか?
 ものを持ちすぎれば守りにまわる。
 失うものがなくハングリーに向かって来る者を見たいと思うのが<ボクシング>だと思うが、どうだろうか?


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オリンピック強化予算をアップしよう!

2010年03月03日 | スポーツ
 バンクーバーオリンピックが終了。選手団が帰国。
 お祭りが終わった感じですね。
 みんなでわいわい盛り上がる。いわゆる祝祭空間は、地域のお祭から始まって音楽のライブやスポーツの観戦、観劇などいろいろあるが、日本全体、世界全体で盛り上がれるのは、オリンピックあるいはワールドカップだけ。
 そして今は祭りのあとの寂しさ。
 流れるニュースは再び政治家の灰色汚職、権力争い、悲惨な事件に。心が萎える。

 スポーツジャーナリストの二宮清純さんに拠ると、日本のスポーツ事業予算は合計で1900億あるそうである。
 韓国などの他国と比べられて少ないと言われているオリンピック強化予算27億は、文部科学省が所管する部分で、1900億の中の一部だと言う。
 では、そのスポーツ事業予算・1900億の内訳はと言うと、国土交通省や厚生労働省、文部科学省などで分割されているらしい。
 厚生労働省が国民の健康増進のためにスポーツ予算を持つのはわかる。
 文科省が教育のためにスポーツに支援するのもわかる。
 では国土交通省は?
 国土交通省は体育館や河川の野球場など、いわゆる箱物を造っているらしい。
 こういった箱物を造ること自体は度を過ぎない限り悪くはないと思うが、これは明らかに国交省が守ってきた既得権益である。利権でもある。
 国交省がどのようなビジョン、目的でこれらの施設を造っているのか聞きたい所だが、スポーツ施設は厚労省、文科省が扱うのが筋である。

 そしてオリンピック強化予算27億。
 強化予算を多くしてメダルをたくさん獲ることがいいのかは議論の分かれる所だが、これだけ国民に感動と力を与えてくれたオリンピックを国としてどう考えるかは検討されるべき。
 メダルを獲れば経済効果だってある。
 体育館を造るより、メダル効果やお祭り騒ぎで財布のヒモがゆるくなる方が景気対策になる。これこそ、コンクリートから人へ。
 要は1900億をどう分けるかである。
 1900億の幾分かをオリンピック強化予算に振り分ければいい。
 そして、それが出来るのは政治家。
 これまでの予算を組みかえて、未来のために有効なことに使うのが民主党の政策ではなかったか?
 それが今では流されて従来どおりになりつつある。

 <スポーツ事業予算1900億を組みかえてオリンピック強化予算を増やす>

 オリンピックの余韻が残る中、結構国民にわかりやすく支持を得やすい政策だと思うのだが、どうだろう?
 先程も述べたが、これこそ『コンクリートから人へ』。
 民主党支持率回復の有効な策だと思うがどうだろう?
 健康増進の見地から言っても、「オリンピックでスケートに感動したから自分もやってみよう」なんて人がたくさん出て来て有効だと思うし。
 景気回復の見地から言っても、選手のがんばりが「俺もがんばって仕事をしよう」「困難なことに挑戦する勇気を持とう」に繋がり有効だと思うし。
 今の閉塞した時代を突破するのは<気持ち><こころ>である。


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<浅田真央>という物語を共有する。

2010年02月27日 | スポーツ
NHK刈屋アナぼう然…「コメント浮かばず」(スポーツニッポン) - goo ニュース

 浅田真央選手、すごかった! がんばった!

