『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

ノーベル経済学賞2人、研究❝800万円以上の年収を得ても、幸福度指数は上がらない❞

2016-09-22 08:27:41 | 日記

筆者はお金のあるみじめを迷わず選びます。お金のある不幸の方が「見た目もみじめではない。」お金のない不幸は他人の目にみじめに映ります。「お金のない幸福」ならば迷わずこちらを選びますが、人は老いて総括が出来るまでは判断できない。茨城で今年、筆者は車の自損故障でたまたまその場に居合わせた見知らぬ4人家族に助けられましたが、筆者には無い家族の強い絆を感じ、この家族は幸せな家族なんだな。と強く感じました。幸せの深さは収入では測れませんが、老後も、預金に頼らない一定の収入が必要です。

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「お金のある不幸」と「お金のない不幸」どちらがいいと思う?

上記の問いは『ナニワ金融道』の著者故青木雄二先生から私に投げかけられたものです。読者のみなさんは、どちらを選びますか?

今回は「お金は本当に人を幸せにするのか?」について考えてみましょう。

■故青木雄二先生との出会いが人生を変えた

もう20年以上も前の話ですが、私は出版社の編集の仕事をしていました。

『ナニワ金融道』が大ヒットしていた時代で、私は漫画ではなく、エッセイを書いていただけないかと青木雄二先生に会いに行ったのです。

そうして生まれたのが青木先生の最初のエッセイ『ゼニの人間学』でした。おかげさまで、この本は30万部を超え、その後文庫にもなり大ベストセラーになりました。

冒頭の問いかけは、先生の自宅へお邪魔したときのものです。

このとき私は、「お金のある不幸」と答えました。
しかし、先生の問いかけは、20年以上経ったいまも私の中に残っています。私にとって生涯のテーマといっても過言ではありません。

私は、青木先生にお会いして、いろんな影響を受けました。
考えてみれば、「お金」に興味を持ったのも、青木先生との出会いがあったからです。

私だけではありません。
世の中には「お金と幸福」の関係について、様々な観点から調査や研究が行われています。そんな調査・研究をいくつか紹介しましょう。

■年収○○○万円が幸せのピーク?

「お金で幸福は買えるか?」経済学の観点からその疑問に答えた人物は2人います。ノーベル経済学賞を受賞した心理学者ダニエル・カーネマンと経済学者アンガス・ディートンです。

2人の研究結果は、7万5000ドル(日本円にして約800万円)以上の年収を得ても、幸福度指数は上がらないというものです。

一般的に収入が上がるほど幸福度は増すと考えられがちです。しかし、2人の研究結果では、前述の数字に達してからは幸福度が上がらなくなり、むしろ下がるというのです。

収入が少ないと心理的な苦痛をともないますが、たくさんお金があるからといって、必ずしも幸福になれるわけではないのですね。

■年収1000万円のお父さんは幸せではない?

博報堂ブランド若者研究所(NTTインターコム:協力)の調査で『人生とお金の満足度』があります。それによると年収1000万円のお父さんはやはりあまり幸福でない人が多いようです。

おそらく、お金と引き替えに、仕事の重圧や忙しさにより、家庭などが犠牲になっている場合が多いのでしょう。

興味深いのは、この調査では年収300万円のお父さんの中にも、幸福度70点以上という人が半数いたことです。一方で年収1000万円の人には、幸福度70点未満の人が3割強いるという結果でした。

幸福度が高いけれど、年収が低い人を「ハッピー父さん」として、その特徴を下記の様に表しています。

▽出世競争から降りている。
▽家族の仲が良い。
▽地域のつながりが強い。

一方、年収が高いけれど、幸福度が低い人を「不機嫌父さん」として、その特徴を下記のように表しています。

▽大企業のミドルが多い。
▽多忙で身動きが取れない。
▽自己評価は高いが、それに見合った能力がない。

これをみると、必ずしも「高収入が幸せの宝のカギ」というわけでもなさそうですね。

■「他人との比較」をやめれば、幸福になれる?

幸福度というのは、個人の主観に左右されるものです。しかし、一般論として、幸福を望むのであれば「やってはいけない」こともあります。それは「他人との比較」です。

たとえば、給料が上がれば幸せな気分になります。
でも、同僚の給料が自分より上がったことを知ると、幸せな気分が吹き飛び、嫌な気分になりませんか? このように幸福度は「相対的なもの」で感じたりすることが多いのです。

こうした気分の変化を、経済学では「相対所得仮説」といいます。

それは自分の所得だけでは幸福度は決まらず、他人との比較や周りの環境などで幸福度が決まってしまうというものです。

他人との比較が原因で嫌な気分になる。それは「嫉妬」と言い換えることもできます。

「嫉妬」が原因で大切なものを失った経験はありませんか?

もちろん、社会で他者と関わりを持って生きている以上、「他人との比較」「嫉妬」を完全になくすことはできません。大切なのは過剰に意識しないこと。自分を見失わないことです。

むしろ、「他人との比較」「嫉妬」をバネに自分自身の成長につなげることが大切ではないでしょうか。

■所得が低いのに若者の幸福度が高い理由

さて、いまの若者は非正規雇用が多く、所得も低いです。

にもかかわらず、自分が不幸と感じる人は少ないといいます。それはなぜでしょうか? そうです。自分の周りでも、同じような所得の人が多いからだと考えられます。

私のようにバブル時代の好景気を経験した人間から見ると、「なんてつつましい生活なのだろう」と思ってしまうのですが、同年代ではそれが普通ですので不満は少ないのでしょう。同世代の年収が自分と同じくらいなのですから、その年収に対して満足をしているのであれば、むしろ幸福度は増します。

確かに、それもひとつの考え方です。
でも、若いうちは現状に満足せずにチャレンジすることも大切ではないでしょうか。せっかくの「未来の可能性」を放棄してしまうのは、もったいないと思います。

最後にスティーブ・ジョブスの言葉で締めくくりましょう。
「Stay hungry, stay foolish」(ハングリーであれ、愚かであれ)
長尾義弘(ながお・よしひろ)

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