大阪市に次いで2位に入った福岡市は九州出身の若い女性が多く異色です。いつでも実家に戻れる範囲だからだそうです。しかも、福岡市は住民の女性比率が半数以上。又交通網の拡大により比較的安価で住みやすい東京圏が人気です。人口が地方から都市へと移動していることが証明されます。自治体ワーストは『転入超過の自治体』の隣接や地元密接大企業が撤退した地方が多いです。不動産屋的な見方をすると、人口減少している自治体での不動産購入は控え、賃貸に切り替えた方が得策です。東京圏では人気がある転入超過地域が購入に向いています。住宅はローン金利低下もあり、今後活況が予想されます。株価が不安定で、マイナス金利の煽りで預金金利も限りなくゼロであれば、今後起こり得るインフレ対策にもなる不動産に資金が向かうと考えるべきでしょう。
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人口減少に悩む自治体がある一方で、「勝ち組」とも言える転入超過の自治体がある。
2015年最も転入超過だった自治体は、+11,662人の大阪市(大阪府)だ。
次いで2位が+8,880人で福岡市(福岡県)、3位が+8,173人で札幌市(札幌市)、4位が+7,869人で川崎市(川崎市)、5位が+7,276人で名古屋市(名古屋市)、6位が+6,921人でさいたま市(埼玉県)と、ここまでが全てが政令市、しかも川崎以外は全て県庁所在地だった。
7位以降は+6,164人で世田谷区(東京都)、8位が+5,163人で江東区(東京都)、9位が+4,911人で品川区(東京都)、10位は+4,715人で板橋区(東京都)と、東京23区の自治体が続く。
人口が地方から都市へと移動している現状が、こうした数字からも明らかになる。
転入超過が大きかった一般市に目を向けて見てみる。
一般市で最も転入超過となったのは、吹田市(大阪府)で+3,178人と、全体1位の大阪市同様大阪府内の自治体となった。
次いで2位が+2,989人で流山市(千葉県)、3位が+2,233人で藤沢市(神奈川県)、4位が+2,181人で越谷市(埼玉県)、5位が+2,062人で柏市(千葉県)、6位が+1,902人で習志野市(千葉県)、7位が+1,893人でつくば市(茨城県)、8位が+1,661人で調布市(東京都)、9位が+1,601人で市川市(千葉県)、10位が+1,522人で豊中市(大阪府)と、大阪の自治体以外は、全てが関東の自治体となっているのも特徴と言える。
都市ブランド構築の事例として取り上げられることの多い流山市をはじめ、柏市、習志野市、市川市と、ベスト10に4市も千葉県の自治体が入っていることも面白い。
とくに市川市は、2011年には転出超過が3,160人、2012年に至っては▲2,750人で全国で最も転出超過の大きい自治体だった。それが2013年に▲418人、2014年に+1,877人と転入超過に転じ、2015年も+1,601人でベスト10入り。安定した転入超過になってきている。
<図表3>都道府県別 転入超過自治体(一般市)ベスト50内数
一般市における転入超過自治体を都道府県ごとに見ても、その結果は顕著に出ている。
ベスト50市のうち、千葉県9市、東京都9市、埼玉県8市、神奈川県3市と、ここまでだけでも29市になる。茨城県と群馬県を入れると関東だけで32市にものぼる。
都市部の人口増加はもちろんだが、それ以上に「東京一極集中」による東京圏への人口移動があるように見える。
自治体の人口増加については、新たに鉄道が走る、駅ができる、といった要因や、大規模開発、駅前の大規模マンション建設といった要因も大きいが、こうした構造的人口減少社会の中で、すでに自治体間による人口流入の政策競争が始まっていることを認識しながら、各自治体は長期戦略を練っていく必要がある。
<データ1>転出超過自治体ワースト15(2015年)
1位 北九州市(福岡県)▲3,088人
2位 横須賀市(横須賀市)▲1,785人
3位 長崎市(長崎県)▲1,574人
4位 日立市(茨城県)▲1,504人
5位 青森市(青森県)▲1,436人
6位 寝屋川市(大阪府)▲1,363人
7位 呉市(広島県)▲1,345人
8位 下関市(山口県)▲1,330人
9位 東大阪市(大阪府)▲1,186人
10位 姫路市(兵庫県)▲1,173人
11位 静岡市(静岡県)▲1,168人
12位 堺市(大阪府)▲1,097人
13位 枚方市(大阪府)▲1,090人
14位 宇治市(京都府)▲1,083人
15位 浦添市(沖縄県)▲1,066人