平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

麒麟がくる 第7回 「帰蝶の願い」~国を豊かにするには海を手に入れることじゃ。国が豊かになれば国がひとつになる

2020年03月02日 | 大河ドラマ・時代劇
 ネットでも話題になってたけど、
 信長( 染谷将太)、朝日の中、舟に乗って海から現われましたよ!
 今までなら、傾いた格好で大根にかぶりついたり、鉄砲を担いでたりしたのに、何と斬新な登場シーン!
 今後の描写としては、常識にとらわれない聡明な人物として描かれるんでしょうね。
 常識外れの人物だから凡人には「うつけ」に見える。
 …………

 物語は帰蝶(川口春奈)の婚姻の話。

 帰蝶を人質として織田に嫁がせるのは「情として忍びない」
 この和議が「情を断ち切ってまでおこなうのに値するもの」なのか?

 光秀(長谷川博己)は迷う。
 当初は「情」に負けて婚姻反対を主張する。

 これに対し、斎藤利政(本木雅弘)は激怒の後、本心を明かす。
「美濃には海がない。尾張には海がある」←『翔んで埼玉』?
「海には魚がいて、港に交易船が入って、市が立ち、富をもたらす」
「国を豊かにするには海を手に入れることじゃ」
「わしの仕事はいくさをすることではなく国を豊かにすることじゃ。
 国が豊かになれば国がひとつになる。
 そのための和議じゃ」

 これが利政の政治ビジョンなんですね。
『豊かさが平和をもたらす』『戦争は国を疲弊させる』
 帰蝶の婚姻に反対する斎藤高政(伊藤英明)や国衆たちは目先のことしか考えていないが、利政はさらに先を見ている。

 利政が光秀に激怒したのは、光秀が高政や国衆たちと同レベルの判断をしたから。 
『政治では、情を断ち切ってやらなければならないことがある』
『聡明なお前がどうしてわからないのだ? どうして情に流されるのだ?』
 利政は激怒しながらこう光秀に訴えている。

 帰蝶も聡明だ。
「イヤだ」という情にこだわりながらも『自分の婚姻が国にもたらすメリット』も考えている。
 だが、嫁ぐ信長が暗愚なら身を賭して嫁ぐ意味がない。
 だから光秀に「信長を見て来てくれ」と頼んだ。

 上手いストーリー展開ですね。
 帰蝶の婚姻~利政のビジョン~光秀の尾張行き~信長登場までの流れが実にスムーズ。
 同時に物語を進行させながら、帰蝶や駒(門脇麦)の気持ちを横糸で織り込んでいる。
「十兵衛、そなたの前はこの帰蝶の目ぞ。しかと見て来てほしい」
 なんて、せりふは実に心憎い。

『知に働けば角が立つ,情に棹させば流される』
 夏目漱石は実に的確なことを書いたなあ。
 今回はこういうお話だった。

 光秀も帰蝶も情を断ち切って、次のステップに行くのだろう。

コメント (4)
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