 普通の選手以上に浅田選手に感情移入してしまうのはどうしてでしょうね。
 おそらく小さい時から見ているから。
 おそらく浅田選手のことを自分の子供、娘みたいに感じて見ている人は多いだろう。
 愛犬エアロのことなど、何となく彼女の私生活も知ってる感じがしているし。
 キム・ヨナ選手は<国民の妹>だそうだが、浅田選手は<国民の娘>。

 今回惜しくも銀メダルであったことは、浅田選手を<記憶に残る選手>にしましたね。
 日本人には<判官びいき><敗者の美学>みたいなものがある。
 銀メダルだけでも十分<勝者>なのだが、浅田選手はそうは思っていない。
 悔しさと涙……、その痛みがわれわれにも伝わってくる。

 また、この敗北により、われわれは浅田選手と<物語>を共有した。
 <ライバルとの激闘の果てに破れた物語><悔しさと涙の後に再び立ち上がる物語>。
 これからは浅田選手と同じ心境で彼女の試合を見てしまう。
 そして、次回のソチ・オリンピックで彼女が金メダルを獲った時、この物語は完結する。
 キム・ヨナ選手はプロ転向をほのめかしているらしいが、出来ればソチでも対決して、浅田選手が勝つという物語を見たい。
 そうすれば、この物語は最高の感動となり、スポーツ史の<伝説>になるだろう。

 スポーツは国民全体が<共有する物語>を与えてくれる。
 近いところでは、WBC決勝・最終回でのイチローのヒット。(考えてみると、この対決も韓国との対決でしたね)
 今回の浅田選手の戦いは、それに匹敵する国民全体が共有できる物語。
 というよりイチローの場合は<野球>という女性が共有しにくい種目だったので、今回の方がより多くの人が共有しやすいかもしれない。

 そして、この物語をいっしょに体験することで、明日への力を与えてくれる。
 物語にはそんな力がある。
 通常、この役割はテレビドラマや映画が果たすものだが、これらはフィクション、ウソですからね、スポーツのリアルにはかなわない。
 ともかくリアルタイムで浅田選手の物語に参加できることは、この時代に生まれた特権!
 浅田選手と共に4年後を目指す物語を共有しましょう!


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残念! 川口悠子選手~ペア・フィギュアスケートの魅力

2010年02月17日 | スポーツ
川口ぼう然4位…ロシア50年ぶり屈辱(スポーツニッポン) - goo ニュース

★川口悠子選手、大変残念でした。
 報道に拠ると、土壇場でコーチから最初の四回転ジャンプを封印するように言われたとか。
 これは良くない。
 現場の細かい事情はわからないが、守りに入って上手くいくわけがない。
 川口選手も自分の全力を出し切って戦いたかっただろう。
 結局、気持ちがモヤモヤしたままで三回転も失敗してしまった。
 それが尾を引いてその後のミスを招いてしまった。
 ifの話だが、もし四回転が成功していたら、その後もいい気持ちで滑れ、素晴らしい演技をしたかもしれない。
 もし失敗したとしても、割り切れてその後のミスはなかったかもしれない。
 これはあらゆるスポーツに通じることだろうが、競技でのメンタル面は本当に繊細だ。
 何気ないことでつまずいたりする。

★しかし今回の川口選手のおかげで、僕はペアのフィギュアスケートの魅力に目覚めました。
 相手の女性を持ち上げ、振りまわし、あげくの果てに放り投げる。
 考えてみると、すごい競技です。
 しかも、それらが美しく華麗でなくてはならない。
 優雅に泳ぐ白鳥ではないが、水面下では実にハードなんでしょうね。
 華麗さ、優雅さの裏では筋肉がきしみ、火を噴いている。
 相手のスミルノフ選手なんかは終わったら肩で息をしていたし。

 ペアの種目ということでは、相手との信頼度も重要。
 呼吸を合わせ、体を合わせ、恋人どうしのような感じ。
 川口・スミルノフ組の演技では、お互いが滑りながら近づいていき、キスしてたし。
 この恋人どうしという感じは金・銀を獲った中国勢よりもヨーロッパ勢の方が見せますね。
 やはり東洋人は愛情表現が下手。

★最後に川口・スミルノフ組の演技を見て、日本人、ロシア人はいっしょになって応援したはず。
 日本とロシアが応援で一体になる。熱くなる。
 そこには国の利害も対立も関係ない。
 スミルノフ選手をカッコイイと思う日本人、川口選手をキュートだと思ったロシア人もいただろう。
 このペアのおかげで両国の理解が深まった。
 これこそオリンピックの素晴らしさですね。


