平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

おんな城主直虎 第32回~政次の歓喜の瞬間、 「井伊と小野はふたつでひとつであった!」

2017年08月14日 | 大河ドラマ・時代劇
 今回は政次(高橋一生)にとって、永年の苦労が報われた最高の時だっただろう。
 今川の呪縛から解き放たれ、誰にも遠慮せず、井伊と小野が手を携える時代が来たからだ。
 もはや政次は悪役を演じなくてもいいし、日の光のもとで直虎と堂々と碁を打てる。

 直虎(柴咲コウ)とは殿様ごっこ(笑)の後に、こんな心の交流。
 商人、百姓、盗賊に慕われる直虎を評してこう語る。
「かような領主はこの日の本、他のどこにおられますか?
 私には到底、左様な芸当は出来ませぬ。
 降りる道などもはや許されません、殿には」

 なつ(山口紗弥加)には直虎との想いの違いを語り、
「そなたを手放したくないのだ」
 おそらく政次にとって、直虎は〝殿〟であり、〝幼なじみ〟であり、〝手を触れてはならないもの〟だったのだろう。決して男と女の関係にはなれず、時折、〝幼なじみ〟が顔を出す〝殿と家老〟の関係が合っている。
 でも、なつさんは。
 真の理解者であり、どんなことがあっても信じて支えてくれる心の拠り所。
 平穏な時代だったら、このふたり、きっといい夫婦になっていただろう。

 そして、今までの苦労の総決算!
 政次は小野の家臣たちの前で、こう叫ぶ。
「これより小野は徳川にこの城を明け渡す! 徳川につき、そのもとで井伊家を再興する!」
「にわかに信じられないであろうが、井伊と小野はふたつでひとつであった!」

 このことを言うために政次は今まで苦労してきた。
 この時の政次の晴れ晴れとした顔と言ったら!!

 しかし………。

 人間社会というのは残酷だ。
 今まで政次がして来たことの表面しか見ずに、疑う者が出てくる。
 いや、疑うどころか、敵に通じているとして命を奪おうとする。
〝不信〟というのは負のスパイラルをもたらすんですね。
 だから人間社会から、争いごとや悲惨が絶えない。

 希望から絶望へ。
 政次の心中を察すると、つらくなる。
 政次は彼の父親が語った〝小野家の背負った業〟を実感したことだろう。
 それは〝運命〟なのか、〝因果応報〟なのか。

 視聴者も最高に盛り上がった所で水をぶっかけられた。
 次回は高橋一生さん、一世一代の芝居が見られそうだ。

コメント (4)
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