『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

「映画13デイズ」にみる<キューバ危機回避と北朝鮮危機による国難突破>

2017-10-10 06:17:05 | 日記

ミサイル・核による北朝鮮危機が今回の衆議院総選挙の議題にも上り、騒がれていますが、リアルに核ミサイルと対峙する米国大統領の葛藤が描かれている映画『13デイズ』をみました。今回の北朝鮮危機も、クリミア半島有事から続く、米ロの対決なのかもしれません。いずれにしても、北朝鮮は事実上の核保有国です、東京まで10分足らずで着弾できる核ミサイルを保有し、脅かしている以上、過度の楽観は禁物です。今回の自民党安倍総理による国難突破解散は結果的に正しかったのか、加計学園隠しなのか時間が解決するでしょう。それにしても、小池代表は一人で、演説したり、インタビューに答えたりする能力は抜き出ていますが、討論会では場数を踏んでいる各党首の比ではない。今のところ、論破され、キャスターのように引き立て役になってしまっています。

以下抜粋コピー 
<キューバ危機とケネディ大統領>
 これは、1962年の「キューバ危機」の13日間における、アメリカ大統領ジョン・F・ケネディ(45歳)、司法長官ロバート・F・ケネディ(36歳)と、ケビン・コスナー演じる大統領特別補佐官ケネス・オドネル(38歳)という3人の「若きリーダー」たちの苦悩と決断の姿をリアルに描いたすごい作品だ。
 今時、キューバ危機といっても知らない人が多いだろうが、1959年カストロがキューバに樹立した革命政権は、ソ連の支援を受けていた。当時のソ連の指導者はフルシチョフ。アメリカにとってキューバは喉元につきつけられたあいくちのようなもの。アメリカは何とかカストロ政権の転覆をはかろうとしたが失敗し、キューバはますますソ連の軍事援助を求めた。

 そして1962年10月16日、ケネディ大統領の下に、「ソ連がキューバに核兵器をもちこんだ。」、「偵察機の航空写真によって、キューバに中距離弾道ミサイルの基地が発見された」、という驚くべき報告が入った。アメリカ政府は、この報告に震撼し、直ちに国家安全保障会議緊急執行委員会(EXCOM)を招集した。メンバーは前記の3人の他、ラスク国務長官、マクナマラ国防長官やジョンソン副大統領ら、今でも名前を知られているメンバ-の他、統合参謀本部長など10数名のトップ。彼らの決断にアメリカの将来は託されたのだ。

<「空爆」派と「海上封鎖」派>
 ラスク国務長官や軍部は当然、ミサイル基地への「空爆」を主張したが、ケネディ大統領らは、空爆が全面的核戦争へとエスカレートすることを恐れて、「海上封鎖」を主張し、対立は深まっていく。
 そして危機6日目。アメリカは海上封鎖の前段階として「臨検」を採用し、翌7日目にはケネディ大統領は、キューバ封鎖を全世界に発表した。緊張はどんどん高まり、キューバは戦闘体制に突入、ソ連も核戦争の準備に入った。アメリカでは、学校で避難訓練が行われ、核シェルターの建設も進んだ。
 危機10日目の10月25日にニューヨークで開かれた国連安全保障理事会で、アメリカ国連大使はソ連国連大使に向かって、「核ミサイルの存在を認めるのかどうか、YESかNOかで答えていただきたい!」と迫った。12日目には、アメリカの偵察機U2型機がキューバの対空ミサイルに撃墜された。
 このように日々、全面戦争への危機は強まっていった。

 ケネディ大統領が持ち出した妥協案は、ソ連がキューバから核ミサイルを撤去すればアメリカはキューバに侵攻しないこと、そして、NATO軍のトルコのミサイルを撤去する用意がある、というものだった。水面下での交渉は、ケネディ大統領の実弟のロバート司法長官とソ連駐米大使を通じてフルシチョフと行われた。そして、フルシチョフは遂にキューバからのミサイルの撤去を決断。危機13日目の1962年10月28日、危機は回避された。後に人々はこの日を「黄金の日曜日」と呼んだ。

 映画は、キューバでのミサイル基地の建設、アメリカの偵察機の動き、緊張感あふれる海上封鎖の実施など、時々刻々進展する事態をリアルに描く一方、大統領とその側近である主人公たちの人間味あふれる苦悩を真正面から描く。
 空爆を主張する「タカ派」に対して、「軍人はいつでも軍事行動については積極策、強行策をとるものだ」、と吐き捨てるように述べて、シビリアンコントロールの重要性を主張する大統領だが、着々と進むミサイル基地建設を手をこまねいて見ている訳にはいかない。全面核戦争を回避しつつ、ミサイル基地建設を中止させる手だては・・・と悩み、イライラする姿は、人間なら当然のことだろうが、国家指導者のこんな生身の姿を見ることができるのは、映画なればこそだ。

コメント (1)
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