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内藤・亀田戦 いかに試合を支配するか

2009年12月01日 | スポーツ
 内藤・亀田戦があったので「坂の上の雲」は再放送を見ます。
 さて、その試合。
 巷間言われているように、亀田興毅の作戦勝ちですね。
 自分のファイトスタイルと12ラウンド維持するスタミナにこだわった内藤大介に対し、亀田は内藤を研究し作戦を立てた。
 その作戦とはカウンター攻撃。
 フェイントを含めて巧みに攻めてくる内藤に対し、亀田はガッチリガードを堅めてカウンターで反撃する。
 攻撃がそのガードを突破できれば、内藤の勝利だったろうが、亀田のガードの方が上回ったようだ。
 だから内藤はジリ貧。
 自分のスタイルにこだわったことと対策・作戦を立てたことで分かれた明暗。
 これはどちらが正解かはわからないが。
 対策・作戦に立てたことで自分の良さをなくしてしまうこともある。

 ターニングポイントは、これも巷間言われているように第二ラウンド。
 顔面に亀田のカウンターの左ストレートが炸裂!!
 これで内藤は鼻血。
 実力伯仲の場合は、こういう一発が効くんですね。
 鼻血でスタミナが奪われるだろうし、戦っている内藤自身は意識していないだろうが、集中力も欠いてしまう。
 また同じパンチを食らうのではないという怖さで、無意識に大きな一歩が踏み込めなくなってしまう。
 腫れ上がった顔ときれいな顔ではジャッジの心証も違うだろうし。

 面白い試合でした。
 それぞれのファイトスタイルが明確だし、過去の因縁もあり実にわかりやすい試合でもあった。
 まあ、内藤を応援していた僕からすると、最終ラウンド、内藤に一発逆転の凄みのあるKOパンチを放って欲しかった。
 そうすれば、この試合は<幻の右>みたいな形で歴史に残る名勝負になったはず。
 あれだけの試合を見せてもらっておいて贅沢だとは思うけれど。

 スポーツの勝敗を分けるのはお互いの体力・技量、心理戦、作戦なんですね。
 流れが変わるターニングポイントというのもある。
 そして作戦とは自分の方に流れを引き寄せるためのもの。
 流れを常に自分のものにして、試合を支配していた亀田の勝利は当たり前と言えば当たり前か?


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楽天・野村監督に学ぶ

2009年10月30日 | スポーツ
 報道ステーションにチャンネルを変えたら、楽天・野村監督が出演されていた。
 途中からだったが、自分は監督として江夏、江本、門田のクセのあるやつに鍛えられたという話をされていた。

 江夏をストッパーにしようとした時はひと悶着あったらしい。
 今までエースでやって来た自分を8回、9回だけのストッパーにするとは何事か!と江夏が怒ったのだ。
 当時は先発・中継ぎ・抑えという投手の分業態勢がなかった時代。
 先発投手として実績を作ってきた江夏としては怒るのが当然だ。
 しかし野村監督は地道に説得を続ける。
 これからの野球は先発・中継ぎ・抑えという分業態勢になること。
 勝つために江夏がストッパーになることが必要なこと。
 それでも江夏は納得しない。
 ある時、野村監督は江夏が幕末、新選組のファンであることを知る。
 そこで監督はこう江夏に話した。
 「お前がプロ野球史上はじめてのストッパーになって、球界に<革命>を起こそうじゃないか」
 この<革命>という言葉が江夏に火をつけた。
 以後、江夏はストッパーとして大活躍する。

 実に面白いエピソードだ。
 江夏というプライドの高い暴れ馬を野村監督は手なずけ見事に乗りこなしたのだ。
 野村監督はこういう体験こそ自分を成長させてくれたと言う。
 江夏を説得した体験はどんな馬でも乗りこなせるという自信を監督に与えてくれたのだ。
 だから楽天の山崎を手なずけることなどは赤子の手をひねるようだったらしい。

 苦労は買ってでもしろというのはこういうことなんですね。
 人間関係でわれわれは<クセのある人間>を敬遠しがちですが、そういう人間こそが自分を成長させてくれる。
 いい教訓話でした。

