goo blog サービス終了のお知らせ 

平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

鎌倉殿の13人 第28回「名刀の主」~影の部分を担ってきた梶原景時。その後を託される義時

2022年07月25日 | 大河ドラマ・時代劇
 梶原景時(中村獅童)と義時(小栗旬)は表裏一体の関係だった。
 鎌倉において、景時が矢面に立って悪者になり、義時が「まあまあ」と調整する役まわりだった。
 組織には、嫌われ者になる人、厳しいことをいう人、厳しい判断をする人が必要なんですね。

 結城朝光(高橋侃)の件は、景時、強引すぎたかな?
 亡き頼朝(大泉洋)を慕う朝光の言葉尻をとらえ謀反にした。
 景時にしてみれば、どんな小さな謀反の芽も見逃さず摘んでしまおうと考えたのだろう。
 それが他の謀反を企む者への見せしめにもなる。
 だが強引すぎた。
 まさか実衣(宮澤エマ)が動くとは思わなかった。
 
 傲慢でもあった。
 本人も認めていたが、景時は御家人も頼家(金子大地)も操れると考えていた。
 しかし御家人たちの憎しみは爆発し、頼家も景時をそんなに重要な存在と考えていなかった。

 強烈なプライドの持ち主でもあった。
 後鳥羽上皇((尾上松也))の所へ行くと言った時、景時は頼家が「待ってくれ。考え直せ」と言ってくれるのを待っていたのかもしれない。
 自分が担っている重責を頼家が理解しているのか試してみたのかもしれない。
 そして景時のプライドは流人として生きるよりは武士として華々しく死ぬことを選んだ。
 なまくらではではなく名刀で終わりたかった。

 そして最後の義時への言葉。
 景時は義時に以下のことを確認した。
「すべては板東武者のため。源氏はお飾りに過ぎぬ」
 義時がそれを認めると「ならばおのれの道を進め」。
 景時は義時に後を託したんですね。
 それはおそらく茨の道。
 謀略、粛清、暗殺──今まで景時が担っていたことを義時が引き受けなくてはならない。
 もはやきれいなままではいられない。
 そのための置き土産が善児(梶原善)。
 義時は景時の思いを引き継いだ。

 大河ドラマの主人公が謀略、粛清、暗殺をおこなうのか。
 確かに『麒麟が来る』の明智光秀などは、清廉潔白すぎて物足りなかった。
 これが女性主人公になると尚更。
「いくさは嫌です」「いくさのない世をつくるのだ」は使い古されてもはや響かなくなっている。


※追記
 頼家は情のない人物として描かれた。
 頼朝の次女・三幡(東あさ美)が亡くなった時は悲しむことなく、「入内」のことを気にしていた。
 安達景盛(新名基浩)の妻ゆうをめぐって、忠臣・安達盛長(野添義弘)を斬ろうとした。
 自分の意に沿わぬ者は切り捨てる。
 これはいけない。
 おまけに安達親子を斬れば御家人達から大きな反発が起きるという政治的配慮も欠けている。
 人間性に欠けた愚かな人物が権力を持ってはいけないんですね。
 そう言えば、今の政治家も二代目・三代目ばかりだが……。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする