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中国発世界大恐慌の実現性は?「中国はもう詰んでしまった。」問題はいつ起きるかだ。

2016-02-11 06:45:12 | 日記

自ら中国で会社を経営し、中国経済に詳しい大前研一氏が中国経済は「詰んで」しまった。と穏やかではない警笛です。特に筆者が目を引くのが、『中国国内で投資先を失ったお金のエクソダス(大脱走)が加速している。人民元は個人は年間約120万円しか海外に持ち出せないが、中国本土から人民元を香港などに違法に送金する「地下銀行」を運営していた300人余り、総額8兆円近くが摘発された例もある。資金の海外流出は必然的に人民元安と株安につながる。』の部分です。中国はアングロマネーが飛び交っており、それがGDPをより解りづらくしています。ただ、8兆円もの巨額のマネーが当局に抑えられたとなると実体経済への影響は必至です。それが昨年来の上海株の暴落に繋がったのであれば理解できます。いずれにしても火薬庫を近隣に抱え好むと好まざるとに関わらず経済大混乱の巻き添えは必至です。国民的議論が起こっていない憲法改正より経済対策を優先すべきです。

以下コピー

中国経済はもはや破綻が起きるか否かが問題ではなく、いつ起きてもおかしくない状況なので、もはや経済政策の打ち手はないと経営コンサルタントの大前研一氏はいう。それでも危機を回避するにはどうしたらよいのか、大前氏が解説する。


 かつてアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領が世界恐慌(1929年~)を克服するために行なったニューディール並みの政策で有効需要を創出しようと思っても、すでに中国では高速鉄道、高速道路、空港、港湾、ダムなどの大型インフラはあらかた整備済みで、乗数効果のあるインフラ投資の領域は見当たらない。

 しかも、一人っ子政策を続けてきたせいで今後は高齢化が急速に進展するが、介護や年金などの社会保障を支える人材・予算が大幅に不足している。

 さらに「理財商品」という隠れた爆弾もある。これは短期で高利回りをうたった資産運用商品で株式ブームの前に人気となり、集まった資金が主に地方政府の不動産開発やインフラ整備などの投資プロジェクトに流れたとされる。今後はそれらの投資プロジェクトが行き詰まり、理財商品を発行した「影の銀行」が損失を受けてデフォルト(債務不履行)を起こす可能性があるのだ。日本のバブル崩壊でノンバンクが次々に倒れたのと同じ現象だ。

 そして、中国国内で投資先を失ったお金のエクソダス(大脱走)が加速している。人民元は個人は年間約120万円しか海外に持ち出せないが、中国本土から人民元を香港などに違法に送金する「地下銀行」を運営していた300人余り、総額8兆円近くが摘発された例もある。資金の海外流出は必然的に人民元安と株安につながる。

 

鳴り物入りでスタートした中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)も、中国にはプロジェクトを審査して遂行していく能力があるマネジメント経験者がいないから、ことごとく失敗するだろう。

 以上が中国トラブルの一覧だが、まるで先進国がこの100年間に経験してきたことを10年間に凝縮したかのようだ。しかも、その規模は10倍に膨れ上がり、対する政府の能力は100分の1ぐらいしかないといった状態である。

 もはや中国は習近平政権に限らず、誰をもってしてもコントロールできなくなった。コントロール・フリークが、コントロールしてはいけないものをコントロールしたから、そうなったのである。行き着く先は、超元安&ハイパーインフレしかないだろう。

 いずれにしても、もう中国は「詰んで」しまった。中国発の大恐慌は不可避であり、導火線に火がついてじりじりと燃えている状態だ。これまで中国は世界の景気を支えてきたが、それが全部ひっくり返って日本もその他世界も大混乱に陥る。その余波はサブプライム・ショックやリーマン・ショックよりはるかに大きく、アメリカ発の世界恐慌と同じぐらいか、もしかするとそれ以上かもしれない。

 その危機に備えよと言っても、何が起きるか予想がつかないので、備えようがない。世界恐慌が軍需景気を待望して第2次世界大戦につながった歴史の教訓に学び、中国の動向を注視しながら諸外国に対する攻撃の口実を与えないよう柔軟に対応するしかないだろう。

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