政治が混とんとして来ました。稲田大臣の失言や下村博文幹事長代行の闇献金疑惑などで安倍内閣の本質が露わになりました。政治が混乱し、日本経済は2009年型不況に一時的に突入するかもしれません。2009年型とは7月に都議会議員選挙で当時民主党が54議席を獲得し、第1党に躍り出て、その破竹の勢いで8月の衆議院選挙も勝ち進み、鳩山由紀夫内閣を誕生させた政変です。その後、失敗に終わり、日本の政治は混乱し、経済もガタガタになりました。今回はそこまでいかないにしても、安倍首相と必ずしも同調しない新たな勢力が台頭し、自民党内で権力争いが激化しそうです。
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稲田朋美防衛相が東京都議選の応援演説で「自衛隊としてもお願いしたい」と発言したことで28日、稲田氏の「資質」を問う声が与野党に強まった。
野党の辞任要求は今年に入って3度目で、将来の「首相候補」として稲田氏を重用してきた安倍晋三首相は、8月上旬にも行う内閣改造で難しい判断を迫られそうだ。
「どうしてあんなことを言うのか。防衛省・自衛隊の公正、中立は常識だ」。自民党の閣僚経験者はあきれ返った。ただでさえ学校法人「加計学園」の問題で守勢に回る中だけに、政権中枢からも「都議選に影響しないわけがない」と悲鳴が上がった。
稲田氏の発言は、公務員の地位を利用した選挙運動を禁じた公職選挙法や、政治的行為を制限した自衛隊法などに抵触する可能性がある。27日夜に発言を聞いた政府高官は「本当か」と絶句した。
稲田氏は先の通常国会での答弁で、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊が日報に記載していた「戦闘」について「法的な意味での戦闘行為でない」と強弁。学校法人「森友学園」との関係をいったん否定しながら、翌日に撤回・謝罪に追い込まれた。その都度、野党は資質を問題視し、辞任を求めてきた。
だが、首相は稲田氏をかばい続けた。今回の発言が報じられた27日夜、首相は菅義偉官房長官に続投させる考えを伝達。菅氏は稲田氏に電話で「早く撤回して謝罪した方がいい」と促したが、責任は問わなかった。
今村雅弘前復興相が東日本大震災をめぐる失言で即座に更迭されたこととの落差は大きい。今村氏の発言は違法性が問われるものではないからだ。執行部と距離を置く自民党議員からは「首相は稲田氏以外ならばっさり切っていた」との不満が漏れる。
首相は野党の罷免要求を突っぱねる構えだが、自民党内では既に「内閣改造で交代させなければ、臨時国会を開けない」(ベテラン)と懸念する声が出ている。一方、政府関係者は「首相は稲田氏を本気で保守の後継者にしたいと考えている。経歴を傷つけるわけにはいかないだろう」との見方を示した。