フォンテーヌの家  わたしのつぶやき

横浜市南区で趣味の会[フォンテーヌの家」 

宮沢輝著「螢川・泥の河」を読みました。

2007-06-13 21:29:49 | 読書会
宮沢輝著「螢川・泥の河」を読みました。
第一声「凄い本だね・・・」でした。

「泥の河」は、終戦後のまだ世の中が落ち着かない大阪の河の近くの
うどん屋の息子と郭船の姉弟の交流を書いています。

うどん屋の息子が郭船の主(姉弟の母親)に、初めて逢ったときの
感覚が、男の子というより、男性だったのです。
同じ年頃の孫息子を持つ身としては、少々気になりましたが、
メンバーは「生まれたときから男は男」と言われました。
飛んでもなく鈍い私には解ったような解らないような・・・。

男の子二人で祭に行って、お小遣いを落としてしまう。
その為に欲しい物を買えなかった郭船の男の子が、
おもちゃのロケットを盗ってしまう。
其れを知ったうどん屋の子が「ドロボウー、ドロボウー」と言って許さない。
郭船の子は「もう絶対に盗らないから、ゆるして」という。
子どもの正義感の強さを描く著者に感心していました。

うどん屋の母親が、郭船の女の子の髪を結ったり、
洋服を着せたり世話をやくが、娘は帰るときすべて置いていく。
欲しいだろうに置いていく娘心が痛々しく、
そんな女の子の心理をつかむ著者に感心していました。

・・・登場人物の心理描写が凄い・・・

「螢川」にも、今はみられない人情、人の繋がりが書かれていて、
生と死を描く、その感性や表現に絶賛していました。
コメント
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