ギリシャ チプラス首相が問題が大きすぎてEU側は潰せないだろう。との思惑から国民に反対を呼び掛けつつ国民投票に委ねたことから、マジメに連日議論してきたユーロ圏諸国の怒りを買ってしまいました。よりによって中国が主導するAIIBが57か国の参加で署名が行われる記念すべき日にです。参加するEU諸国はギリシャの債務不履行・EU離脱を控え、本音ではAIIBの話をしている場合ではないでしょう。当事国ギリシャは恐慌の始まりで今日から6日間銀行営業の停止・送金などの停止を求める資金移動規制を導入し、アテネ証券取引所も一時休場です。ギリシャ市民にとってはチプラス地獄の始まりです。銀行は営業を再開した時点で取り付け騒ぎが起こるでしょう。場合によってはチプラス政権は責任回避のために国民投票の結果が出るまで市場を再開しないかも知れません。状況が理解されればギリシャ国民は銀行が潰れ自分たちの預金が紙くずになる選択はしないでしょうしチプラス首相は一連の金融を混乱させた責任を負わなければならないでしょう。では日本人投資家はどう立ち回れば良いのか?今日は寄付きから円高と日経平均は500円を超える下落です。今後は欧州の反応次第ですが、ザックリ以下を自己判断で参考にして下さい。ただ今日も上海株式市場、当局が株価維持のための金融追加緩和をしたにもかかわらず5%近くの急落です。何が起こっているのか少し様子を見るべきでしょう。
もしギリシャ問題や関連する国の経済混乱で米株安とドル安が同時進行すれば、国内株式市場においては、円高の進行によって、輸出国際優良株が多く含まれる、大型株の不振が見込まれる。米国株価の下落により外国人短期筋が、リスク回避型の投資行動を推し進め、日本株にも売りを出そう。そうした外国人短期筋は、主として大型株を投資対象としているため、この点でも当面は大型株が劣位となりそうだ。
一方、年金など外国人長期筋は、個々の日本企業の収益改善傾向に着目し、個別に利益増を達成しそうな銘柄を丹念に発掘している。そうした利益の変化率が高い企業は中小型株に多く、外国人長期筋の地道な買いが、中小型株の株価を支えそうだ。