『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

“人工知能 天使か悪魔か2017”「時給20ドル以下の仕事」83%AIが優勢、「時給40ドル以上」では4%

2017-06-29 06:05:39 | 日記

某放送局で放送されていたスペシャル「人工知能 天使か悪魔か 2017」の感想です。いまや証券取引の8割は10億分の1秒を争う人工知能が担っていること、タクシー運転手がお客さんを探すためのAIを導入したところ、乗客数が2割増しになったことなどが紹介されていました。人工知能は、いま信じられない速さで進歩し、日常に普及し、私たちの生活を変えています。この進歩は止まることはありません。ただAIに仕事を奪われる人々が出てくる。それに対して、経済協力開発機構(OECD)の研究者は『今後10~20年の間で存亡の危機にさらされる仕事は全体の9パーセントに過ぎない』と楽観的な見方をしています。しかし、AIは予想をはるかに超えた進化を続け、時給20ドル以下の仕事が完全になくなることはないとしてもAI格差拡大はどんどん始まるのです。日本の中学生の4割がロボットの発達による将来の就職への不安を肌で感じています。AIは高齢化に悩む日本に対して新指標を明示しています。今回の番組とは関係ありませんが❝AIが膨大な資料を解析し、日本の社会構造を詳らかに分析した。その結果、日本の未来を変えるカギを握っているのが、高齢者でも子どもでもなく、「40代ひとり暮らし」であることが判明❞10年後にはAI導入が本格的になり、社会観が一変するかもしれませんね。

以下コピー

将棋界の最高位・佐藤天彦名人を最強の人工知能が激突する。最後の牙城だった佐藤名人も完膚なきまでに叩きのめされた。もはや人工知能にとって人間など敵ではないようだ。

名古屋のタクシー会社では、客がいる場所を指示する人工知能を導入、客の数を大きく伸ばした。人工知能が学習するのは、NTTドコモが持っている人の位置情報と、タクシー会社の乗降客データだという。

シンガポールのバス会社では、事故を起こす危険性の高い運転手を人工知能が見つけ出す。アメリカでは、過去の膨大な裁判記録を学んだ人工知能が、被告の再犯リスクを予測し、刑期の決定などに関わっている。

日本の人材派遣会社は退職の予兆がある人を、人工知能が事前に察知する。この際、学習するデータは派遣社員との面接記録の文章である。これと実際に退職した人の面接記録をつきあわせ文章の中に退職可能性に結びつくパターンを見いだすのだ。そのパターンがなんなのかは人間にはわからない。

ビジネスでも人工知能は圧倒的に強い。証券会社では1000分の1秒単位で超高速取引を繰り返して利ざやを稼ぎ出す。こうなれば当然人間のつけいる隙はない。

本来は人間の営みであるこれらの行為を人工知能は人間をはるかにしのぐ効率と正確さでやり遂げているのだ。にもかかわらず、人工知能は、結論は出すがその理由は言わない。この番組が主に現象面を取り上げるのは、人工知能の中身が開発者でさえ分からないブラックボックスだからである。テレビでは解説できないのである。

「シンギュラリティ(Singularity)」ということが言われる。シンギュラリティは技術的特異点などと訳され、「人工知能が人間を越える時」のことだと思っている人も多いが、これは誤解だ。この言葉を一般に膾炙させたカーツワイルによれば、この「シンギュラリティ」とは、それまでの時系列と非連続な進化が突然起こるポイントのことを言う。

これを言いかえれば、「人間の能力が根底から覆り変容する」ポイントである、ということだ。「人類が生物を超越する」というポイントだとも言える。この予測をカーツワイルは、2045年だとする。

しかしながら、人工知能の進歩は加速度的である。筆者には、シンギュラリティの前に何かが起こるのではないかと思われてならない。

まず容易に思いつくのは人間のサイボーグ化である。今、すでに存在する心臓のペースメーカー、インシュリンの埋め込みポンプ、内耳に埋め込む補聴器、再生医療によってできあがる皮膚。パワースーツ。これらに人工知能が関与すれば人間のカラダのあらゆる部分は、脳の一部さえも、徐々に人工物に置き換わっていく事が可能になるはずである。

おそらくそこで生まれるのは,シンギュラリティの前に生まれるのは、「人工知能由来の格差」であるように思う。

コメント (3)
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