平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

華麗なる一族 第9話

2007年03月12日 | その他ドラマ
 エンタテインメントとは?
★対決すること
★勝利すること(あるいは敗北すること)
★真実が明らかにさせること
 「華麗なる一族」第9話は、鉄平(木村拓哉)と万俵大介(北大路欣也)の父子対決。
 「突貫工事に危惧を抱いて20億の追加融資を撤回した」という嘘と「阪神特殊製鋼を倒産に追いやり、100億の融資を行った大同銀行の三雲を辞職させ、大同銀行を吸収合併する」という真実を明らかにするという話。
 この点で豊かなエンタテインメントになっている。
 思えば推理ドラマなどもそう。
 犯人の隠蔽した真実を明らかにして逮捕する。

 キャラクターが立つ時はどんな時か?
★理想を語る時
★葛藤を重ねて本音を語る時
 鉄平は裁判で理想を語る。
「製品で世界に対抗する。そんな製品を作るために突貫工事を行った。企業の志が否定されるなら、この国に未来はあるのか?」
 一子(吹石一恵)は本音を吐露する。
「お父さんのためにみんなが我慢をしているから、この家はおかしくなるのよ。二子も鉄平兄さんのために佐橋総理との婚約をしたのに、今は閨閥結婚でしかない」
 一子の発言に反論した相子(鈴木京香)に寧子(原田美枝子)は言う。
「一子さんの言っていることは間違っていない」
 抑えに抑えていたものが爆発する時、キャラクターは立つ。

 キャラクターが立つ時については、さらにふたつ。
★自分自身である時
★自分を見出した時
 理想を信念として語る鉄平はまさに自分自身である人。
 無一文になっても鉄平についていくという妻・早苗(長谷川京子)は「私は万俵鉄平の妻です」と言って、自分自身を確認した。
 先程の一子と寧子もそう。一子は美馬についていけず家を出た。父に意見した。寧子も相子に意見した。
 そして今回のキーマン銭高常務(西村雅彦)。
 理想に燃えて鉄平と融資先をまわり、高炉建設が決まって喜びを分かち合った思い出を呼び起こす。それは保身のために自分を偽っている姿より自分らしい姿。自分が世の中に誇れる姿。
 葛藤の末、銭高は自分自身を見出した。
「私だって鉄鋼マンのはしくれですから」
 彼は阪神銀行ではなく、鉄鋼マンに自分自身を見出した。
 そして大介の指示で偽装を行ったと証言した。

 この様に壮大なスケールでエンタテインメントを描いてきた「華麗なる一族」。
 次回は「真実を偽り」「大川や鉄平、そして家族を切り捨ててきた」大介の生き様が問われることになりそうだ。
 予告を見る限り、おそらく大介は勝利するのであろう。
 しかし勝利して彼が得たものとは?
 楽しみだ。

 最後にかっこいいと思ったのは、銀平(山本耕史)。
 グデングデンに酔っぱらって批判を言う。
 その批判はふがいない自分に対してのもの。
 これは鉄平の強さとは180度違う弱さ。
 しかしかっこいい。
 弱さを吐露してこんなにかっこいいキャラはそうそういない。



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