『名も無く豊かに元気で面白く』

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健康格差「ニューヨーク市の最貧地区の平均余命は、同市内の最も裕福な地区より8年も短かかった」

2016-09-20 07:57:14 | 日記

昨日テレビでも「健康格差」放映されていましたが、ニューヨーク市の健康格差は他国の事ではなく、日本でも急速に拡がっています。『要介護になりやすい低所得層 高所得層の5倍にも』とのデータもあります。「所得や働き方の違いがあなたの命をも脅かす。日本では今、職業、経済力、家族構成や地域などによって、病気のリスクや寿命に格差が生じる「健康格差」の問題が深刻化している。」貧困も昔のイメージとは異なり、健康意識の低い、肥満の人が多いようだ。安倍首相も何千億円も使う難民支援より先に国内での特に自分たちでは選択できない子供の❝健康格差❞対策を早急にすべきです。さらに、低所得高齢者も『2030年には47万人が「死に場所難民」』の問題を抱えています。

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年をとればとるほど一番大切なのは健康ですが、その健康にも所得による格差が存在します。簡単なイメージでも、所得が高い人ほど健康への意識が高く健康へ使える金額が高いことや医療への金額が高くなり、逆に所得の低い人ほど健康への意識が低く目先のことしか考えないために食生活も乱れがちです。そして体調が悪くなってもお金がかかるという理由で病院へなかなか行かずに結局悪化させて大きな金をかかってしまうことになりがちです。そのイメージが事実である研究結果もあります。

国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩・社会保障応用分析研究部長の調査によると所得の低い家庭の子どもは入院する割合が高く、病気からの回復力も落ちるなど、所得による健康格差があることがわかった。2001年に生まれた子ども約5万人を対象に、毎年健康状態などを追跡している厚生労働省「21世紀出生児縦断調査」の7年間のデータを分析。子どもがいる家庭を貧困層(4人家族で年間世帯所得250万円未満)と非貧困層に分け、毎年の入院の有無、ぜんそくやアトピー性皮膚炎など六つの慢性疾患の通院の有無を比較した。その結果、2歳時点で貧困層は非貧困層より1・3倍も入院する危険性が高かった。ぜんそくによる通院割合は1歳時点で貧困層が非貧困層より1・35倍高かった。また、3歳時に入院経験のある子どもが、6歳時に入院する確率は所得が低いほど高く、過去の病気の影響をその後も引きずっていることも示唆された。

阿部部長によると、所得の低い家庭の子どもは食事の栄養バランスや住環境が悪いことなどから病気になりやすく、回復力が低い可能性がある。生活に追われる親は、子どもの体調の変化に気づきにくく、入院するほど悪化する前に医師に診てもらう時間的余裕がないことなども原因と推測されるという。

日本は医療自己責任、ワーキングプアは病院に行けない

米国や英国ですでに健康格差が存在するのは周知の通り。低所得者層は食生活や健康管理に気を配る経済的ゆとりはなく、肥満になりやすいです。ココ日本でもそれは事実です。また貧困層ほど先を考えない、すぐ快楽に走る、面倒なことはしない、の短絡思考3点があり、大阪大学の池田教授によれば 「貧乏な人ほどせっかちであり、肥満になるという将来の不利益を、きちんとコスト換算できない、だから、目先の食欲を我慢できない」 という研究結果も出しています。そして肥満や不健康な生活は、健康な体を蝕み、寿命を短くし、いろいろな病気を発生させます。しかしお金と性格の問題で病院に行かないために不健康な人生を送る人が多いのです。

例えば、ワーキングプアの中年男性の一例です。全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)の調査結果です。

40歳の非正規雇用の男性は、病院を訪れた日から、なんとわずか4日後に亡くなっている。原因は肺結核だ。神奈川県にある会社の寮に住み込んで働いていたが、健康保険証は持っていなかった。体調が悪化しても病院に行かずにいたが、そうこうするうち症状が重篤化。受診したときには、完全に呼吸不全に陥っていた。引っ越し代で貯金が底をつき、国民健康保険に加入できなかった男性(47歳)は、もとトヨタの期間工だった。リーマンショックで解雇され、寮を出てアパートに越した。そんなとき、以前から抱えていた体の不調が一気に悪化。それでも「お金がないから」と診察をためらい続けていた。ようやく受診すると、尿管ガンと診断される。ガンはすでに骨や脳に移転しており、たった4ヵ月の闘病生活の末に亡くなってしまった。

今や日本の人口1000人あたりの医師数は2.1人。OECD30加盟国の中ではビリから3、4番目という体たらくです。医学部の定員は削減され、人員不足で勤務時間が殺人的な研修医で人が育たない環境でもあります。人件費と物価は上がる一方なのに、診療報酬だけが減らされて経営が立ち行かず、赤字病院がどんどん閉鎖されています。それでも国の財政は逼迫し、増税をしても医療費は削減しなければならない状況です。増税が全額社会保障に使われるなんてのは詭弁で、いつもそうやって国民を騙して増税した分は別のことに使ってきたのはもう説明するまでもありません。

結果的に、今の日本は医療自己責任になっています。そのため病院に行ける・行けないがもろに健康に影響するのです。その判断の一番の理由はお金、所得にあるのは言うまでもありません。所得格差は健康格差に直結しています。ただし上記で説明の通り貧困層には短絡的思考で生きている方が多いために、自己責任の余地が多いのも事実なのは確かです。結局のところ健康もお金も、自分がなんとかしようとする意志がなければついてこないのです。自助努力を怠っては、日本ではよい生活は築けません。

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