冒頭解散から始まった国会の混乱は日本の最大野党民進党議員や他の国会議員の多くが、いかに自分のことだけを考えて意思決定をし行動しているのか。さらに、衆院選挙後には参議院民進党中心に再結成などという国民を舐めきった動きすらあります。そしてその結果、日本の政治が多くの有権者の想いから、いかにかけ離れたモノになっているのかという…民主主義の根本的な問題を提起した出来事でした。国内政治の混乱をよそに外国人投資家が日本株買いを再開です。たとえ2/3議席を取れなくても過半数さえ確保出来れば、アベノミクスは継続されるとの冷静な読みです。一方、安倍首相は「憲法改正」をするために民進党からのプレゼントを受け取り再び選挙に勝って衆議院の任期を伸ばせれば、それは改憲に向けて、さらに、首相としての任期を伸ばすことにも繋がる。こちらも、自己都合と言われても仕方ない。さらに、「幼児教育の無償化」や「貧しい家庭を対象とした高等教育の無償化」と言えば、基本的に反対する人はいないだろうし、自民党にそれを言われてしまうと、野党だって「反対」とは言いずらい、せいぜい消費税凍結位しか言えないが、株価がバブルの様相を呈するほど好調で、財政再建のためには仕方ないとの世の中の空気に押され気味です。改憲などで安倍政権の考え方にも近い「保守派」の野党議員が誕生すれば、今回の選挙で自公・与党の議席が減っても、改憲派2/3を確保し憲法改正に近づける。「大山鳴動して鼠一匹」練りに練った解散劇、消費増税を掲げ、自民党単独過半数以上の議席確保ならば大勝利、小川敏夫参議院民進党会長の再結成「自分たちファースト」発言、止めは北朝鮮が複数の場所で弾道ミサイルを載せた移動式発射台が格納庫から出て移動している動き。筆者の自民党予想獲得議席292議席に向かって追い風です。
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読売新聞が7~8日に実施した調査で、衆院比例選の投票先は自民党の32%がトップとなり、前回9月28~29日の調査の34%から微減となった。一方、自民党を脅かす存在として注目を集める小池東京都知事率いる希望の党は、19%から13%に低下した。ポピュリスト的政策や、人気の源である小池氏自身が出馬しないことで、希望の党から支持が離れ始めていると海外メディアは見ている。
◆希望の党=小池氏。不出馬では盛り上がらない
希望の党失速の理由として各紙が上げるのが、小池氏自身が出馬しないとしたことだ。フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、小池氏は他党の離党者を引き入れ新党を結成したものの、自身の出馬はないとしたことで、党躍進のチャンスにダメージを与えてしまったようだと述べる。野党への票が分散することで、結果的に小選挙区でも安倍首相を利することになるのではないかとしている。
ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)は、男性ばかりの政界で這い上がってきた女性として小池氏を高く評価するものの、希望の党は同氏のアイデンティティと密接にリンクしていると指摘し、同氏が出馬しないのであれば、その戦いぶりを予測するのは難しいとした。ロシアのスプートニクも、小池人気に支えられているのに、同氏が不出馬を宣言したことで、希望の党支持が急落したと述べている。
◆政策に現実味なし。「緑のたぬき」では困る
実現性に乏しい政策も、支持者離れの原因ではないかとされている。NYTは、小池氏は安全保障についてはタカ派で、安倍首相の改憲への努力を支持しているが、自民党との差別化を図る必要があったと説明する。公約には、反原発、消費増税凍結、企業団体献金ゼロ、受動喫煙ゼロ、待機児童ゼロなどが示されているが、筋の通った指導者的ビジョンを提示することなく、有権者の感情をベースにした、いいとこ取りになっているという専門家の批判を紹介している。
ソーシャルメディアでは、小池氏の写真をカップ麺「緑のたぬき」の写真と加工したものが出回っており、たぬきのように化け上手で、政治的に信用できず、口先ばかりだという見方もあるという(NYT)。
FTは、アナリストたちは希望の党の公約には懐疑的だと述べる。キャピタル・エコノミクス社のエコノミスト、Marcel Thieliant氏は、消費増税を遅らせたり、ベーシックインカム導入などが実行されたりすれば、財政政策はより緩くなりそうだが、どのように日銀の方向性を変えるかについての明確な提案が示されていないと指摘。構造改革も提案されているが、経済の進路を変えることにはなりそうもないと述べている。
◆民進党問題、独裁的都政でイメージダウン
NYTは、希望の党誕生で民進党が合流しようとしたが、小池氏が合流の条件を付けたことでリベラル派が立憲民主党を立ち上げたことに言及し、小池氏の新党結成表明が、政治的ドミノ倒しにつながったと述べる。これを日本大学の岩井奉信教授は、日本の政治における、いまだかつてないレベルの混乱だと述べている。
しかしテンプル大学日本校のジェフリー・キングストン氏は、民進党に関する小池氏の戦略は、希望の党のイメージを悪くしたのではないかと述べる。小池氏はゾンビ化して終わりそうな民進党の難民を吟味し、自分の考えに賛成しないからという理由で多くを拒絶してしまった。これが傲慢と不寛容と取られ、党のイメージを傷つけたと見ている。
都政での小池氏のやり方への批判もある。NYT紙は「自民党をブラックボックスと非難したわりには、自身が閉鎖的」という東京大学の内山融氏のコメントを掲載し、約束された「開かれた都政」が実現していないとみるアナリストがいると述べる。また、都民ファーストの会の議員2名が、小池氏は「独裁的」として離党したことなどを紹介している。
◆希望は消えた? 今後の注目は与党の議席数か
結局各紙とも、野党の躍進は難しいと見ており、キングストン氏は、この選挙での見どころは、改憲につながる3分の2の議席を自公が取れるかどうかだとしている(スプートニク)。
一方、サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙に寄稿したジャーナリストのトム・ホランド氏は、数々の数字から日本経済復調の兆候が見られるとし、今まさに日本はスランプ脱出の手前にあるのではないかと述べる。よって、改憲に必要な3分の2が取れないとしても、あと4年の「アベノミクス」景気拡大策には、単に過半数で十分だと述べている。