現在、NHKで放送中の『トットてれび』って、<エッセイドラマ>というジャンルを確立したのではないかと思う。
第5話は黒柳徹子さんと向田邦子さんの物語だった。
黒柳さん(満島ひかり)と向田さん(ミムラ)は大親友で、黒柳さんは、各テレビ局に近かったせいもあり、向田さんの仕事場兼自宅に入り浸っていた。
そこで、おこなわれる他愛もない会話。
そして、向田さんのエピソード。
これらがエッセイ風に淡々と描かれる。
もちろん、そこには、人生の幸福と不幸を見つめる向田さん(=向田さんは写真家の恋人を病気で亡くし、乳がんを患っていた)と人生に幸福しか見ない黒柳さんの違いが描かれるのだが、その描写はあくまで静かで日常的だ。
そして向田さんの突然の死。
台湾に向かう途中での航空機事故。
徹子さんは、向田さんと楽しく食事をした中華料理屋の前に来た時、亡くなった向田さんにこう宣言する。
「向田さん、あたし、面白いおばあさんになる!」
それは向田さんと「私、徹子さんがおばあさんになった時のこと書いてみたいわ」「どういうおばあさんになるのかしら?」と会話したことに対するアンサーだった。
そして、徹子さんはダンスをする。
お洒落なエッセイという感じですね。
劇的なことは向田さんの突然の死なんですけど、それも淡々と描かれて、それでいて徹子さんの向田さんへの思いがしみじみと伝わってくる。
それはまるで向田さんを追悼するエッセイを読んでいるかのようだ。
作品がエッセイ風なのは、原作がエッセイなのと30分という作品枠のせいでしょうか。
さて本日(6/11)の第6話は渥美清さん。
渥美さんがどのように描かれるか?
満島ひかりさんの黒柳さん口調もすっかり板についてきた。
※追記
描かれた向田さんのエピソードとして面白かったのは、森繁久弥(吉田鋼太郎)さんとのやりとり。
向田さん、自分のラジオドラマの原稿が遅れたのにこんな要求する。
「あの、余分なアドリブは入れないで、私の書いたとおりにしゃべって下さい」
すごい。
森繁久弥といえば、あの時代でも〝大家〟だったと思うが、よく言えたなぁ。
あとは、向田さんの玄関のドアに貼ってあった二種類の張り紙のエピソード。
『A.もう一日かけてすばらしい原稿にして下さい』
『B.こんなはり紙をつくる暇があったら一行でも多く書け。クソババア』
向田さんは、シナリオ原稿を取りに来る制作担当者にどちらがいいかを玄関口で選ばせたというのだ。
もちろん、一刻も早く原稿がほしい担当者はBを選ぶ(笑)
当時のテレビやラジオは垂れ流しで、放送されたら消えるものだったので、クォリティとかはあまり関係なかったんでしょうね。
娯楽の選択肢がテレビとラジオだけだったことも影響しているだろう。
実におおらかな時代。
向田さん自身も、自分の作品が後に〝芸術〟ともてはやされるようになるとは、まったく考えていなかったようだ。
第5話は黒柳徹子さんと向田邦子さんの物語だった。
黒柳さん(満島ひかり)と向田さん(ミムラ)は大親友で、黒柳さんは、各テレビ局に近かったせいもあり、向田さんの仕事場兼自宅に入り浸っていた。
そこで、おこなわれる他愛もない会話。
そして、向田さんのエピソード。
これらがエッセイ風に淡々と描かれる。
もちろん、そこには、人生の幸福と不幸を見つめる向田さん(=向田さんは写真家の恋人を病気で亡くし、乳がんを患っていた)と人生に幸福しか見ない黒柳さんの違いが描かれるのだが、その描写はあくまで静かで日常的だ。
そして向田さんの突然の死。
台湾に向かう途中での航空機事故。
徹子さんは、向田さんと楽しく食事をした中華料理屋の前に来た時、亡くなった向田さんにこう宣言する。
「向田さん、あたし、面白いおばあさんになる!」
それは向田さんと「私、徹子さんがおばあさんになった時のこと書いてみたいわ」「どういうおばあさんになるのかしら?」と会話したことに対するアンサーだった。
そして、徹子さんはダンスをする。
お洒落なエッセイという感じですね。
劇的なことは向田さんの突然の死なんですけど、それも淡々と描かれて、それでいて徹子さんの向田さんへの思いがしみじみと伝わってくる。
それはまるで向田さんを追悼するエッセイを読んでいるかのようだ。
作品がエッセイ風なのは、原作がエッセイなのと30分という作品枠のせいでしょうか。
さて本日(6/11)の第6話は渥美清さん。
渥美さんがどのように描かれるか?
満島ひかりさんの黒柳さん口調もすっかり板についてきた。
※追記
描かれた向田さんのエピソードとして面白かったのは、森繁久弥(吉田鋼太郎)さんとのやりとり。
向田さん、自分のラジオドラマの原稿が遅れたのにこんな要求する。
「あの、余分なアドリブは入れないで、私の書いたとおりにしゃべって下さい」
すごい。
森繁久弥といえば、あの時代でも〝大家〟だったと思うが、よく言えたなぁ。
あとは、向田さんの玄関のドアに貼ってあった二種類の張り紙のエピソード。
『A.もう一日かけてすばらしい原稿にして下さい』
『B.こんなはり紙をつくる暇があったら一行でも多く書け。クソババア』
向田さんは、シナリオ原稿を取りに来る制作担当者にどちらがいいかを玄関口で選ばせたというのだ。
もちろん、一刻も早く原稿がほしい担当者はBを選ぶ(笑)
当時のテレビやラジオは垂れ流しで、放送されたら消えるものだったので、クォリティとかはあまり関係なかったんでしょうね。
娯楽の選択肢がテレビとラジオだけだったことも影響しているだろう。
実におおらかな時代。
向田さん自身も、自分の作品が後に〝芸術〟ともてはやされるようになるとは、まったく考えていなかったようだ。
「トットてれび」第5話、面白かったですね(^^)
留守番電話の使い方が良かったと思います♪
間違えて、「とと姉ちゃん」のレビューのTBをかけてしまいました(汗)
申し訳ありませんm(__)m
お手数おかけますが、削除して下さい。
これからもよろしくお願いします(^^)
了解しました。
最終回は森繁久弥さんですね。
どのようなエピソードになるか楽しみです。