 <枯れて自分を突き放して達観して見ているようでいて、一方で野球への情熱、欲望でギラギラしている>と野村監督のことを評した古舘伊知郎さんのコメントもなかなか的確。
 途中からの5分くらいの視聴でしたが、わずかな時間でもいろいろなことが学べるんですね。


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WBC決勝戦 一体となる喜び

2009年03月25日 | スポーツ
侍ジャパンWBC連覇、延長の死闘制す…韓国に5-3(読売新聞) - goo ニュース

 WBC決勝戦で感じたことをいくつか。

★千両役者イチロー
 やはりイチローは千両役者、スーパースターですね。
 10回裏ツーアウト二塁・三塁、打てば逆転。
 9回裏に同点にされたがここで突き放せば流れを完全に日本に持って来られる。
 チャンスがめぐってくるのもそうだが期待どおりヒットを打ててしまうのはさすがですね。
 しかもこれまでの不振を乗り越えて。
 これぞスーパースターの条件。
 長嶋茂雄さんの<天覧試合>ホームランに匹敵するパフォマンス。
 この一打でイチローは長嶋茂雄になりましたね。

★スーパープレー内川
 レフトからセカンドへの返球でアウト。
 あの内川のプレーで韓国に流れが行きそうになるのを食い止めましたね。
 値千金のプレー。
 しかも内川は内野手。
 あの捕球の仕方は内野手のもので、外野手なら後ろに反らさないようにまわりこんで捕っていたらしい。
 キューバ戦での特大ホームランといい、内川は隠れたMVP。
 同じ横浜でケガで帰国した村田への想いもいい。
 僕の中で一番印象に残った選手です。

★中堅の活躍
 またこの内川もそうですが今回は中堅がいいプレーをしましたよね。
 中島、青木のオールラウンドの打撃。
 片岡の走塁。
 川崎ももっと出ていたら活躍していただろう。

 投手の杉内も活躍。
 何と中継ぎでヒットを打たれていない。
 昨日の試合ではなぜ杉内を続投させなかったんだろうと思いましたし。

 侍ジャパンは中堅選手が支えていた。
 岩村らメジャーで活躍する選手や小笠原、稲葉らは完成されている。
 だからプラスアルファの仕事をするのはまだ延びる余地のある中堅。
 この点で原監督の人選は見事でしたね。

 あとはイケメン岩隈。
 楽天では田中将大が注目されていましたが、今回の活躍で岩隈株は急上昇。
 女性ファンがきっと増えたことでしょう。

★一体となる喜び
 チームが一体になり、応援する日本中が一体となる。
 今回は<一体となる喜び>を味合わせてもらいましたね。
 普段はバラバラでそれぞれに不安を抱えて生きている個人が応援で一体となる。
 他人と共感できなくて疎外感を感じている個人がプレーで一喜一憂する。
 僕はひとりでいることが好きなのですが、久しぶりに<一体となる喜び>を味合わせてもらいました。
 人は他人と共感したい生き物なのかもしれませんね。
 「踊るアホウに見るアホウ、同じアホなら踊らにゃ損損」
 今後もお祭に参加していきたいですね。


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WBC 日本VS韓国

2009年03月08日 | スポーツ
イチロー目覚めの3連続安打、先頭打者で口火・バント安打(読売新聞) - goo ニュース

 韓国に14-2でコールド勝ち。
 大きな実力差はないのに<ゲームの流れ>というのは怖ろしいものですね。

 <ゲームの流れ>が日本に来たのは何と言っても2回裏。
 3-2。
 1回裏で2点を韓国に返されて嫌な雰囲気。
 ここで踏ん張らなくては流れは韓国に行ってしまう大事なポイント。

 バッターは8番・城島。
 ここで凡退したら流れはさらに韓国に傾く。
 だがヒットで出塁。これは大きい。
 そして9番・岩村。
 フォアボール。最後の球はストライクともとれるきわどい球。
 これがストライクで三振だったら再び流れは変わっていた。
 そしてイチロー。
 何と意表をつくセーフティバント!
 イチローはセーフでノーアウト満塁。
 見事ですね。
 これが今回の勝利を呼び込んだ値千金のプレイ。
 何しろこれで流れは完全に日本に来たのですから。
 現に続く2番・中島はフォアボール。
 これで押し出し1点。
 3番・青木はショートゴロだったがゲッツーにならず、さらに1点追加。
 2番・中島のフォアボールと3番・青木のゲッツーにならなかったショートゴロはゲームの流れが日本に来ていたからでしょう。
 そして決定打が4番・村田のスリーランホームラン。
 これで8-2. 

 <ゲームの流れ>を支配したものが勝つ。
 これがスポーツなんですね。
 だから2回裏の侍ジャパンは踏ん張った。流れが敵に行かない様にした。
 先頭打者・城島がヒットで出たこと、イチローのセーフティバントもそうですが、岩村、中島、村田が粘ったことも大きい。
 彼らはファールを何度も打ち粘りに粘った。
 これがフォアボールになり、村田はストライクを取りに行った球をホームランにした。
 この粘るということは大事ですね。

 我々の実生活でも自分に不利な風向きが来たら粘って踏ん張って、流れを自分の方に持っていけるようにしたいものです。
 そして野球は奥が深い。
 そんなことを感じました。

 月曜日の1位・2位決定戦が楽しみです。

※追記
 サッカーやバスケットボールは<動>のスポーツで試合の流れの変化が読みにくい。
 一方野球はピッチャーとバッターの対決という<静>の時間が長いので、変化を読みやすい。
 相撲もそうですが日本人はこの<静>の時間を持つスポーツが好きですね。


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スーパースター・朝青龍

2009年01月12日 | スポーツ
 朝青龍・稀勢の里戦
 負ければ引退勧告の崖っぷち、稽古不足。
 そんな話題もあって大盛り上がり。

 朝青龍はヒール(悪役)ですよね。
 お客さんは悪役が負けるのを見に来る。
 この点で昨日の取り組みは見事でしたね。

・稀勢の里に押されて土俵際まで追いつめられる朝青龍→お客さんは負けるのかと思う。巷の評判どおり稽古不足でこのまま引退してしまうのかと思う。
・しかし右でまわしをとって稀勢の里の腰を浮かせたかと思うと逆に土俵際まで追いつめる→お客さんは朝青龍の強さを思い出す。
・右と左の張り手で駄目押し→お客さんは既に勝負がついているのに張り手を出す朝青龍に悪役健在を見る。
 
 まさにお客さんが望むとおりの展開。
 お客さんは朝青龍が負けるのを見たいと思っているが、一方でふてぶてしく強い彼を見たいとも思っている。
 そんな観客の気持ちをわずか30秒ぐらいの取り組みで表現してしまうとはさすが!
 やはりスターだ。
 スターでない力士だったらあのまま押されて負けてしまったり、負けそうになることもなく勝ってしまう。
 でもそれだとファンの望んでいることのひとつしかかなえていない。
 長嶋茂雄もそうだったが、スターはファンが望むプレーをしてくれるもの。

 また同時に昨日の取り組みは<依然として強いのか>それとも<弱くなったのか>という疑問の答えを出さずにいてくれた。
 観客はその答えを知りたくて再び彼の土俵を見る。
 本当にスターです、朝青龍は。

 昨年の相撲界の相次ぐ不祥事。
 <横綱の品格>と言って朝青龍を非難している方が<品格>がない。
 朝青龍はきっと<横綱の品格>といった枠からはみ出すパワーを持ったスーパースターなのだろう。

 とここまでほめたのだから、朝青龍、今後も勝って下さいね。
 今場所優勝したら本当にスーパースターになれる。
 風は朝青龍に吹いている。

※追記
 千秋楽。
 優勝決定戦で朝青龍優勝!
 しかも白鳳との15試合目以外は無敗。
 テレビのコメントを聞いても朝青龍に追い風。
 来場所はさらに盛り上がりそうだ。
 やはりプロスポーツにはスーパースターが必要。


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