フォンテーヌの家  わたしのつぶやき

横浜市南区で趣味の会[フォンテーヌの家」 

十代より 恩師の側で 半世紀 

2014-06-17 20:13:48 | 想い出
6月17日 火曜日 晴れ時々曇り

今日は春の生涯学習の最終日。
大学時代の恩師の講座を、朝日カルチャーや生涯学習でかれこれ30年くらい聴講している。
この歳になってもまだ恩師の近くに居られる幸せをずっと感じていた。
でも、それは今日でお終いになる…。

講座が終わり、部屋を出る前に「単発で講座がありましたら、お声をかけて下さい」とお願いした。
先生も「そうしますよ」と。

理科系を希望していたわたしが、高校時代身体を壊し文系にしか行かれなくなり英文科で入学。
その時の担任が国文学の先生…、今日の生涯学習の講師…。
2年になるとき、転科試験を親に内緒で受け国文科に籍を置き、ずっと先生のご指導を受けている。

生活を楽しむ術を、先生から教えられた…。
一冊の本を読んでいても、気になることがあればそれを調べる。
それは学問だけでは無く、料理や洋裁などいろいろな面に応用されて来ている。

無駄をしない。コレも先生の教えの一つのような気がしている。
虫喰いだらけで本として用をなさなくなった本の、良いところだけを切り取り栞を作ったりなさる。
わたしも何枚か戴き、今も大切に使っている。

あるとき、ご自宅の研究室に、無造作に帯がクルクルっと巻いて置いてあった。
それは、わたしの好きな色合いのたつむらの名古屋帯。
「これは?」と先生に質問すると、「本の表紙にするつもりで買って来た」と先生のお返事。

本の表紙にするために、この帯を切ってしまうのは勿体ないと思ったので、そのままを言葉に。
二千万円の本の表紙だから勿体なくないでしょう、と先生はおっしゃた。
わたしが帯として使えば、娘の代までも帯として使えるのに、とわたし…。

それから、数ヶ月して先生から「あの帯を譲るから、近々来なさい」とお声がかかる。
早速、あるじと一緒に伺い、帯を譲って戴く。嬉しかった…。
表紙にしようとするけれど、「帯として使える」と言うわたしの言葉が気になって駄目なのだとか。

その帯は今でも大切にわたしが使っている。
昨年も「先生ご夫妻を囲む会」の、パーティーにそれを締めていった…。
コメント
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