平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

おかえりモネ 第3週~百音が3・11を乗り越えていく物語

2021年06月05日 | その他ドラマ
「色気だだ漏れ」
 ひさしぶりに亮(永瀬廉)に会った明日美(恒松祐里)はこう言って胸をときめかせる。
 これを聞いた百音(清原果耶)の妹・未知(蒔田彩珠)は寝たふりをしながら、コクコクと同意。笑
 一方、百音は亮のどこが「色気だだ漏れ」なのか、理解できない……笑

 百音は典型的な『朝ドラヒロイン』ですね。
 恋愛ごとに極めて鈍い。
 ともかく恋愛ごとからかけ離れている。

 一方、亮はおそらく百音のことが好きなんだろうけど、
 百音の近くには気象予報士の朝岡(西島秀俊)や診療所の医師・菅波(坂口健太郎)というふたりの大人の男性がいる。
 で、亮のことを好きなのが明日美と未知!

 ぐはっ!
 客観的に見ると、何というドロドロの恋愛関係なんだ!
 でも、ドロドロにならないのは百音が透明感のある朝ドラヒロインだから。
 …………………………

 3・11が描かれた。

 音楽学校の試験が不合格で、父・耕治(内野聖陽)とジャズ喫茶に行って、
 演奏を聴こうとした時、時計が2:46分になって……。

 翌日の放送では、車の渋滞と震災を告げるラジオの放送で始まり、
 百音と耕治 は故郷の亀島と気仙沼が見える高台に行って、気仙沼の街が燃えていて……。

 上手い描写だと思う。
 2:46~翌朝の故郷の様子を見に行くまでが具体的に描かれなくて、
 視聴者にいろいろなことを想像させる。
 この間、百音はどのような思いで過ごしたのだろう?

 2:46~の時間は、視聴者にもそれぞれの時間があって、あの時のことを思い出させる。

 3・11は僕たちの心に深い影を落としていると思うよ。
 僕も津波の映像とかを見ると、思わず目を背けてしまうもの……。
 3・11以降、日本の社会がおかしくなっている気もするし。

 僕たちはまだ3・11を清算し切れていなくて、何らかの形で乗り越えなくてはいけないのだと思う。
 そうしなければ前に進めない。
 それは百音も同じで、この作品は百音が3・11を乗り越えていく物語でもある。

 だとすると、百音と共に3・11を考え、乗り越えていけたらいいな。
 それは素晴らしいドラマ体験になると思う。


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