筆者は過去2回の消費増税反対派でしたが、財政健全化には何ら、手を打たず、景気の落ち込みだけを防ぐお約束の3度目の消費増税延期は受け入れられないでしょう。年金給付開始年齢の引き上げなど痛みを伴う何らかの手を打たなければなりません。「悲願の憲法改正」を達成するために財政健全化を置き去りする政策を実行するのは本末転倒です。
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政府が9日に決定した経済財政運営の基本指針「骨太の方針」は、財政再建より経済成長を重視する姿勢を鮮明にした。
加えて、消費税率10%への言及がなくなったことで、2019年10月に予定される増税を三たび延期する布石を打ったとも見え、論議を呼びそうだ。
骨太方針は、財政健全化の指標として、国内総生産(GDP)に対する債務残高比率の「安定的な引き下げ」を新たに設定した。経済成長によって分母となるGDPを膨らませれば、財政赤字が拡大しても指標が改善する場合があり得る。20年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化の目標は維持するものの、政府は新指標に力点を移す可能性が高い。
14~16年の骨太方針に盛り込まれていた「消費税率の10%への引き上げ」の文言は消えた。政府関係者は「仮に消費増税を先送りしても、経済成長さえすれば財政再建をアピールしやすい」と解説する。
安倍晋三首相の自民党総裁としての任期は18年9月までだが、20年の新憲法施行を目指す意向を表明するなど既に3選を織り込んでいる。首相としては、在職中に悲願の憲法改正にこぎ着けるためにも、政権の体力を奪う増税は避けたいのが本音だ。