平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒14 「右京の同級生」~どんな法も規範も人を救えなければ正義の名に価しない

2016年02月18日 | 推理・サスペンスドラマ
 ふたつの犯罪があった。
 ひとつは、苦しむオーバーステイの外国人労働者を逃がす犯罪。
 もうひとつは、外国人労働者斡旋ビジネスで不正なカネをむしり取る犯罪。コカインの密輸という<裏の錬金術>もやっていた。

 前者は、弱い者に寄り添い、権力と闘った犯罪だ。
 一方、後者は、強請り、密輸など、ひたすらカネ目的。
 エルトリア国、外務省、警察庁といった権力をバックに置いた犯罪でもある。

 そして、皮肉なことに、
 慈しみで罪を犯した者は逮捕されて、巨悪は逮捕されないんですね。

〝口利き疑惑〟の甘利明が逮捕されないのと同じ。
 この男、後日、改めて説明すると言いながら、睡眠障害と称してまったくオモテに出て来ない。
 本当に卑怯だ。
 どこが潔い武士なのか? 完全に悪徳代官ではないか。

 話が逸れてしまったが、強い者が守られて弱い者が守られない状況に関して、医師の小峰律子(竹下景子)は言う。
「どんな法も規範も人を救えなければ正義の名に価しない」
 確かに、そのとおりだ。
 法律は強い者のために作られている。
 権力は自分たちの仲間を守る。

 これに対して、右京さん(水谷豊)は<法律至上主義者>だなぁ。
 悪法も法なり、というスタンス。
 もちろん右京さんも強者を逮捕できないことに、はらわたが煮えくりかえっているんですけどね。
 だから成田空港ではこのせりふ。
「われわれが必ずあなたを立件しますよ!」
 すると、悪党は笑って、
「やれるもんならやってみろ!」

 この現実に、法をつかさどる法務省出身の冠城(反町隆史)はフクザツでしょうね。
「どんな法も規範も人を救えなければ正義の名に価しない」という小峰律子の言葉が突き刺さったはず。

 今シリーズでは、何らかの形でカイト話の決着がつけられるのだろうが、カイトもまた今回の入国警備官・野坂(春田純一)のように、法の限界を感じて行動を起こしてしまった人間だった。

 法と警察組織の枠の中で正義を実現しようとする右京と、法から外れても正義を実現しようとするカイトや野坂たち。
 今回は、このテーマが全面に出たエピソードでした。


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